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第6章 アカネと森の狼さんと熊さん クラッシュ編
【男の娘044】アカネとマッシュ兄さんの課題
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「さっ、アカネそろそろ見えてきたよ。あそこで父さんが働いているよ。」
「お~~~い、父さん」
とマッシュ兄さんがお父様に向けて手を振っている。
「お父様~~~」
私も真似して、お父様に向けて、手を振ってみる。
「お~マッシュ、アカネ、こっちにきたのか?」
とお父様もお返しに手を振ってくれた。
「それでマッシュ兄さん。お父様はここで何をしているんでしょうか?あと、マッシュ兄さんはなにを普段しているのですか?」
「そう作業や酪農を鳥人族や獣人族と協力して、やっているのはこの前話したよね。僕と父さんは、基本的には、全体の管理をやっているんだ。この時期はこれの準備をして、温かくなったから種をまいて、水やりをしようとかね。それを獣人族と鳥人族の若人衆に指示して作業してもらうのさ。」
「あ~なるほど。それで、お父様と兄さんは、ぶらぶらと歩いて、どのくらいの進捗か確認をしているわけですね。あと、作物の調子をみたり、病気になってないか確認したり。」
「そうだよ。アカネよく分かっているじゃないか。上流貴族の知らないことを良く知っているね。」
あららら、お父様とお母様とお話するようにしてたら、余計なことをしゃべっちゃったよ。ここは知らないフリをして全部聞くのが正解だったね。どうもそういう知っていることを知らなかったことにしたりするのは苦手だし、すぐにボロが出ちゃうな。
「えへへへっ、農業系の本に書いてありましたので。ははっ、ははっははっ」
愛想笑いをして誤魔化すことにしました。
「そうなんだ。アカネは勉強家だね。御見それするよ。僕も父さんから、色々と本を読んで勉強しろと言われているけど、なかなか文字を読むっていうのが慣れなくてね。じっとして何かするのにきっと向いてないんだよ。こうやって、現地に来て、みんなと協力してわいわいやりながら作業する方が性にあっているんだ。」
「体を動かすのが好きってマッシュ兄さんらしいですね。そういう意味でなら、私は本を読んだり、みんなに美味しいと言ってもらえる料理を作るの方が性にあっていますね。なので、兄さんが苦手な読書は私が代わりにやっておきますよ。それで、私が学んだことを兄さんに伝えれば大丈夫ですね。」
「おお~そうだな。アカネは頭がいいし、優しいな。家に帰ったら、僕の課題の本をアカネの部屋に持って行くよ。」
父様が何を狙って、マッシュ兄さんに本を読んで欲しいって言っているのかわからないんだけどね。知識や技術を本から学ぶことが目的なら、私が代わりに読んであげて、兄さんに伝えればそれでOKなんだよね。
ただ、これが、新しい技術や知識を自分の手で、学んで考えて応用するってことなら、マッシュ兄さんの邪魔をしていることになっちゃうんだよね。宿題を提出するのが目的か、それとも、自分で考えて血肉として使えるようにすることが宿題をする目的なのか?ってことだよね。
学校では、今日の学びを家に帰って復習して、自分の力で出来るようにすることが本来の宿題の目的だけど、提出するってくくりがあるから、学校に提出することが目的の子供や親御さんがいるからね。
その課題が何を目的にしているかってのは大切だよね。いらぬおせっかいはやっちゃダメなんだよね。ま~今のままだとマッシュ兄さんは本を読んで勉強なんてしそうにないから、やっても問題はないよ。自発的に進んで本を読まないとどちらにしろ、その目的を達成することは出来ないし。
それに、人は誰でも一人で生きていけるわけではないから、その時その時で、自分に出来ないことは人にお願いしてやってもらうのも一つの方法だしね。よくあるのは、自分が出来たからって、他の人にやらせて同じことが出来ると思っちゃダメだよってことだよね。
生きてた環境や学んだ環境が違うなら、少し同じやり方でやったところで出来る人と出来ない人はおのずと別れるから。同じ理屈で親が出来たからといった理由で必ずしも子供も出来るわけではないからね。そこまでにどれだけの積み重ねをしてきたかってことだから。そもそも積みあがってさえいなければ出来るはずはないんだよ。
「その代わり、マッシュ兄さんは私が出来ない蜂の巣箱づくり頑張ってくださいね。お菓子作りは、砂糖か蜂蜜がないと上手くいきませんからね。どうしても必要なんですよ。」
と可愛らしく、人差し指を口にあてて、上目づかいでマッシュ兄さんを見上げる。
「おっ、蜂の巣箱が出来たら、蜂蜜が出来て、それでお菓子が出来るのか。それは腕がなるね。どのくらいいるんだ。」
残念、私のちょっとした可愛らしい仕草では、マッシュ兄さんには効かないようだ。
「そうだね。家の家だけなら、一つあれば十分。。。。ではないね。下手したら毎日食べそうだし、そうなると一月1個と仮定して、1年が12ヶ月だから12個あったらいいかな。その分の花と蜂蜜がいるかどうかが別問題になるけどね。なので、試作は2個あればひとまずはいいよ。それで試して、後で、どの大きさがいいか確認しようよ。」
「そうなのか。僕はホットケーキが美味しかったらまた食べたいからな。蜂蜜が出来たらまた作ってくれよ。ホットケーキ!!」
「勿論。腕によりをかけて作りますわ。せっかくマッシュ兄さんが蜂蜜採れるように巣箱作ってくれるんだもん。それ相応のお返しはちゃんとさせてもらいますよ。でも、美味しくするには、蜂蜜もいいんだけど、やっぱり砂糖がほしいんだよね。」
「お~~~い、父さん」
とマッシュ兄さんがお父様に向けて手を振っている。
「お父様~~~」
私も真似して、お父様に向けて、手を振ってみる。
「お~マッシュ、アカネ、こっちにきたのか?」
とお父様もお返しに手を振ってくれた。
「それでマッシュ兄さん。お父様はここで何をしているんでしょうか?あと、マッシュ兄さんはなにを普段しているのですか?」
「そう作業や酪農を鳥人族や獣人族と協力して、やっているのはこの前話したよね。僕と父さんは、基本的には、全体の管理をやっているんだ。この時期はこれの準備をして、温かくなったから種をまいて、水やりをしようとかね。それを獣人族と鳥人族の若人衆に指示して作業してもらうのさ。」
「あ~なるほど。それで、お父様と兄さんは、ぶらぶらと歩いて、どのくらいの進捗か確認をしているわけですね。あと、作物の調子をみたり、病気になってないか確認したり。」
「そうだよ。アカネよく分かっているじゃないか。上流貴族の知らないことを良く知っているね。」
あららら、お父様とお母様とお話するようにしてたら、余計なことをしゃべっちゃったよ。ここは知らないフリをして全部聞くのが正解だったね。どうもそういう知っていることを知らなかったことにしたりするのは苦手だし、すぐにボロが出ちゃうな。
「えへへへっ、農業系の本に書いてありましたので。ははっ、ははっははっ」
愛想笑いをして誤魔化すことにしました。
「そうなんだ。アカネは勉強家だね。御見それするよ。僕も父さんから、色々と本を読んで勉強しろと言われているけど、なかなか文字を読むっていうのが慣れなくてね。じっとして何かするのにきっと向いてないんだよ。こうやって、現地に来て、みんなと協力してわいわいやりながら作業する方が性にあっているんだ。」
「体を動かすのが好きってマッシュ兄さんらしいですね。そういう意味でなら、私は本を読んだり、みんなに美味しいと言ってもらえる料理を作るの方が性にあっていますね。なので、兄さんが苦手な読書は私が代わりにやっておきますよ。それで、私が学んだことを兄さんに伝えれば大丈夫ですね。」
「おお~そうだな。アカネは頭がいいし、優しいな。家に帰ったら、僕の課題の本をアカネの部屋に持って行くよ。」
父様が何を狙って、マッシュ兄さんに本を読んで欲しいって言っているのかわからないんだけどね。知識や技術を本から学ぶことが目的なら、私が代わりに読んであげて、兄さんに伝えればそれでOKなんだよね。
ただ、これが、新しい技術や知識を自分の手で、学んで考えて応用するってことなら、マッシュ兄さんの邪魔をしていることになっちゃうんだよね。宿題を提出するのが目的か、それとも、自分で考えて血肉として使えるようにすることが宿題をする目的なのか?ってことだよね。
学校では、今日の学びを家に帰って復習して、自分の力で出来るようにすることが本来の宿題の目的だけど、提出するってくくりがあるから、学校に提出することが目的の子供や親御さんがいるからね。
その課題が何を目的にしているかってのは大切だよね。いらぬおせっかいはやっちゃダメなんだよね。ま~今のままだとマッシュ兄さんは本を読んで勉強なんてしそうにないから、やっても問題はないよ。自発的に進んで本を読まないとどちらにしろ、その目的を達成することは出来ないし。
それに、人は誰でも一人で生きていけるわけではないから、その時その時で、自分に出来ないことは人にお願いしてやってもらうのも一つの方法だしね。よくあるのは、自分が出来たからって、他の人にやらせて同じことが出来ると思っちゃダメだよってことだよね。
生きてた環境や学んだ環境が違うなら、少し同じやり方でやったところで出来る人と出来ない人はおのずと別れるから。同じ理屈で親が出来たからといった理由で必ずしも子供も出来るわけではないからね。そこまでにどれだけの積み重ねをしてきたかってことだから。そもそも積みあがってさえいなければ出来るはずはないんだよ。
「その代わり、マッシュ兄さんは私が出来ない蜂の巣箱づくり頑張ってくださいね。お菓子作りは、砂糖か蜂蜜がないと上手くいきませんからね。どうしても必要なんですよ。」
と可愛らしく、人差し指を口にあてて、上目づかいでマッシュ兄さんを見上げる。
「おっ、蜂の巣箱が出来たら、蜂蜜が出来て、それでお菓子が出来るのか。それは腕がなるね。どのくらいいるんだ。」
残念、私のちょっとした可愛らしい仕草では、マッシュ兄さんには効かないようだ。
「そうだね。家の家だけなら、一つあれば十分。。。。ではないね。下手したら毎日食べそうだし、そうなると一月1個と仮定して、1年が12ヶ月だから12個あったらいいかな。その分の花と蜂蜜がいるかどうかが別問題になるけどね。なので、試作は2個あればひとまずはいいよ。それで試して、後で、どの大きさがいいか確認しようよ。」
「そうなのか。僕はホットケーキが美味しかったらまた食べたいからな。蜂蜜が出来たらまた作ってくれよ。ホットケーキ!!」
「勿論。腕によりをかけて作りますわ。せっかくマッシュ兄さんが蜂蜜採れるように巣箱作ってくれるんだもん。それ相応のお返しはちゃんとさせてもらいますよ。でも、美味しくするには、蜂蜜もいいんだけど、やっぱり砂糖がほしいんだよね。」
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