【完結】TS転生で悪役令嬢に?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。~

近衛 愛

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第5章 アカネと美味しい食卓

【男の娘038】アカネと揚げ物料理

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 そんな事情だったんだね。フルーテス宛に手紙を書いておいて、次に行商人が来た時にもっていってもらうことにした。何を書こうかな?ちょっと楽しみになってくる。だって、私がこの世界で初めてお友達になった人だもん。

 って、よく考えたら、私ってお友達フルーテスしかいなかったよ。あとは、キャロットちゃんやマッシュ兄さんは家族カテゴリーだし、ペレトンさんと、ドルファンさんはまだ、1回しかあってないからね。おおう、家に引きこもっての生活って本当に人と出会わないよね。

 
パンは、オーブンに入れて焼成中だし、揚げ物料理でも始めようかな。

「さっ、お母様、お楽しみの揚げ物料理を始めたいと思います。」

パチパチパチ
「待ってましたよ。アカネちゃん。」

「まず初めに、バッター液体を用意します。
 材料は水、薄力粉なんですけど、細かい種類がないので小麦粉で代用、あとは卵を入れてかき混ぜます。小麦粉でなくても片栗粉でもいいんですよ。」

「はい、アカネちゃん質問。薄力粉ってなんなんだい?それを使うと仕上がりが変わったりするのかい?」

「うちの世界では小麦は薄力粉、中力粉、強力粉で区分されているんですよ。なにが違うかと言うと、小麦特有のタンパク質の含有量で分けられているんですね。薄力粉は、グルテンの含有量が少ない軟質小麦。中力粉は軟質小麦と中間質小麦、強力粉は硬質小麦で作られています。」

「は~~そんなに、違うものなんだね。家の小麦は軟質とか硬質とかってのは気にしたことはなかったよ。で、それがどう料理に影響するんだい?」

「薄力粉は、ふんわりした生地になりやすいです。ただ、だまになりやすいので注意が必要です。中力粉は適度なコシと弾力が生まれるので、麺類など『パスタ』やええと、『うどん』と呼ばれるものに使ったりします。強力粉は、水で練ると粘り気がでて、すごい弾力が生まれるので、パンやピザなどに使うことが多いですよ。」


「なるほどね。用途によって、使う性質の異なる小麦粉を使うんだね。それにしてもアカネちゃんと話していると難しい言葉や新しい言葉がポンポンと出てきて刺激になるわね。

 (旦那が心配するのも当然といえば当然だね。私にすべて明かしているとはいえ、次から次へと知らない事実と調理方法が出てくるんだから。私は、アカネちゃんが外にでて、知らない人に会ったときに余計なことを話さないように、ここの常識と向こうの常識の境目を教えていくことだね。
 いつまでも私達がついて、回るわけでもないから、自分でそこら辺の判別を出来るようになってもらわないと、本当に色んな人が押し寄せて来て、大変なことになっちゃうわね。)」

「えへへへっ、そうですか。」

 褒められてちょっと嬉しくなっちゃったよ。もっと頑張ってみんなのお役に立たないとね。

「揚げ物の材料は、後はパン粉が必要になります。昨日私が少しとっておいた、パンを使います。パン粉には、生パン粉と乾燥パン粉がありますが、今回はパンをそのまま細かく千切って使うので生パン粉になります。さくっと仕上がるので私はこっちが好みですね。」

私は、さっと、パンを細かく千切ってさらに、包丁でみじん切りにしていく。

「タタッタタッタタタタタタ」

 この包丁の音がなんど聞いてもいい感じお料理をしているって感じがするよ。

「でさっき準備してもらっていた、お肉の一口サイズのお肉や野菜を、バッター液に軽く流して、それにパン粉を全体的にまぶしていきます。」

「なるほどね。変わった調理法だわ。」

「鍋に油をたっぷり入れて、火であたためます。普通水を温めると100℃までしか上がりませんが、油ではそれ以上に熱することが出来るので、短時間で食材に火を通すことができるんです。」

 菜箸(さいばし)がないから、木の棒をちょっとしめらせて、鍋のところに入れてみて、うん、ちょっと気泡がでてるからこんなものかな。

「温まったら、パン粉をつけた食材を鍋の中に入れて行きます。お母様油が飛んで危ないので、少し離れていてくださいね。」

 よっと、鍋のなかにボチョンとお肉を入れる。うん、上手く入ってくれた。いつもこの瞬間がドキドキするんだよね。一度間違って、油が跳ねて、腕にあたったから、、、、あれは熱かったな。すぐに冷やしたけど、水膨れになって、その後完治するまでが酷かったんだよ。

 子供が勝手にする料理ではないよね。大人でも処理間違えると家事のもとだし、油に火が付くと、水をかけると余計に被害がでかくなるんだよね。水蒸気爆発を起こして、油が飛び散って火災が余計に広まってしまうから。

 あれ、もしかして、私ってこの世界に火事の要因作っちゃってる?う~~ん、でも包丁だって、食材を切る道具ではあるけど、人を殺める(あやめる)ことの出来るものでもあるし、要は使い方の問題だよね。

 揚げている間にそこら辺の注意点もお母様に説明していく。火災という意味では、晴れた日に屋外でするのがいいのかな?でも、風がある分、余計に影響がわからないか。安全に調理するって案外難しいものだね。

「泡が小さくなってきたので、あげどきですね。」

 と網目のお玉で、さっとすくい、お皿においていく。油をきるための道具がないので、別のお玉を利用して油を切ることにする。

「さっ、出来ましたよ。お母様。から揚げ試作一号ですわ。そのまま食べてもいいですし、ソースやなにかをかけて食べるのもいいですよ。ただ、少し熱いので気をつけて食べて下さいね。」

 こんがりとキツネ色になったお肉とお野菜。うん、美味しそう。揚げ物は焼きたてが超美味しい。ほくほくでなんとも言えないんだ。お母様がちょっと手をだしずらいみたいだから、私が先にとって、お手本を見せてあげよう。

 フォークでお肉を突き刺し、一口分少し食べる。一度、そのまま揚げたてを口の中にほうりこんで、口内を火傷したことがあるんだよ。あの後はしばらく、何も食べれなかった。。。なのでフーッツフーッして、粗熱をとってから、それでも慎重に少しだけだべることにしている。

「うん、美味しい。お母様も同じ用にして食べてみてくださいね。熱いですから、一気に食べると口の中が火傷しちゃいますからね。」

「なら、私もお肉を頂こうかしら。」

とお肉を一口食べる。

「あら、美味しいわ。熱々でそれでいて、お肉を齧るとそこから肉汁がどっと出てきて素材の味がそのままでいいわね。」

「でしょ~。お肉もいいですけど、旬のお野菜もまた格別ですよ。かぼちゃやサツマイモなんかだとなんとも言えない甘味になっていて、お勧めです。」

「なら、次はこれを頂こうかね。」
といって、カボチャを取っていく。

「あら、ほんと、普通に調理した時より甘く感じるわね。これなら、野菜嫌いの子も喜んでワべるわね。」

「ええ、うちの世界ではから揚げ、天ぷらを嫌いな子なんてほとんどいませんでしたよ。(アレルギー体質の子はたべれないけど)」



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