【完結】TS転生で悪役令嬢に?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。~

近衛 愛

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第3章 ベジタル家と家族

【男の娘017】ベジタル家の家族 その5

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 私達3人は私の部屋に入って行った。
 「これがお姉さまのお荷物なんですね。結構沢山ありますわ。」

 「まだ、荷物を運んでもらったばかりですので散らかってますけど、ベッドにでも座って下さい ね。ちょっと、プレゼントを探しますので。」

 と、荷物を中心にあるものを、四隅に分類ごとにわけて、整理していった。キャロットちゃんには座っててもらっているけど、お母様は率先して手伝ってくれた。本当は後で、こっそりと魔法を使ってやるつもりだったんだけど。あまり魔力が大きいというのも問題だからね。まわりの状況を確かめながら使っていかないとまた、空間魔法の時みたいに騒ぎになっちゃうもの。

 「あった。これとこれですわ。」

 「はい、お母様にはこちらですわ。キャロットちゃんにはこっちね。」

 「お姉さま、ありがとう」
 「ありがとう、ガーネットここで開けてもいいかしら。」

 「はいっ」
 ちゃ~~んと、包装紙でくるんで、リボンを付けてのプレゼントにしましたよ。
 二人は、丁寧にリボンを解き、包装紙を取り除いていった。

 「わぁ~~~綺麗。こんな素敵なものもらってもいいんですの?お姉さま」
 キャロットちゃんには、綺麗な花飾りの着いた髪飾りをプレゼントした。キャロットちゃんの髪の色や髪型がわからなかったら、心配だったけど、似合っているようでよかったよ。

 「ガーネット、こんな高価なものをもらってもいいのかしら?」

 お母様には、翡翠(ヒスイ)で作れれたブローチをプレゼントしました。こっちも似合いそうなのでよかったですわ。

 「お母様。気にしなくても大丈夫ですわ。ベジタル家になると決まったその日から、お母様にプレゼントしたいと思ってましたから。」

 「あら、嬉しいことを言う子ね。ふふふっ」

 「キャロットちゃんにはもっと一杯あるんだよ。」

 「えっ、えっ、これ以上ですか?気になります。何があるんですか?お姉さま」

 と少しじらして、私は持ってきた、衣装タンスを開いた。

 「じゃじゃ~~~~~ん」

 それはこれまで、幼少の頃から、ガーネットが集めてきたドレスや、ハイヒール、装飾品の数々だった。流石に私には着れないものも多かったのだが、前のガーネットが自分のものを手放すことをしなかったし、妹に譲り渡すこともせずに、ず~~~っと保管していたんだよ。

 おかげで、キャロットちゃんにも喜んでもらえそうで良かったですわ。

「え~~~、お姉様、なんですのこの沢山のお洋服は。。。。。」

もう、びっくりしている。煌びやかな飾りや、宝石の付いたドレスが、何着も入っているのだ。

 「私が着れなくなったドレスですわ。せっかくなので、年の小さい女の子がいると聞いて、私のものを全部持ってきたんですわ。」

 「えっ、これ全部私が着てもいいんですの?」

 と不思議な顔をして、私の方を見上げ、続いてお母様の方を見上げた。

 「ガーネットがキャロットちゃんのために持ってきてくれたんだ。せっかくだから来て上げなさい。」

 「やった~~~~。私ドレスこんなに素敵なの持ってないもの。嬉しいですわ。お姉さま。ありがとうございます。」

 と言って、抱き着いてきた

 うん?あれっ、なんかおかしいですわね。持っていないっていいました?ここは下級貴族ですから、ドレスや正装の類はあると思ってましたけど。何がどうなっているのかしら?聞きたい所だけど、これだけ楽しそうに喜んでいるキャロットちゃんを見ると、少し真面目な質問は今はやめておいた方がいいわね。後で、お母様にこっそり聞いてみましょう。

 「キャロットちゃんにはこれが似合うんじゃないかしら。」

 スラットしたオレンジ色のドレスをチョイスした。

 「ちょっと、着てみなさいキャロットちゃん。」

 「はい、お母様」

と言って、そのまま着替え始めた。

 「あら、似合うじゃないの。二人ともそこに並んでみて。いいわね。二人ともとっても素敵よ。私も着てみたいけど、サイズが合わないものね」

 そう、私の身長は150cmくらいなんだけど、お母様は160cmくらいあって服の丈のサイズが合わないんだ。少しくらいなら着れそうな気もするんだけど。胸のサイズがね、全然違うんだよ。お母様に抱き着いたら、胸で窒息するかと思うくらいの大きさだったもの。外から見てもばっちり大きさで違いがわかるほどなのだ。

 ガーネットのスレンダーといえる体形に対し、お母様の豊満なボディでは、服など着れるはずがないのよね。フローテスよりも大きいんだもの羨ましいですわ。キャロットちゃんは幼いからまだそこまで、私よりも小さいから問題はないのですが、これから成長してあそこまでいくのなら、ちょっと不公平だなって感じちゃいます。

ガーネットの成長期はもう既に終わってますから成長の見込みはないんですの。牛乳を沢山飲んだら、これからでも大きくなるのかしら?

と考えている間に。お母さまが色々とドレスを見て、それをキャロットちゃんが着ていく、ファッションショーが始まっている。

夜中、私の部屋からは女性の「きゃ~~~」っていう、嬉しい悲鳴が聞こえていたと思いますわ。マッシュ兄さんの部屋がちょっと離れていてよかったです。飽きる事なく、女3人にでにぎやかにその日の夜はお話しましたわ。

は~~~っ転生してよかったよ。ありがとう神様。こういう風に女の子同士で、服をきせあって、夜通しお話するのに憧れてたんだ。お母様もキャロットちゃんもすごくいい人だしよかったよ。

明日も楽しみだな。
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