【完結】TS転生で悪役令嬢に?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。~

近衛 愛

文字の大きさ
上 下
41 / 105
第5章 アカネと美味しい食卓

【男の娘041】アカネと餌付け

しおりを挟む
お母様にもお墨つきをもらったことだし、私は、サンドイッチを作っていく。

・ベーシックにレタスとハムのサンドイッチ(マヨネーズ入り)
・薄焼き卵とレタスとマヨネーズのサンドイッチ
・お肉大好きな人のため、お肉のから揚げをスライスして、豪勢に並べたサンドイッチ(マヨネーズ入り)

と3種類のサンドイッチを私とお母さまで協力して作成していく。

 とは言っても、食パンの焼成した量が量なので、あまり作れませんでした。マヨネーズも少量しか作らなかったので、作った分は全部なくなってしまったよ。これでマヨネーズの存在は確実に姿を消した。お母様以外が知ることはないだろう。

 おっと、7人の小人さんたちにも口止めをしなければならないわね。マヨネーズと野菜のスティックがあれば、良かったんだけど、もう使っちゃたしね。仕方ないわ。私用のサンドイッチを一つ分解して、小人さんようのミニサンドイッチに作り直して渡した。

 渡したのは、今日私が早起きして作った集大成であるお肉のから揚げのサンドイッチ。渡した小人さん達は、一口食べると、わき目もふらずに食べ始めた。。。。うん、から揚げとマヨネーズのコンボだけでも協力なのに、そこにフワフワ食パンで作ったサンドイッチだからね。破壊力は抜群だよ。

 あえなく、小人さんも撃沈してしまった。食べている時は嬉しそうだったけど、食べ終わると、なんか悲しそうな目で、『あっ、全部食べちゃった。美味しかったからもっと味わって食べればよかったよ。みんなのも。。。。食べ終わっているね。。。』て言っている気がするな。

 食べて喜んではしゃぎまわるより、この効果は嬉しいけど、この小人さんの『もうないよ。美味しいもの全部食べちゃったよ。』って顔を見ると、罪悪感が芽生えてくるわね。なんか、ホント手伝ってくれているのにそれだけの量で申し訳ないって気になってくる。

 流石に他の人の分のサンドイッチを上げるわけにはいかないんだよね。私は試食したから朝食はなくてもいいか。でもあげられるのは、残りは食パンだけなんだよね。しかみ端っこの耳の所。満足してもらえるかな?と小さめに切って、

「今日のお手伝いの分はこれで最後だよ」

 と右目でウインクして渡す。小人さんたちは、耳パンを両手で持ち上げて走り回っていた。いやいや食べ物持って走ったりしたらダメだよ~。と微笑ましく見ていた。喜んでもらえてよかった。走り終わったら、横並びに一列に並んで一斉にお辞儀を繰り替えていた。やっぱり小人さんの方でもこれが、僕達がしょんぼりしてたために、自分の分を削ってくれたってことがわかったみたいだね。

 うん、もういいよ。せっかくだし食べてよ。と言って手で促してようやく食べ始めた。

「小人さんたちも可愛いね。私もたまに洗い物手伝ってくれた時は、私の分を少し上げているよ。喜んで食べてくれる姿を見ると、ちょっと多めに上げちゃったりするんだけどね。」

「わかります。自分の作ったものを美味しく食べてもらえると、せっかくだから、もっと食べてよって、自分の分も上げてしまいますね。ちょっと半分これって餌付けかなって気もしてきますけど。」

「嫁なんて、みんな旦那を餌付けしているようなもんさね。」
と笑いながらお母様が言ってた。

「確かにそうかもしれませんね。料理の上手な女性には、仕事を頑張る旦那がついてくるっていいますし。私の世界でも、餌付けするために、お料理教室に行っている人もいましたから。せっかくですから、愛する人には健康な料理で美味しい料理を食べて幸せになってもらいたいですもんね。」

「そうだよ。アカネちゃん。上流貴族なら、お抱えの料理人がやってくれるから、する必要はないんだけどね。私達下級貴族や、一般の平民だと、料理の出来る出来ないで嫁のもらい方が変わってくるものだよ。

 女性って、男性のお家に嫁ぐじゃないか。そうなると、自分の家庭の味は勿論だけど、相手の家庭の味を上手く再現して、料理を作らないと、食べてもらえないことがあるからね。」

「そうなんですね。なら、女性は、旦那さんのお母様と仲良くなって、その家庭の料理を学ぶのも必要になってくるわけですね。」

「そうそう。そうなんだよ。自分の好んだ味ではなくて、相手の家族が美味しいと言ってくれる味を模索していくことが必須になってくるんだよ。私もこの家の味を再現するのには時間がかかったもんさね。」

「あれ、そう言えばお母様って、どこの家の出身になるんですか?もともとはそこの家で料理を万弾ですよね。それに、辺境に嫁ぐ女性はいないって聞きますし、どうやって今の旦那様、ええとお父様とお出会いになったのですか?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】貴方たちはお呼びではありませんわ。攻略いたしません!

宇水涼麻
ファンタジー
アンナリセルはあわてんぼうで死にそうになった。その時、前世を思い出した。 前世でプレーしたゲームに酷似した世界であると感じたアンナリセルは自分自身と推しキャラを守るため、攻略対象者と距離を置くことを願う。 そんな彼女の願いは叶うのか? 毎日朝方更新予定です。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

88回の前世で婚約破棄され続けて男性不信になった令嬢〜今世は絶対に婚約しないと誓ったが、なぜか周囲から溺愛されてしまう

冬月光輝
恋愛
 ハウルメルク公爵家の令嬢、クリスティーナには88回分の人生の記憶がある。  前世の88回は全てが男に婚約破棄され、近しい人間に婚約者を掠め取られ、悲惨な最期を遂げていた。  彼女は88回の人生は全て自分磨きに費やしていた。美容から、勉学に運動、果てには剣術や魔術までを最高レベルにまで極めたりした。  それは全て無駄に終わり、クリスは悟った。  “男は必ず裏切る”それなら、いっそ絶対に婚約しないほうが幸せだと。  89回目の人生を婚約しないように努力した彼女は、前世の88回分の経験値が覚醒し、無駄にハイスペックになっていたおかげで、今更モテ期が到来して、周囲から溺愛されるのであった。しかし、男に懲りたクリスはただひたすら迷惑な顔をしていた。

ど天然で超ドジなドアマットヒロインが斜め上の行動をしまくった結果

ファンタジー
アリスはルシヨン伯爵家の長女で両親から愛されて育った。しかし両親が事故で亡くなり叔父一家がルシヨン伯爵家にやって来た。叔父デュドネ、義叔母ジスレーヌ、義妹ユゲットから使用人のように扱われるようになったアリス。しかし彼女は何かと斜め上の行動をするので、逆に叔父達の方が疲れ切ってしまうのである。そしてその結果は……? 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。 表紙に素敵なFAいただきました! ありがとうございます!

悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます

水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか? 私は、逃げます! えっ?途中退場はなし? 無理です!私には務まりません! 悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。 一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

処理中です...