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第3章 ベジタル家と家族
【男の娘014】ベジタル家の家族 その2
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「大丈夫だよ。女性と家族だけだよ」
とマッシュ兄さんがこそっと耳元で囁いて教えてくれた。よかったよ~。ほっとしたと思ったら自己紹介が始まった。
「ガーネットお嬢様。私はこのベジタル家の執事長を務めております。バトリンでございます。宜しくお願いします」
と一礼していた。そのときは、右手をお腹の前に持ってきての一例だった。執事服だと様になるのに、作業服だからちょっと違和感あるよね。
「ガーネットお嬢様。私は執事を務めております。コンバトでございます。お見知りおきを」
こちらも颯爽と一礼をする。
「ガーネットお嬢様。私は執事を務めております。ヤマバトでございます。お見知りおきを」
こちらも一礼をして下がっていく。もうみんなお辞儀は凄い綺麗だけど、服装と合ってないよ。どういうことなんだろうね。一体???
「さぁさぁ皆さん、長旅でお疲れでしょう。もうそろそろ来る頃だと思ってましたから、夕食は出来てますよ。おあがりなさい。」
と言って、みんなが屋敷に入っていく。お母様はここに残っていて、お父様に用事があるようなのでこちらの方に寄ってきている。マッシュ兄さんも残るようだ。
「さて、あなたどういうことかご説明をお願いしますわ。」
やっぱりさっきの紹介では、なにか疑問があったみたいだね。みんながいる手前、質問はしなかったけど、やっぱり気になっていたようだ。
「それはだね。母さん」
とお父さまは言って、私の方を向く。
「ガーネットとは、向こうで引き取る際は、マッシュの婚約者として引き取ったのだが、ここに来る際にガーネットから提案を受けてね・・・」
と道中の出来事を私とお父様で説明して言った。
聞いているうちにお母様も納得したようで、
「ええ、わかりましたわ。それなら、あなたが承諾するのもわかりますわ。これから改めて宜しくねガーネット。」
「ええ、お母様。後悔はさせませんわ」
と言って、また抱擁を交わす。
「キャロットには、家族が一名増えるとしか伝えてませんでしたから。説明はなくても大丈夫ですわね。」
「あっ、お母様、私。お母様とキャロットちゃんにお土産を用意してきてますの。夕食が終わったらお渡ししますわ。」
「あら、嬉しいわガーネット。楽しみにしておりますね。そういえば、あなた、ガーネットの荷物はどこにあるのかしら、後で執事達に運んでもらおうかと思います。」
「それはだね。母さん。ガーネット荷物を一旦ここで出して、また入れて、部屋まで運んで、また出すというのは出来るかな?」
「それは少し難しいですわ、お父様。よくて、一回出すだけで、今日はもう使えそうにありませんの」
「ふむ、流石にあの手の魔法は、ポンポンと使えるものではないか。どうしたものかな。」
「あなた、何を話しているか、私にもわかるようにして下さいません?荷物の事と関係あるのですよね?」
「いや、それはだね。母さん説明するよりも見てもらった方が早いと思ったんだよ。ガーネットは空間魔法を使えて、大きな荷物を小さくして、持ってきたんだよ。」
「そうですわ。お母様。今は私の荷物は全てこの小さな袋の中に入ってますの。本棚や、化粧台、それに、様々なドレスや装飾品なんかも私の所有のものは全て持ってきましたわ。」
お母様が聞いたことが、信じられないというように、目を大きく見開いて、私の目を見てくる。
「本当だよ、母さん。僕もこの目で見たから間違いないんだ。でも、そうだよね、信じられないよね。僕もいまだに夢じゃないかって思うほどだから。そんな子がうちに来るなんてあるわけないもんね。」
「そっ、そうよ。あなた。用意した結納金だって、空間魔法が使えたんだったら、あのくらいの金額で納得してもらえるわけないわ。まだ何かあるんでしょ?」
「いや、さっき話したことが全てだよ。母さん。この空間魔法に関して、付け加えて言えば、レディアント家の人は誰もガーネットが使えることを知らなかったんだよ。
あの時魔法に立ち会ってた人は全員度肝を抜かれて、言葉を失っていたからね。その後、向こうの当主に婚約破棄を提示されたが、ガーネットがそれを契約書を持って、断ってくれたよ。」
「あの時は傑作だったね、父さん。あの時のレディアント家の悔しがる顔と来たら。ふふふっ。しかも、なりふり構わずに、あの場に僕達がいるにも関わらずベジタル家を虚仮おろしてくれたんだから。。。」
「あら、そうだったのね。私もその場にいたかったわ。無理してでもついていけばよかったかしら。」
とマッシュ兄さんがこそっと耳元で囁いて教えてくれた。よかったよ~。ほっとしたと思ったら自己紹介が始まった。
「ガーネットお嬢様。私はこのベジタル家の執事長を務めております。バトリンでございます。宜しくお願いします」
と一礼していた。そのときは、右手をお腹の前に持ってきての一例だった。執事服だと様になるのに、作業服だからちょっと違和感あるよね。
「ガーネットお嬢様。私は執事を務めております。コンバトでございます。お見知りおきを」
こちらも颯爽と一礼をする。
「ガーネットお嬢様。私は執事を務めております。ヤマバトでございます。お見知りおきを」
こちらも一礼をして下がっていく。もうみんなお辞儀は凄い綺麗だけど、服装と合ってないよ。どういうことなんだろうね。一体???
「さぁさぁ皆さん、長旅でお疲れでしょう。もうそろそろ来る頃だと思ってましたから、夕食は出来てますよ。おあがりなさい。」
と言って、みんなが屋敷に入っていく。お母様はここに残っていて、お父様に用事があるようなのでこちらの方に寄ってきている。マッシュ兄さんも残るようだ。
「さて、あなたどういうことかご説明をお願いしますわ。」
やっぱりさっきの紹介では、なにか疑問があったみたいだね。みんながいる手前、質問はしなかったけど、やっぱり気になっていたようだ。
「それはだね。母さん」
とお父さまは言って、私の方を向く。
「ガーネットとは、向こうで引き取る際は、マッシュの婚約者として引き取ったのだが、ここに来る際にガーネットから提案を受けてね・・・」
と道中の出来事を私とお父様で説明して言った。
聞いているうちにお母様も納得したようで、
「ええ、わかりましたわ。それなら、あなたが承諾するのもわかりますわ。これから改めて宜しくねガーネット。」
「ええ、お母様。後悔はさせませんわ」
と言って、また抱擁を交わす。
「キャロットには、家族が一名増えるとしか伝えてませんでしたから。説明はなくても大丈夫ですわね。」
「あっ、お母様、私。お母様とキャロットちゃんにお土産を用意してきてますの。夕食が終わったらお渡ししますわ。」
「あら、嬉しいわガーネット。楽しみにしておりますね。そういえば、あなた、ガーネットの荷物はどこにあるのかしら、後で執事達に運んでもらおうかと思います。」
「それはだね。母さん。ガーネット荷物を一旦ここで出して、また入れて、部屋まで運んで、また出すというのは出来るかな?」
「それは少し難しいですわ、お父様。よくて、一回出すだけで、今日はもう使えそうにありませんの」
「ふむ、流石にあの手の魔法は、ポンポンと使えるものではないか。どうしたものかな。」
「あなた、何を話しているか、私にもわかるようにして下さいません?荷物の事と関係あるのですよね?」
「いや、それはだね。母さん説明するよりも見てもらった方が早いと思ったんだよ。ガーネットは空間魔法を使えて、大きな荷物を小さくして、持ってきたんだよ。」
「そうですわ。お母様。今は私の荷物は全てこの小さな袋の中に入ってますの。本棚や、化粧台、それに、様々なドレスや装飾品なんかも私の所有のものは全て持ってきましたわ。」
お母様が聞いたことが、信じられないというように、目を大きく見開いて、私の目を見てくる。
「本当だよ、母さん。僕もこの目で見たから間違いないんだ。でも、そうだよね、信じられないよね。僕もいまだに夢じゃないかって思うほどだから。そんな子がうちに来るなんてあるわけないもんね。」
「そっ、そうよ。あなた。用意した結納金だって、空間魔法が使えたんだったら、あのくらいの金額で納得してもらえるわけないわ。まだ何かあるんでしょ?」
「いや、さっき話したことが全てだよ。母さん。この空間魔法に関して、付け加えて言えば、レディアント家の人は誰もガーネットが使えることを知らなかったんだよ。
あの時魔法に立ち会ってた人は全員度肝を抜かれて、言葉を失っていたからね。その後、向こうの当主に婚約破棄を提示されたが、ガーネットがそれを契約書を持って、断ってくれたよ。」
「あの時は傑作だったね、父さん。あの時のレディアント家の悔しがる顔と来たら。ふふふっ。しかも、なりふり構わずに、あの場に僕達がいるにも関わらずベジタル家を虚仮おろしてくれたんだから。。。」
「あら、そうだったのね。私もその場にいたかったわ。無理してでもついていけばよかったかしら。」
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