29 / 105
第5章 アカネと美味しい食卓
【男の娘029】アカネとフワフワパンとベジタル家の食事
しおりを挟む
その後キャロットちゃんも帰ってきたので、改めて私がガーネットからアカネに名前を変えたことを説明した。
「わかりましたわ。アカネお姉様」
うん、キャロットちゃん可愛いよ~~なでなでしてあげちゃう。
食事はいつものお母さまと執事の方が作る食事に今回は私が手伝ったパンも一緒に乗っかっている。
「「「では、頂きます」」」
みんな食事を食べ始めた。ベジタル家の食事は、貴族のものとは変わっていて、一人一皿ではなく、大皿にどっと料理が載っていて、それをみんなで小皿に取り分けて食べるピュッフェスタイルのようだ。昨日は、私の歓迎の意味もあって、豪勢な食事と一人一皿という貴族スタイルでもてなしてくれたんだって。
で、パンの味を先に試食して知っているので、先に我が先だと言わんばかりに、パンを3つも4つも取って、口の中に急いでほうりこんで、食べている。。。
「お父様そんなに慌てなくても、パンは別に逃げもしませんよ。それより、そんなに早く食べると。」
「ごほっ、ごほっ、喉に詰まった。水、水をくれ、ゴホッ」
「ほらほらあなた、お水ですよ。ゆっくり食べないからそうなるんですよ。」
「いや失敬。みんなが味を知らないうちに食べるだけ食べようと思った私が浅はかだったようだ。」
「もう、お父様ったら。ふふっ。そんな姿見てると、ペレストさんがやってたこととあまり変わり映えしませんよ。」
「はははっ、いや流石にあそこまでぶっとんではないだろう」
とお父様はお母様の方を見る。お母様は微笑むだけで、ノーコメントだ。
「えっ、そこまでだった。いやはやすまんな。あまりにパンが上手いので我を忘れてしまった。」
「父さん。そんなに慌てて食べなきゃいけないほど、美味しいの。見た感じいつもと変わらないけど。僕も一つ。」
「私も一つ頂こうかしら。」
マッシュ兄さんに続き、キャロットちゃんもパンを一つ手に取って食べる。私とお母様はお互いをみて、ニヤニヤしながら成り行きを見ていた。
「えっ、このパンなに?いつもと違う。」
「本当ですわ。お兄様。パンがすごくフワフワで固くありません。そのためかすごく美味しいです。」
私とお母様は二人でハイタッチする。やっぱりね。料理を作っているものとしては、美味しいって心から言ってもらえると嬉しいよね。私は、パン作りしか手伝ってないけど。
「母さん。このパンは一体なんなの?」
とお母様にマッシュ兄さんが聞きながら、パンを2つも3つも自分のお皿に運んでいく。キャロットちゃんも自分の分がなくなると思ったのか。2つパンを持って行く。山にして積んであったパンがどどんどん減って行き、底が見え始めた。
バトリンたちも、二人のそんな状況を見て、もの欲しそうな目線を送っているが、あいにく家のものが我先にととっているようで、中々取れないようだ。私はお皿にパンを一つずつ取って、執事の皆さんにも配ってあげていた。私とお母様の分のパンはいらないのかって?大丈夫ですよ。私達、二人は試食と称して、焼きたてのパンを頬張ってましたから。正直言うと、お腹がパンで一杯なんですよね。サラダとスープ飲めれば今日はもういいかなって気分なんです。
「「「これはお嬢様。お気遣いありがとうございます。では私共も頂きます」」」
3人一斉にパンを食べ始める。驚きの表情が3人一斉に出る。
「「「お、美味しい」」」
この執事の人達、実は3つ子とかって落ちはないのかな?でも、顔とか体形とかが似てないんだよね。
「マッシュ。このパンはね。お母さんとアカネちゃん二人で作ったんだよ。ちなみに焼きたてのパンはもっと美味しかったよ」
いや、お母様そこで焼きたてのパンのことを別に言わなくても、お母様の顔を見てみると、ドヤ顔してました。もうあれです。美味しいものを一番先に食べれるのは、料理を作るお母様の特権なのよってオーラが出ています。
「えっ、お母様。このパンよりも焼きたてのパンはもっと美味しいのですか?」
キャロットちゃんがビックリしてお母様に尋ねる。
「それはそうよ。やっぱり料理は出来たてのホカホカが一番美味しいもの」
私はこっそり、ダイニングを抜け出し、調理場に向かっていった。実は、食後にホットケーキのデザートを出し、さらにみんなを驚かせようとお母様と画策していたのだ。
「わかりましたわ。アカネお姉様」
うん、キャロットちゃん可愛いよ~~なでなでしてあげちゃう。
食事はいつものお母さまと執事の方が作る食事に今回は私が手伝ったパンも一緒に乗っかっている。
「「「では、頂きます」」」
みんな食事を食べ始めた。ベジタル家の食事は、貴族のものとは変わっていて、一人一皿ではなく、大皿にどっと料理が載っていて、それをみんなで小皿に取り分けて食べるピュッフェスタイルのようだ。昨日は、私の歓迎の意味もあって、豪勢な食事と一人一皿という貴族スタイルでもてなしてくれたんだって。
で、パンの味を先に試食して知っているので、先に我が先だと言わんばかりに、パンを3つも4つも取って、口の中に急いでほうりこんで、食べている。。。
「お父様そんなに慌てなくても、パンは別に逃げもしませんよ。それより、そんなに早く食べると。」
「ごほっ、ごほっ、喉に詰まった。水、水をくれ、ゴホッ」
「ほらほらあなた、お水ですよ。ゆっくり食べないからそうなるんですよ。」
「いや失敬。みんなが味を知らないうちに食べるだけ食べようと思った私が浅はかだったようだ。」
「もう、お父様ったら。ふふっ。そんな姿見てると、ペレストさんがやってたこととあまり変わり映えしませんよ。」
「はははっ、いや流石にあそこまでぶっとんではないだろう」
とお父様はお母様の方を見る。お母様は微笑むだけで、ノーコメントだ。
「えっ、そこまでだった。いやはやすまんな。あまりにパンが上手いので我を忘れてしまった。」
「父さん。そんなに慌てて食べなきゃいけないほど、美味しいの。見た感じいつもと変わらないけど。僕も一つ。」
「私も一つ頂こうかしら。」
マッシュ兄さんに続き、キャロットちゃんもパンを一つ手に取って食べる。私とお母様はお互いをみて、ニヤニヤしながら成り行きを見ていた。
「えっ、このパンなに?いつもと違う。」
「本当ですわ。お兄様。パンがすごくフワフワで固くありません。そのためかすごく美味しいです。」
私とお母様は二人でハイタッチする。やっぱりね。料理を作っているものとしては、美味しいって心から言ってもらえると嬉しいよね。私は、パン作りしか手伝ってないけど。
「母さん。このパンは一体なんなの?」
とお母様にマッシュ兄さんが聞きながら、パンを2つも3つも自分のお皿に運んでいく。キャロットちゃんも自分の分がなくなると思ったのか。2つパンを持って行く。山にして積んであったパンがどどんどん減って行き、底が見え始めた。
バトリンたちも、二人のそんな状況を見て、もの欲しそうな目線を送っているが、あいにく家のものが我先にととっているようで、中々取れないようだ。私はお皿にパンを一つずつ取って、執事の皆さんにも配ってあげていた。私とお母様の分のパンはいらないのかって?大丈夫ですよ。私達、二人は試食と称して、焼きたてのパンを頬張ってましたから。正直言うと、お腹がパンで一杯なんですよね。サラダとスープ飲めれば今日はもういいかなって気分なんです。
「「「これはお嬢様。お気遣いありがとうございます。では私共も頂きます」」」
3人一斉にパンを食べ始める。驚きの表情が3人一斉に出る。
「「「お、美味しい」」」
この執事の人達、実は3つ子とかって落ちはないのかな?でも、顔とか体形とかが似てないんだよね。
「マッシュ。このパンはね。お母さんとアカネちゃん二人で作ったんだよ。ちなみに焼きたてのパンはもっと美味しかったよ」
いや、お母様そこで焼きたてのパンのことを別に言わなくても、お母様の顔を見てみると、ドヤ顔してました。もうあれです。美味しいものを一番先に食べれるのは、料理を作るお母様の特権なのよってオーラが出ています。
「えっ、お母様。このパンよりも焼きたてのパンはもっと美味しいのですか?」
キャロットちゃんがビックリしてお母様に尋ねる。
「それはそうよ。やっぱり料理は出来たてのホカホカが一番美味しいもの」
私はこっそり、ダイニングを抜け出し、調理場に向かっていった。実は、食後にホットケーキのデザートを出し、さらにみんなを驚かせようとお母様と画策していたのだ。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる