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第3章 ベジタル家と家族
【男の娘013】ベジタル家の家族 その1
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ペガサス車のスピードが段々とゆっくりになってくる。
「おっと、話し込んでいるうちに、どうやら領地に着いたみたいだな。」
私は、幌の隙間から外を見た。
「わぁ~~~綺麗。」
見渡す限りの黄金の麦と稲の農地が広がっている。これは壮大な光景だよ。山の多い日本では見られない光景だよ。風に揺られる黄金がなんとも綺麗に見える。
そして、その中にポツンと建っている屋敷がある。まわりには少数だけど民家もちらほらと見える。こんなに広いのに、これだけの人数でやっているんだね。凄いよ。ここって、田植え機や、トラクターやコンバインみたいな農業機械ってないんだよね。そんな近代的な設備もないのにどうやってこれだけの広大な農地を管理しているのだろう?
「ねぇ、お父様、マッシュ兄さんあれがこれから私が住むお屋敷になるの?」
「そうだよガーネット。あれが、私達と一緒に住むことになるおうちだよ。あっ、お母さんがでてきた。おお~~~い、母さ~~~ん。今帰ったよ~~~」
幌から体を乗り出して、大声をあげて呼びかけるお父様。周りを気にせずにお母様に手を大きく振っている。お母様はどんな人だろう、きっとこれだけ愛されているから人間味のある優しい人なのだろう。
「ふふっ、仲がいいんですね。お父様とお母様。」
「そうだよ。ガーネットうちの父さんと母さんはね。うちの領地の名物夫婦なんだよ。」
自慢でもするかのように話すマッシュ兄さん。
そうやって見ていると、お母様がようやく私から見てもわかるサイズになってきた。あれ、ベジタル家って、下級貴族だよね?でもなんで、お母様はドレスを着ていないのかしら?マッシュ兄さんやお父様は貴族らしく、ボタンの着いている高貴なスーツのようなものを着ているのに。お母さまは質素なワンピースに真っ白なエプロンをしている。どういうこと?お母様も下級貴族なんだよね。
と考えているうちにどんどん地表に近づいて、ゆっくりと着陸した。
幌からお父様、マッシュ兄さんが先に降りた。私が降りようとすると、マッシュ兄さんが手を差し伸べて、私をエスコートして、優雅に卸してくれた。
マッシュ兄さんこんなことも出来たんですね。乗るときはしてくれなかったから、てっきり、そういうタイプの男性かと思ってました。目を向けると、先ほどお父様が手を振っていたお母様に、ちょっと小さい可愛らしい女の子(多分この子が妹になるキャロットちゃん)そして、隣には屈強な男性が、農作業用の服を来て4~5人立っている。彼らはお手伝いさんなのだろうか?
と思っているとお父様がお母様に熱い抱擁をして、熱烈にキスをしていた。ここはどこぞの欧米なのだろうか?子供の前や衆人の目の前で、ここまでするんですね。マッシュ兄さんの言う、名物夫婦も納得できますわ。でも、まったく貴族らしく感じられないのはどうしてでしょう?
一息ついたみたいで、抱擁をやめ、何事もなかったかのように紹介を始めるお父様
そして、他の人達はいまのやり取りを全てスルーしている。えっ、これってそんなに日常に取り込まれている光景なの?
「母さん紹介するよ。これから私達の家族となる。ベジタル・ガーネットだ。立ち位置として、マッシュの妹で、キャロットの姉という立ち位置になる。私と母さんの養女という扱いだ。」
お母様が、不思議に思ったのか、私から、お父様に視線を向ける。お父様はちょっとお茶目にウインクした。それで通じたのか、お母様は何もそれについては口を挟まなかった。
「お母様、ベジタル家の皆様これから、こちらで、皆さまの家族の一員となるベジタル・ガーネットですわ。宜しくお願いしますわ。」
と私はスカートの裾を軽く詰まんで一例する。
「あらあら、丁寧にありがとうね。よく来てくれたわ。私があなたの母親になる。ベジタル・キャルベルタよ。これから宜しくね。」
と言って、手を広げて近寄ってきた。これは、あれか、歓迎して、抱擁するという文化スタイルなのかしら。元のガーネットの記憶には、こういう文化はなかったんだけど、もう、常識が欠如しているのがわかっているんで、あまり記憶が当てにならなくなってきている。女は度胸、ここは抱擁でお返ししてみましょう。間違えたら、その時はその時よ。きっとお父様がフォローしてくれるはずだわ。
私も手を広げて、満面の笑顔でもって、お母様に近寄っていく。やっぱり抱擁するようで思いっきり抱きしめられた。でも、あったかいな~この家族。とても貴族とは思えないよ。
「ガーネット。辛いことがあったらなんでも相談してね。ここはあなたがこれまで住んでたところとはかなり違うと思うから、戸惑う事も、知らないこともあると思うわ。でも、私たちはあなたを歓迎するから、思いっきり頼って頂戴ね」
といって、抱擁が終わって元の位置に戻っていった。私も併せて、マッシュ兄さんの隣まで戻っていく。
「ガーネットお姉さま。私は、妹になるベジタル・キャロットですわ。こんな綺麗で素敵なお姉様が出来て、私は嬉しいですわ。まだ私、都会に行った事ないんですの。お姉さま色々と私に教えて下さいね。」
と言って、やっぱり手を広げてこちらに向かって来た。うん、よくわからないけど、この家族の風習なのかな?と言って、手を広げて私もキャロットに向かって行き、再び抱擁する。
「うん、キャロットちゃん。宜しくね。私もキャロットちゃんみたいな小さくて、可愛い妹が出来て嬉しいよ。」「私もですわ。お姉様」
といって、長い抱擁をする。うん、キャロットちゃんまじ可愛いです。
次は、視線を逸らすと、屈強な農作業服の男3人衆です。
農作業服を着てはいるけど、どの人も清潔で、姿勢がしっかりしている。そして、顔がみんなすっきりとした顔だちで好ましい。この人たちとも抱擁するのかな?
イケメンではあるけど、私はあまり、知らない男性とは抱擁したくないよ。男の子の時も、私は、みんな軽くスキンシップで男の子同士で、肩を叩いたり、胸を叩いたり肩を組んでいたりしたけど、抵抗があったんだよ。女の子の身体になったら、余計に抵抗感じてきちゃったよ。
とちょっと不安そうな顔をしたのかもしれない。
「おっと、話し込んでいるうちに、どうやら領地に着いたみたいだな。」
私は、幌の隙間から外を見た。
「わぁ~~~綺麗。」
見渡す限りの黄金の麦と稲の農地が広がっている。これは壮大な光景だよ。山の多い日本では見られない光景だよ。風に揺られる黄金がなんとも綺麗に見える。
そして、その中にポツンと建っている屋敷がある。まわりには少数だけど民家もちらほらと見える。こんなに広いのに、これだけの人数でやっているんだね。凄いよ。ここって、田植え機や、トラクターやコンバインみたいな農業機械ってないんだよね。そんな近代的な設備もないのにどうやってこれだけの広大な農地を管理しているのだろう?
「ねぇ、お父様、マッシュ兄さんあれがこれから私が住むお屋敷になるの?」
「そうだよガーネット。あれが、私達と一緒に住むことになるおうちだよ。あっ、お母さんがでてきた。おお~~~い、母さ~~~ん。今帰ったよ~~~」
幌から体を乗り出して、大声をあげて呼びかけるお父様。周りを気にせずにお母様に手を大きく振っている。お母様はどんな人だろう、きっとこれだけ愛されているから人間味のある優しい人なのだろう。
「ふふっ、仲がいいんですね。お父様とお母様。」
「そうだよ。ガーネットうちの父さんと母さんはね。うちの領地の名物夫婦なんだよ。」
自慢でもするかのように話すマッシュ兄さん。
そうやって見ていると、お母様がようやく私から見てもわかるサイズになってきた。あれ、ベジタル家って、下級貴族だよね?でもなんで、お母様はドレスを着ていないのかしら?マッシュ兄さんやお父様は貴族らしく、ボタンの着いている高貴なスーツのようなものを着ているのに。お母さまは質素なワンピースに真っ白なエプロンをしている。どういうこと?お母様も下級貴族なんだよね。
と考えているうちにどんどん地表に近づいて、ゆっくりと着陸した。
幌からお父様、マッシュ兄さんが先に降りた。私が降りようとすると、マッシュ兄さんが手を差し伸べて、私をエスコートして、優雅に卸してくれた。
マッシュ兄さんこんなことも出来たんですね。乗るときはしてくれなかったから、てっきり、そういうタイプの男性かと思ってました。目を向けると、先ほどお父様が手を振っていたお母様に、ちょっと小さい可愛らしい女の子(多分この子が妹になるキャロットちゃん)そして、隣には屈強な男性が、農作業用の服を来て4~5人立っている。彼らはお手伝いさんなのだろうか?
と思っているとお父様がお母様に熱い抱擁をして、熱烈にキスをしていた。ここはどこぞの欧米なのだろうか?子供の前や衆人の目の前で、ここまでするんですね。マッシュ兄さんの言う、名物夫婦も納得できますわ。でも、まったく貴族らしく感じられないのはどうしてでしょう?
一息ついたみたいで、抱擁をやめ、何事もなかったかのように紹介を始めるお父様
そして、他の人達はいまのやり取りを全てスルーしている。えっ、これってそんなに日常に取り込まれている光景なの?
「母さん紹介するよ。これから私達の家族となる。ベジタル・ガーネットだ。立ち位置として、マッシュの妹で、キャロットの姉という立ち位置になる。私と母さんの養女という扱いだ。」
お母様が、不思議に思ったのか、私から、お父様に視線を向ける。お父様はちょっとお茶目にウインクした。それで通じたのか、お母様は何もそれについては口を挟まなかった。
「お母様、ベジタル家の皆様これから、こちらで、皆さまの家族の一員となるベジタル・ガーネットですわ。宜しくお願いしますわ。」
と私はスカートの裾を軽く詰まんで一例する。
「あらあら、丁寧にありがとうね。よく来てくれたわ。私があなたの母親になる。ベジタル・キャルベルタよ。これから宜しくね。」
と言って、手を広げて近寄ってきた。これは、あれか、歓迎して、抱擁するという文化スタイルなのかしら。元のガーネットの記憶には、こういう文化はなかったんだけど、もう、常識が欠如しているのがわかっているんで、あまり記憶が当てにならなくなってきている。女は度胸、ここは抱擁でお返ししてみましょう。間違えたら、その時はその時よ。きっとお父様がフォローしてくれるはずだわ。
私も手を広げて、満面の笑顔でもって、お母様に近寄っていく。やっぱり抱擁するようで思いっきり抱きしめられた。でも、あったかいな~この家族。とても貴族とは思えないよ。
「ガーネット。辛いことがあったらなんでも相談してね。ここはあなたがこれまで住んでたところとはかなり違うと思うから、戸惑う事も、知らないこともあると思うわ。でも、私たちはあなたを歓迎するから、思いっきり頼って頂戴ね」
といって、抱擁が終わって元の位置に戻っていった。私も併せて、マッシュ兄さんの隣まで戻っていく。
「ガーネットお姉さま。私は、妹になるベジタル・キャロットですわ。こんな綺麗で素敵なお姉様が出来て、私は嬉しいですわ。まだ私、都会に行った事ないんですの。お姉さま色々と私に教えて下さいね。」
と言って、やっぱり手を広げてこちらに向かって来た。うん、よくわからないけど、この家族の風習なのかな?と言って、手を広げて私もキャロットに向かって行き、再び抱擁する。
「うん、キャロットちゃん。宜しくね。私もキャロットちゃんみたいな小さくて、可愛い妹が出来て嬉しいよ。」「私もですわ。お姉様」
といって、長い抱擁をする。うん、キャロットちゃんまじ可愛いです。
次は、視線を逸らすと、屈強な農作業服の男3人衆です。
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イケメンではあるけど、私はあまり、知らない男性とは抱擁したくないよ。男の子の時も、私は、みんな軽くスキンシップで男の子同士で、肩を叩いたり、胸を叩いたり肩を組んでいたりしたけど、抵抗があったんだよ。女の子の身体になったら、余計に抵抗感じてきちゃったよ。
とちょっと不安そうな顔をしたのかもしれない。
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