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第2章 婚約破棄そして、婚約破棄と契約書
【男の娘008】ガーネットの旅立ち ベジタル家との契約
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「それで大切な話というのはなんだいガーネット。私達にも関係あることなのかな?」
と、ごくっと唾を飲みこんで緊張を押し隠し、質問してくるお義父様。
「ガーネットさん。無理難題は辞めて下さいよ。」
と予め先手を打って牽制してくるマッシュ君。
二人とも小娘相手にビビり過ぎですってば。
「ええ、お二人に関係があるといいますか、お二人も含めて関係があると申しましょうか」
「わかった。それで話というのは」
続きを促すお義父様。私はこのピリッとした空気は苦手なんですよ。
「それはですね。この婚約なかったことにして頂けませんか?」
「なんだって、それはいったいどういうことだね。ガーネット。さっきまでと言っていることがまったくもって反対になっているじゃないか。ベジタル家にはならないということかな?」
「ちゃんと説明しますので、お二人とも深呼吸して下さいね。はいっ、す~~は~~」
「す~~は~~」「す~~は~~」「す~~は~~」
「落ち着きましたか?」
「ああ」「はい」
「では、お話しますね。婚約という形でベジタル家に来ることになりました。この時点で嫁いだことに一時的になると思うんです。」
「うん。それで」
「でも、私は、結婚は自分の好きな相手と自分で決めて結婚したいと思っています。私はマッシュさんのことをよく知りません。そして、マッシュさんは私によい感情を持っていませんよね。」
「ああ、以前のことがあるからな。今日いきなり態度が変わったと言っても、正直婚約者たる僕は信じられない。」
「こらっ、マッシュ正直にいうやつがあるか」
ごちんと頭にげんこつを振り下ろすお義父様。いやそんなに叱らないでください。私も正直前のガーネットと結婚なんて死んでも嫌ですから。マッシュさんの反応は素直なものですよ。
「そうです。お互いが好きでもなんでもない、むしろ嫌いかも?って感情があるのに結婚してもギスギスしてよくありません。皆さんは辺境の地に嫁(女の子)が来ないから私で手を打って、後継ぎを作る予定だって聞いてますけど。」
「そこまで知っているのなら、腹を割って話そうか。そう、ベジタル家では、周辺に適齢期の女性はいない。他の町や都市に行って、婚約者を探して来るが辺境の魔獣のでるような危険な地域にくる女の子はいないし、それに出す親もいない。
そこで、不祥事を起こして、誰からも相手にされていないガーネットならと思って、レディアントさんに打診したところ、結納金と引き換えに嫁に下さるという話になったんだ。」
「つまり私にして欲しいことは、農家での農作業の仕事よりも、メインはベジタル家の後継ぎですよね。」
「ガーネットの言う通りだ。」
「うんうん」
とマッシュ君も頷く。
「でも、私は好きな人以外とそういうことをするつもりはありません。私が好きで、私のことを愛してくれている人としたいです。」
「もっともだ。その言い分もわかる。それで」
「2年間の猶予を頂けませんか?その間に、結納金に加え、年5%の利子を付けた分の利益を領全体底上げして捻出しますわ。」
「いや、それだと、まったく意味はないんだよ。ガーネット。お金で解決できる問題じゃないんだよ。この辺境の地の嫁不足問題は。。。」
「お義父様。まだお話は終わっていませんわ。それはあくまで結納金を出してもらっているから、婚約を破棄する以上お返しする必要があると思って提示したまでですわ。
もう一つあるんです。2年以内に出来なかった場合は、マッシュさんと私の気持ちに関わらず結婚しますわ。その間にマッシュさんが素敵な相手を見つけた場合は、その方と結婚して頂いて構いませんし。」
「なるほど、出来ない場合はわかった。それで、出来た場合は?」
「出来た場合は、マッシュさんの婚約者は私が責任を持って探して結婚してもらいますわ。」
「なるほど、それも2年以内に見つけるという条件なんだね。」
「はい、その通りですわ。私だけがメリットを受けるお話なんて聞く意味がありませんもの。マッシュさんにとってもお義父様にとっても、ベジタル家にとってメリットのあるお話でないと意味ありませんわ。」
「なるほどね。僕はそれでいいよ。元々嫁が出来るとは言ってもそもそも乗り気ではなかったんだ。僕も出来ることなら好きな女性と恋愛して結婚したいと思っている。その方が断然家族としての団結は繋がるからね。父さんはどう思う?」
「ふむ、確かに悪くない話ではある。無茶な条件な気がしなくもないが、それは私達ではなくガーネットにとって厳しい条件なだけで、こちらとしてはデメリットがない。しかし、その間、ガーネットはどういう扱いになると思っているのかな?」
「はい、それに関しては、ベジタル家の養女という扱いにしてもらい、マッシュさんの妹という扱いにするのが良いかと思います。実際私とマッシュさんの婚約の件に関してどの辺までお話は進んでいるのでしょう?ご家族にはお話されていると思いますが、辺境の地を共に協力されている方にまでお話されていますか?」
「いや、この件はどうなるかわからなかったから、内々で進めてあるため、家族以外には話さないように言い含めてある。」
「なら、大丈夫ですね。この点で一番問題となるのが、ベジタル家の信用の問題でしたから。他の人に婚約すると言っておいて、実は婚約破棄になりました、では、メンツが立ちませんからね。」
「そこまで考えていたとは恐れ入る。さきほど、レディアントの当主をやりこめたのはまぐれではなかったようだね。これは末恐ろしい子をもらったものだ。はっはっはっ。」
よかった、さっきまで二人が身にまとっていた緊張感がなくなっている。受け入れてもらえたんだ。これが出来ないと私の夢は達成出来ないからね。まずは一歩前進だ。条件のハードルが私にとっては偉く高いけど、きっとなんとかなると思う。こちらから先に提示したから受け入れてもらえたのであって、向こうから提示されていたらもっと厳しい条件となっていただろう。
「では、お二人とも、今のお話に賛成してもらえるんですね」
「ああ、こちらにメリットしかない。賛成しよう。」
「僕としても、メリットばかりで逆に悪いと思ってしまうほどだよ。それでいいよ」
「ならお二人が納得したところで、先ほどの内容の契約書を作ってしまいましょう」
さらさらと、私は先ほど話した内容を紙に記載していく。
二人に見せて、書面に何の問題もないことを確認した上で、内容をもう一枚の紙に複写していく。
再度そちらも確認してもらい、問題ないので、2枚の紙に3人の名前を記名した。
本来契約書はお互いが持ってないと意味がないんだよね。片方が書き替えているかもしれないから、確認するために予備の一枚は必須だ。そして、1枚をお義父様に渡す。
「では改めて、これから宜しくお願いしますわ。お父様。マッシュお兄様。」
私は二人に対して、手を差し出した。
「こちらこそ宜しく頼むよガーネット。その類稀なる頭脳で私の領地を活性化してくれ」
お父様が私の手を握る。
「これで、ガーネット君は婚約者ではなく、妹になったんだね。こちらこ宜しく頼むよガーネット。できれば今のままの君でこれからも居て欲しい。前の君には僕は妹にもなって欲しくないから」
お兄様も私の手を握ってくれた。
「ふふっ、それは失礼しましたわ。お兄様。私はもう、ベジタル家のガーネットですもの。レディアント・ガーネットはもう居ませんわ。ですから安心下さい」
「なるほどそれもそうだ。はっはっはっ」とお父様が笑った。
それにつられて、私もマッシュお兄様も笑い出す。
そうそう、こんな家族が私は欲しかったんだよ。レディアント家ではどうしても手に入りそうにないものが、このベジタル家なら手に入る。私はそれが嬉しかった。
あとは、同じ用にして、お母様と妹になるキャロットちゃんを説得できれば第1段階は完了ですわ。
自由恋愛を目指して、ベジタル・ガーネットは頑張りますわ。
と、ごくっと唾を飲みこんで緊張を押し隠し、質問してくるお義父様。
「ガーネットさん。無理難題は辞めて下さいよ。」
と予め先手を打って牽制してくるマッシュ君。
二人とも小娘相手にビビり過ぎですってば。
「ええ、お二人に関係があるといいますか、お二人も含めて関係があると申しましょうか」
「わかった。それで話というのは」
続きを促すお義父様。私はこのピリッとした空気は苦手なんですよ。
「それはですね。この婚約なかったことにして頂けませんか?」
「なんだって、それはいったいどういうことだね。ガーネット。さっきまでと言っていることがまったくもって反対になっているじゃないか。ベジタル家にはならないということかな?」
「ちゃんと説明しますので、お二人とも深呼吸して下さいね。はいっ、す~~は~~」
「す~~は~~」「す~~は~~」「す~~は~~」
「落ち着きましたか?」
「ああ」「はい」
「では、お話しますね。婚約という形でベジタル家に来ることになりました。この時点で嫁いだことに一時的になると思うんです。」
「うん。それで」
「でも、私は、結婚は自分の好きな相手と自分で決めて結婚したいと思っています。私はマッシュさんのことをよく知りません。そして、マッシュさんは私によい感情を持っていませんよね。」
「ああ、以前のことがあるからな。今日いきなり態度が変わったと言っても、正直婚約者たる僕は信じられない。」
「こらっ、マッシュ正直にいうやつがあるか」
ごちんと頭にげんこつを振り下ろすお義父様。いやそんなに叱らないでください。私も正直前のガーネットと結婚なんて死んでも嫌ですから。マッシュさんの反応は素直なものですよ。
「そうです。お互いが好きでもなんでもない、むしろ嫌いかも?って感情があるのに結婚してもギスギスしてよくありません。皆さんは辺境の地に嫁(女の子)が来ないから私で手を打って、後継ぎを作る予定だって聞いてますけど。」
「そこまで知っているのなら、腹を割って話そうか。そう、ベジタル家では、周辺に適齢期の女性はいない。他の町や都市に行って、婚約者を探して来るが辺境の魔獣のでるような危険な地域にくる女の子はいないし、それに出す親もいない。
そこで、不祥事を起こして、誰からも相手にされていないガーネットならと思って、レディアントさんに打診したところ、結納金と引き換えに嫁に下さるという話になったんだ。」
「つまり私にして欲しいことは、農家での農作業の仕事よりも、メインはベジタル家の後継ぎですよね。」
「ガーネットの言う通りだ。」
「うんうん」
とマッシュ君も頷く。
「でも、私は好きな人以外とそういうことをするつもりはありません。私が好きで、私のことを愛してくれている人としたいです。」
「もっともだ。その言い分もわかる。それで」
「2年間の猶予を頂けませんか?その間に、結納金に加え、年5%の利子を付けた分の利益を領全体底上げして捻出しますわ。」
「いや、それだと、まったく意味はないんだよ。ガーネット。お金で解決できる問題じゃないんだよ。この辺境の地の嫁不足問題は。。。」
「お義父様。まだお話は終わっていませんわ。それはあくまで結納金を出してもらっているから、婚約を破棄する以上お返しする必要があると思って提示したまでですわ。
もう一つあるんです。2年以内に出来なかった場合は、マッシュさんと私の気持ちに関わらず結婚しますわ。その間にマッシュさんが素敵な相手を見つけた場合は、その方と結婚して頂いて構いませんし。」
「なるほど、出来ない場合はわかった。それで、出来た場合は?」
「出来た場合は、マッシュさんの婚約者は私が責任を持って探して結婚してもらいますわ。」
「なるほど、それも2年以内に見つけるという条件なんだね。」
「はい、その通りですわ。私だけがメリットを受けるお話なんて聞く意味がありませんもの。マッシュさんにとってもお義父様にとっても、ベジタル家にとってメリットのあるお話でないと意味ありませんわ。」
「なるほどね。僕はそれでいいよ。元々嫁が出来るとは言ってもそもそも乗り気ではなかったんだ。僕も出来ることなら好きな女性と恋愛して結婚したいと思っている。その方が断然家族としての団結は繋がるからね。父さんはどう思う?」
「ふむ、確かに悪くない話ではある。無茶な条件な気がしなくもないが、それは私達ではなくガーネットにとって厳しい条件なだけで、こちらとしてはデメリットがない。しかし、その間、ガーネットはどういう扱いになると思っているのかな?」
「はい、それに関しては、ベジタル家の養女という扱いにしてもらい、マッシュさんの妹という扱いにするのが良いかと思います。実際私とマッシュさんの婚約の件に関してどの辺までお話は進んでいるのでしょう?ご家族にはお話されていると思いますが、辺境の地を共に協力されている方にまでお話されていますか?」
「いや、この件はどうなるかわからなかったから、内々で進めてあるため、家族以外には話さないように言い含めてある。」
「なら、大丈夫ですね。この点で一番問題となるのが、ベジタル家の信用の問題でしたから。他の人に婚約すると言っておいて、実は婚約破棄になりました、では、メンツが立ちませんからね。」
「そこまで考えていたとは恐れ入る。さきほど、レディアントの当主をやりこめたのはまぐれではなかったようだね。これは末恐ろしい子をもらったものだ。はっはっはっ。」
よかった、さっきまで二人が身にまとっていた緊張感がなくなっている。受け入れてもらえたんだ。これが出来ないと私の夢は達成出来ないからね。まずは一歩前進だ。条件のハードルが私にとっては偉く高いけど、きっとなんとかなると思う。こちらから先に提示したから受け入れてもらえたのであって、向こうから提示されていたらもっと厳しい条件となっていただろう。
「では、お二人とも、今のお話に賛成してもらえるんですね」
「ああ、こちらにメリットしかない。賛成しよう。」
「僕としても、メリットばかりで逆に悪いと思ってしまうほどだよ。それでいいよ」
「ならお二人が納得したところで、先ほどの内容の契約書を作ってしまいましょう」
さらさらと、私は先ほど話した内容を紙に記載していく。
二人に見せて、書面に何の問題もないことを確認した上で、内容をもう一枚の紙に複写していく。
再度そちらも確認してもらい、問題ないので、2枚の紙に3人の名前を記名した。
本来契約書はお互いが持ってないと意味がないんだよね。片方が書き替えているかもしれないから、確認するために予備の一枚は必須だ。そして、1枚をお義父様に渡す。
「では改めて、これから宜しくお願いしますわ。お父様。マッシュお兄様。」
私は二人に対して、手を差し出した。
「こちらこそ宜しく頼むよガーネット。その類稀なる頭脳で私の領地を活性化してくれ」
お父様が私の手を握る。
「これで、ガーネット君は婚約者ではなく、妹になったんだね。こちらこ宜しく頼むよガーネット。できれば今のままの君でこれからも居て欲しい。前の君には僕は妹にもなって欲しくないから」
お兄様も私の手を握ってくれた。
「ふふっ、それは失礼しましたわ。お兄様。私はもう、ベジタル家のガーネットですもの。レディアント・ガーネットはもう居ませんわ。ですから安心下さい」
「なるほどそれもそうだ。はっはっはっ」とお父様が笑った。
それにつられて、私もマッシュお兄様も笑い出す。
そうそう、こんな家族が私は欲しかったんだよ。レディアント家ではどうしても手に入りそうにないものが、このベジタル家なら手に入る。私はそれが嬉しかった。
あとは、同じ用にして、お母様と妹になるキャロットちゃんを説得できれば第1段階は完了ですわ。
自由恋愛を目指して、ベジタル・ガーネットは頑張りますわ。
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