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第5章 アカネと美味しい食卓
【男の娘031】アカネとお父様とお母様
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「さて、アカネと母さんにはいくつか聞きたいことがあったので、書斎に来てもらったんだ。」
「私達もあなたにいくつかご報告することがありましたの。この3人で話し合いをする場が必要でしたので、丁度よかったですわ。まず、あなたから聞かせて頂戴。」
「うむ、まずはだな。あのふわふわのパンとパンケーキだったか。あれはアカネが何かして作ったのかい?」
「そうですわ。お父様。私が新しく覚えた『発酵』魔法で、パンの生地熟成を促進させてふわふわにしましたの。」
「なるほど、つまりアカネがうちにいる間は、いつでもあの美味しいパンとパンケーキが食べられるというわけだな。」
「ええ、そうですわ。あなた。アカネちゃんが事前に生地を準備していてくれれば、後はどなたでも作ることが出来ますわよ。」
「ほう、あれは、魔法がなくても誰でも出来るのだな。ちなみにその魔法だが、どのような系統のものか教えてもらえるかな。」
「はい、お父様。報告したかったことと合わせてお応えしますわ。お母様と午後に魔法の適正を測定しましたの。それで、基本の4大属性である『地』『水』『火』『風』はどれも適正がありませんでしたわ。その代り、『時』『空間』に大きく適正がありましたの。その時魔法を使ったものが先ほどの『発酵』になりますわ。」
「それと、その適正測定を外で簡易魔法陣を使ってやったのですが、『時』と『空間』だけ虹色の柱が昇りましたわ。そのことをあなたに報告したかったの。私達が報告する内容はこれで全部ね」
「なるほどな。私も農作業をしている時に一瞬だがうちの方向に虹の柱が立ったのがチラッと見えたんで、もしかしたらと思っていたんだよ。」
「えっ、あなたは虹の柱が見えたの?他の人はどうだったかしら。」
「いや、気付いたのは私だけだと思うよ。だれも声を上げなかったからね。それにしても綺麗な柱だった。だが、この件は3人だけの秘密にしておく必要があるな。」
「ええっ」
と私とお母様が真剣な表情で頷く。
「それにしても、アカネはすごい魔法ばかり使えるんだな。時魔法の使い手もあまりいないから、虹の柱が立つのも『時』と『空間』では当たり前のことかも知れないな。私もあの虹の柱はこれまでに見たことがないしな。母さん他の属性はどうだったのかい?基本なら『光』と『闇』も測定はしたんだろう?」
「いいえ、それがあなたしてないからわからないんですよ。初めに『地』『水』『火』『風』『時』『空間』の6つをしましたから。『光』と『闇』はやってないんですよ。虹の柱が初回で出てしまったので、流石に『光』と『闇』でもう一度というのは、偶然ではごまかしが効かなくなってしまうので、慌ててやめて、家に入ったんですよ。」
「うむむ、確かに。2回立て続けに虹の柱が上がってしまえば、目撃者も増えるし、2回見た人間にとっては、そこに何かがあるということになるからな。流石私の母さんだ。その判断はとても素晴らしいよ。」
と言って、お父様はお母様を抱きしめていた。お母様もそれに合わせてお父様に熱烈なキスをしていた。
「ごほん」
私が咳払いをした。いやね。私がいないとこなら、どれだけ二人の世界で愛し合って頂いても大丈夫ですが、まだ、ここには私がいますからね。
「あら、やだ、私ったら、おほほほっ」
と言って、頬を赤く染め乍らお母様が誤魔化した。
「ふむ、そうか。時魔法と空間魔法か。中々の珍しい適正が二つも揃ってしまった上に基本属性が使えないとはな。アカネ。すまんが魔法は私と母さん以外の人がいる場合は使用禁止とする。あまりにも希少な魔法すぎて、どこから目を付けられるかわからん。」
「そうですね。私とお母様も同じ結論でしたの。この魔法も不用意には使えませんは。ですので、お父様調理場に他のかたがいる場合は美味しいパンは食べられませんわよ。」
「なに、あのパンが食べられないだと。。。う。。。ん。。。ん。。ん。。ん。ま~仕方ないだろうアカネの身を守ることが優先だ。その時はその時だな。でも、そうか魔法であのパンか。そうだパンケーキとやらは、誰が考案したのだ?生地を作ったのはアカネだろう。まさか、パンケーキを考案したのもアカネではないだろうな?」
「そのまさかですわ。あなた。アカネちゃんが作ったのよ。」
お母様はお父様に私がガーネットになる前のことを詳細に伝えた。
「なるほどな、にわかには信じられんが前世の知識によるものか。それは魔法以上に危ういかもしれんな。これは母さんが、ふわふわのパンを見て、試しに作ったことにしなさい。アカネはそれを教えてもらって作れるようになったということにしよう。
上級貴族の令嬢であったガーネットがいきなり、料理が出来て、新しいお菓子や、料理を考案したとしたら怪しまれるからな。ここは母さんが作ったことにしておきなさい。」
「はい、お父様。これからいくつかお菓子を作って行く予定ですが、それもすべてお母様が作ったことにするなら、進めても大丈夫でしょうか?」
「うむ、まだしばらくはアカネは料理の見習いということにしておきたいからな。いくらなんでも、キャロットちゃんが手伝いだしたら、覚えるスピードの速さに違和感を覚えてしまうだろう。それにしても新作のお菓子か。どんなのがあるんだい?もう試作はしたのかい?」
興味深々にお父様が新作のお菓子について尋ねてくる。どうやら、パンケーキがとても好評だったようで、他のにも興味があるようだ。
「私達もあなたにいくつかご報告することがありましたの。この3人で話し合いをする場が必要でしたので、丁度よかったですわ。まず、あなたから聞かせて頂戴。」
「うむ、まずはだな。あのふわふわのパンとパンケーキだったか。あれはアカネが何かして作ったのかい?」
「そうですわ。お父様。私が新しく覚えた『発酵』魔法で、パンの生地熟成を促進させてふわふわにしましたの。」
「なるほど、つまりアカネがうちにいる間は、いつでもあの美味しいパンとパンケーキが食べられるというわけだな。」
「ええ、そうですわ。あなた。アカネちゃんが事前に生地を準備していてくれれば、後はどなたでも作ることが出来ますわよ。」
「ほう、あれは、魔法がなくても誰でも出来るのだな。ちなみにその魔法だが、どのような系統のものか教えてもらえるかな。」
「はい、お父様。報告したかったことと合わせてお応えしますわ。お母様と午後に魔法の適正を測定しましたの。それで、基本の4大属性である『地』『水』『火』『風』はどれも適正がありませんでしたわ。その代り、『時』『空間』に大きく適正がありましたの。その時魔法を使ったものが先ほどの『発酵』になりますわ。」
「それと、その適正測定を外で簡易魔法陣を使ってやったのですが、『時』と『空間』だけ虹色の柱が昇りましたわ。そのことをあなたに報告したかったの。私達が報告する内容はこれで全部ね」
「なるほどな。私も農作業をしている時に一瞬だがうちの方向に虹の柱が立ったのがチラッと見えたんで、もしかしたらと思っていたんだよ。」
「えっ、あなたは虹の柱が見えたの?他の人はどうだったかしら。」
「いや、気付いたのは私だけだと思うよ。だれも声を上げなかったからね。それにしても綺麗な柱だった。だが、この件は3人だけの秘密にしておく必要があるな。」
「ええっ」
と私とお母様が真剣な表情で頷く。
「それにしても、アカネはすごい魔法ばかり使えるんだな。時魔法の使い手もあまりいないから、虹の柱が立つのも『時』と『空間』では当たり前のことかも知れないな。私もあの虹の柱はこれまでに見たことがないしな。母さん他の属性はどうだったのかい?基本なら『光』と『闇』も測定はしたんだろう?」
「いいえ、それがあなたしてないからわからないんですよ。初めに『地』『水』『火』『風』『時』『空間』の6つをしましたから。『光』と『闇』はやってないんですよ。虹の柱が初回で出てしまったので、流石に『光』と『闇』でもう一度というのは、偶然ではごまかしが効かなくなってしまうので、慌ててやめて、家に入ったんですよ。」
「うむむ、確かに。2回立て続けに虹の柱が上がってしまえば、目撃者も増えるし、2回見た人間にとっては、そこに何かがあるということになるからな。流石私の母さんだ。その判断はとても素晴らしいよ。」
と言って、お父様はお母様を抱きしめていた。お母様もそれに合わせてお父様に熱烈なキスをしていた。
「ごほん」
私が咳払いをした。いやね。私がいないとこなら、どれだけ二人の世界で愛し合って頂いても大丈夫ですが、まだ、ここには私がいますからね。
「あら、やだ、私ったら、おほほほっ」
と言って、頬を赤く染め乍らお母様が誤魔化した。
「ふむ、そうか。時魔法と空間魔法か。中々の珍しい適正が二つも揃ってしまった上に基本属性が使えないとはな。アカネ。すまんが魔法は私と母さん以外の人がいる場合は使用禁止とする。あまりにも希少な魔法すぎて、どこから目を付けられるかわからん。」
「そうですね。私とお母様も同じ結論でしたの。この魔法も不用意には使えませんは。ですので、お父様調理場に他のかたがいる場合は美味しいパンは食べられませんわよ。」
「なに、あのパンが食べられないだと。。。う。。。ん。。。ん。。ん。。ん。ま~仕方ないだろうアカネの身を守ることが優先だ。その時はその時だな。でも、そうか魔法であのパンか。そうだパンケーキとやらは、誰が考案したのだ?生地を作ったのはアカネだろう。まさか、パンケーキを考案したのもアカネではないだろうな?」
「そのまさかですわ。あなた。アカネちゃんが作ったのよ。」
お母様はお父様に私がガーネットになる前のことを詳細に伝えた。
「なるほどな、にわかには信じられんが前世の知識によるものか。それは魔法以上に危ういかもしれんな。これは母さんが、ふわふわのパンを見て、試しに作ったことにしなさい。アカネはそれを教えてもらって作れるようになったということにしよう。
上級貴族の令嬢であったガーネットがいきなり、料理が出来て、新しいお菓子や、料理を考案したとしたら怪しまれるからな。ここは母さんが作ったことにしておきなさい。」
「はい、お父様。これからいくつかお菓子を作って行く予定ですが、それもすべてお母様が作ったことにするなら、進めても大丈夫でしょうか?」
「うむ、まだしばらくはアカネは料理の見習いということにしておきたいからな。いくらなんでも、キャロットちゃんが手伝いだしたら、覚えるスピードの速さに違和感を覚えてしまうだろう。それにしても新作のお菓子か。どんなのがあるんだい?もう試作はしたのかい?」
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