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第5章 アカネと美味しい食卓
【男の娘037】アカネとお弁当作り
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ふぁ~~~~今日も朝が早いよ。マッシュ兄さんとお出かけするから、力を入れてお弁当を作らないとね。朝の朝食の準備もあるからあまり時間もないし、テキパキするよ。
過発酵したタネをパン生地に混ぜると、いつものよりも膨らみが若干早いような気がするね。確か加熱すると、酵母の菌が死んじゃうって話だったから、これを乾燥させて、粉末にしたら、ベーキングパウダーの代わりになるんじゃないかな。こういう時に火と風の魔法が使えたら、急速に乾燥させて実験が楽になるんだけどな。
あっ、いいここと思いついた。『加速(アクセラレイト)』をパン生地にかければ、急速に乾燥するんじゃないかな?あっ、でも私って魔法禁止されてるんだっけ。結構もどかしいな~思いついたことをその場で試すことが出来ないっていうのは。
仕方ない、お弁当の準備もあるし、これは自然乾燥させておこう。まとまっていると、空気との接触面積が少ないから、乾燥しにくいし、細かく、刻んで、お皿の上に乗っけておけば多分大丈夫だよね。
あっ、いけない、お母様がそろそろ起きてくるから、パンだけでも準備しておかないと。今回は、魔法を使わずに発酵してある。そろそろ魔法なしで出来ることを増やしていかないとね。っと、魔法を使ってないから。
『七人の小人』
小人たちが召喚された。
「みんなおはよう。」
小人たちが揃って敬礼をする。
「今日はね。ちょっとお出かけするのにお弁当作るから、少し手伝ってくれるかな?」
みんな揃ってグッジョブとばかりに親指を立ててくる。
さて、細かい指示はしたし、私はパンを成型していく。今日作るのは、いつものパンも作るけど、食パンを作るんだ。金型がないから、長方形の綺麗なホテルの食パンにはならないけど、長ーい、太ーいパンを作って、カットして出す予定なんだ。
これも相談案件に入るのかな?いや、昨日は既にトーストを出しているから、これに関しては必要ないよね。
「生地を捏ね捏ね捏ね~~~る
捏ねれば捏ねれるほど
生地がまとまって
美味しくな~~~る。」
なんか前に見た魔女のお菓子みたいな歌になっちゃったな。ふふふっ。
「あら、アカネちゃん。おはよう。朝からえらくご機嫌だね」
「お母様おはようございますわ。あら、やだ、聞いてらしたんですか?」
お母様の肌も今日はプルプルしてるよ。なんでだろう?
「そりゃ、もう、朝の支度に降りてきたら、リズムのいい歌が聞こえてきたからね。邪魔しちゃ悪いと思って、後ろで終わるのを待ってたのさ。」
顔がちょっと赤くなる。なにそれ、ちょっと恥ずかしいよ。
「それで、何を今日は作ってたんだい?」
「はい、昨日話してた食パンを作ってみました。」
とドデーンっと長くて太いパン生地を出してみる。
「これが食パンね~フランスパンとは違うのかしら?」
「ええ、違いますよ。でも本来の形ではないんですけどね。長方形の金型に入れて焼成するのが食パンの本来のやり方ですから。上手く言ったら、お父様にお願いして準備してもらいます。」
「それは今日の朝食が楽しみだね。それはそうと、隣で作っているのはなんなんだい?」
「それはですね。マッシュ兄さんに外に連れて行ってもらうので、のんびりするためにお弁当を作っているんですよ。マッシュ兄さんの好物ってお肉ですかね?」
「あらあら、それはいいね。なら、私も今まとめてお昼の準備もしちゃおうかね。あの子は好き嫌いはほとんどないからどれも食べれるから好きに作っても大丈夫だよ。好みといえば、分厚いお肉のステーキなんかだけど、あれは冷めると美味しくないだろう。」
「ああ~なるほど。なら、コロッケか、豚カツか、から揚げなんかなら大丈夫そうですね。せっかくだし、揚げ物料理しちゃいましょうかね。丁度この間の鹿の脂身が大量にあるから、こまらないけど、ちょっと植物油じゃないからくどくなるかな?」
「へ~遂に揚げ物料理かい。せっかくだし、うちの分もやっておくよ。アカネちゃんが今作るってことは冷めても美味しいんだろう?」
「えぇ、揚げたてが美味しいのは言うまでもないですが、冷めてもいけますよ。皆さんなら炎の魔法で簡単にあっためられると思いますよ。」
「いや、そんなことは出来ないよ。私は少なくともそんなに繊細な魔法は出来ないね~。種火を起こすとかなら問題なく出来るけど、何かを温めるのは私は出来ないよ。」
「えっ、そうだったんですか?てっきり皆さん使える魔法は生活で、色々な所で使えると思ってたんですけど。。。。あっ、お母様、今ちょっとお聞きしたいんですけど、お友達に手紙を送っても大丈夫でしょうか?というかここって手紙って送れますか?」
「大丈夫だよ。アカネちゃんはちゃんとその辺弁えているから、私達が今秘密にしようとしていることは書かないと思うからね。でも、手紙はそうそうこの辺境にはこないよ。というか配達員自体うちには来ないからね。」
「そっ、そうなんですか?ではどうやって都市部や他の貴族の方と連絡を取っているのでしょう?」
「そうね。アカネちゃんが来てから、まだ来てないけど、都市とここをまたぐ行商人の人が月に1度くるんだけど、その時に配達をしてもらっているよ。あとは急ぎなら、伝書鷹(でんしょたか)を使うことがあるわね。鳥人族からお借りして、だすわね。もちろん都市からも伝書鷹でくるわよ。」
おお~~っと、文明が遅れていると思っていたけど、スマホもない携帯電話もない、手紙すらまともにないときましたか。
「遠くの人と音声で通話する手段とかってないんですか?その特別な緊急の時だったり?」
「あるにはあるわよ。でも、国の重要施設やお偉い上流貴族の方のみだったりするわね。私らみたいな辺境貴族にはないし、あったとしても、相手がその通信手段を持っていないと、連絡の取りようがないからね。」
過発酵したタネをパン生地に混ぜると、いつものよりも膨らみが若干早いような気がするね。確か加熱すると、酵母の菌が死んじゃうって話だったから、これを乾燥させて、粉末にしたら、ベーキングパウダーの代わりになるんじゃないかな。こういう時に火と風の魔法が使えたら、急速に乾燥させて実験が楽になるんだけどな。
あっ、いいここと思いついた。『加速(アクセラレイト)』をパン生地にかければ、急速に乾燥するんじゃないかな?あっ、でも私って魔法禁止されてるんだっけ。結構もどかしいな~思いついたことをその場で試すことが出来ないっていうのは。
仕方ない、お弁当の準備もあるし、これは自然乾燥させておこう。まとまっていると、空気との接触面積が少ないから、乾燥しにくいし、細かく、刻んで、お皿の上に乗っけておけば多分大丈夫だよね。
あっ、いけない、お母様がそろそろ起きてくるから、パンだけでも準備しておかないと。今回は、魔法を使わずに発酵してある。そろそろ魔法なしで出来ることを増やしていかないとね。っと、魔法を使ってないから。
『七人の小人』
小人たちが召喚された。
「みんなおはよう。」
小人たちが揃って敬礼をする。
「今日はね。ちょっとお出かけするのにお弁当作るから、少し手伝ってくれるかな?」
みんな揃ってグッジョブとばかりに親指を立ててくる。
さて、細かい指示はしたし、私はパンを成型していく。今日作るのは、いつものパンも作るけど、食パンを作るんだ。金型がないから、長方形の綺麗なホテルの食パンにはならないけど、長ーい、太ーいパンを作って、カットして出す予定なんだ。
これも相談案件に入るのかな?いや、昨日は既にトーストを出しているから、これに関しては必要ないよね。
「生地を捏ね捏ね捏ね~~~る
捏ねれば捏ねれるほど
生地がまとまって
美味しくな~~~る。」
なんか前に見た魔女のお菓子みたいな歌になっちゃったな。ふふふっ。
「あら、アカネちゃん。おはよう。朝からえらくご機嫌だね」
「お母様おはようございますわ。あら、やだ、聞いてらしたんですか?」
お母様の肌も今日はプルプルしてるよ。なんでだろう?
「そりゃ、もう、朝の支度に降りてきたら、リズムのいい歌が聞こえてきたからね。邪魔しちゃ悪いと思って、後ろで終わるのを待ってたのさ。」
顔がちょっと赤くなる。なにそれ、ちょっと恥ずかしいよ。
「それで、何を今日は作ってたんだい?」
「はい、昨日話してた食パンを作ってみました。」
とドデーンっと長くて太いパン生地を出してみる。
「これが食パンね~フランスパンとは違うのかしら?」
「ええ、違いますよ。でも本来の形ではないんですけどね。長方形の金型に入れて焼成するのが食パンの本来のやり方ですから。上手く言ったら、お父様にお願いして準備してもらいます。」
「それは今日の朝食が楽しみだね。それはそうと、隣で作っているのはなんなんだい?」
「それはですね。マッシュ兄さんに外に連れて行ってもらうので、のんびりするためにお弁当を作っているんですよ。マッシュ兄さんの好物ってお肉ですかね?」
「あらあら、それはいいね。なら、私も今まとめてお昼の準備もしちゃおうかね。あの子は好き嫌いはほとんどないからどれも食べれるから好きに作っても大丈夫だよ。好みといえば、分厚いお肉のステーキなんかだけど、あれは冷めると美味しくないだろう。」
「ああ~なるほど。なら、コロッケか、豚カツか、から揚げなんかなら大丈夫そうですね。せっかくだし、揚げ物料理しちゃいましょうかね。丁度この間の鹿の脂身が大量にあるから、こまらないけど、ちょっと植物油じゃないからくどくなるかな?」
「へ~遂に揚げ物料理かい。せっかくだし、うちの分もやっておくよ。アカネちゃんが今作るってことは冷めても美味しいんだろう?」
「えぇ、揚げたてが美味しいのは言うまでもないですが、冷めてもいけますよ。皆さんなら炎の魔法で簡単にあっためられると思いますよ。」
「いや、そんなことは出来ないよ。私は少なくともそんなに繊細な魔法は出来ないね~。種火を起こすとかなら問題なく出来るけど、何かを温めるのは私は出来ないよ。」
「えっ、そうだったんですか?てっきり皆さん使える魔法は生活で、色々な所で使えると思ってたんですけど。。。。あっ、お母様、今ちょっとお聞きしたいんですけど、お友達に手紙を送っても大丈夫でしょうか?というかここって手紙って送れますか?」
「大丈夫だよ。アカネちゃんはちゃんとその辺弁えているから、私達が今秘密にしようとしていることは書かないと思うからね。でも、手紙はそうそうこの辺境にはこないよ。というか配達員自体うちには来ないからね。」
「そっ、そうなんですか?ではどうやって都市部や他の貴族の方と連絡を取っているのでしょう?」
「そうね。アカネちゃんが来てから、まだ来てないけど、都市とここをまたぐ行商人の人が月に1度くるんだけど、その時に配達をしてもらっているよ。あとは急ぎなら、伝書鷹(でんしょたか)を使うことがあるわね。鳥人族からお借りして、だすわね。もちろん都市からも伝書鷹でくるわよ。」
おお~~っと、文明が遅れていると思っていたけど、スマホもない携帯電話もない、手紙すらまともにないときましたか。
「遠くの人と音声で通話する手段とかってないんですか?その特別な緊急の時だったり?」
「あるにはあるわよ。でも、国の重要施設やお偉い上流貴族の方のみだったりするわね。私らみたいな辺境貴族にはないし、あったとしても、相手がその通信手段を持っていないと、連絡の取りようがないからね。」
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