【完結】TS転生で悪役令嬢に?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。~

近衛 愛

文字の大きさ
上 下
2 / 105
第2章 婚約破棄そして、婚約破棄と契約書

【男の娘002】とある時間のとある屋敷のお話

しおりを挟む
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
とても立派ななお屋敷の一室にて

「お父様、お母さま、なぜ私があんな辺境の下級貴族の農地になんていかなければならないのよ」

私は激高して、父と母に問い詰めます。

「ガーネット。それは何度も説明しただろう。お前の起こした不祥事により、わがレディアント家は没落してしまったんだ。このままでは、一家全員不祥事で、首が飛ぶところを王子様のお計らいでなんとか、没落程度で済んでいるんだ。

おまえが辺境にいくのだって、これからわがレディアント家が、なんとか暮らしてくために、お金を貸してもらうためだと説明したではないか。」


「そうよガーネットさん。もとはといえば、あなたが、王子様に近づいている貴族の令嬢のかたがたに失礼なことをしたのが発端なのよ。もっと反省して頂戴。それさえなければ、私たちは上流貴族として、これまでと同じ用に優雅な生活をおくれたのよ。」

お母さまは、最初はゆっくりと嗜ませるようにしゃべっていたが、思い出してイライラしてきたのか、イキナリ怒り出した。

私は、泣きながらお父様とお母さまに抗議したわ。

「そんな、お母さまひどいですわ。私はなにも失礼なことなどしていませんわ。あの女たちが「ガーネット様には王子様は相応しくないですわ。」とか「そのなりで、よく人前に顔を出せたわね」っていうものですから、私は仕方なく。。。。。。」


「そう仕方なかったのよね。仕方なく、その令嬢たちの、ドレスを舞踏会やパーティーの席で、立っている最中に破けるように細工をしたり、どこそこの令嬢があちらの有力な貴族の方がたと不倫をしていると嘘の噂話を流したり果てには、かばってくれた王子様まで、ひどい目に合わせていたものね。」

「そう、仕方なかったんです。分かってくれましたかお母さま。ですから私はなにも悪くないんです。悪いのはすべてあの令嬢たちが悪いんですの。」

「そうね。あの令嬢たちが悪いのよね。」

と言って、お母さまはお父様に視線を向けて、なにかするようにアイコンタクトをしていた。

「しかしな。ガーネットよ。もう全て証拠は挙がって、王子様の手に渡っているんだよ。お前がやった。指示したという証拠や証言が沢山あるんだ。もう、言い逃れは出来ないんだよ。」

何べんこの話をしなければならないのだろう?とお父様の目はどんよりと語っていた。私はここで、肯定するわけにはいかない。

そうしてしまえば、これから、農地に行って仕事をしなければならない。土に混じれて、手を汚し、牛や鶏に囲まれて、糞などの汚い汚物の処理をしなくてはならなくなる。私は絶対にそんなのは嫌だ。もう少し、もう少しの所でインスタリア王家の第1皇子と婚約できたのに。。。。。

あれもこれも、今こうなっているのも全てあの取り巻きの女共が悪いのよ。上流貴族で、王子の婚約者と名高いこのレディアント・ガーネット様を蔑(ないがし)ろにするから悪いのよ。こんなことなら、もっと徹底的に痛めつけて、反抗出来ないように意思をぼっきりと折ってあげるべきだったわね。失敗したわ。

あの時、「それでは、令嬢の皆様が死んでしまいます。どうかもう少し穏便になんて」、メイドが言わなければ出来たのに。「しかも、それをするなら私にも考えがありますわ。ご領主様に報告します」だなんて生意気なことをほざくんだから。メイドならメイドらしく、上位のものの意見を尊重しなさいっての。

もう、しかもあのメイド、今回の件で事が発覚して、お父様からの事情聴取の際にあること全部自白しやがったの。もう~~腹立つわ~~。あのメイドが白状しなければ私はこんな目にあってないのに。

と思って、私は同じ部屋にいるあの澄ました中年メイドを睨(にら)みつけた。中年メイドは素知らぬ顔でその視線を受け止め、そして、流した。もう、メイドの分際で腹立たしいわね。覚えてらっしゃい。これが終わったら、キツイ仕事を罰として命じてあげるんだから。。。。

「ちょっと聞いているのかガーネット!!」

お父様は、怒りで顔が真っ赤になって、怒鳴っている。

はぁ~~、わがお父様ながら嫌になるわね。この話、報告する前に握りつぶしてしまえば、王子様のお耳には入りませんでしたのに。まったく使えないお父様ですわ。

「あ~~もう、もうガーネットお前と話をするのはうんざりだ。あいつのせい、こいつのせい、人のせいにしてばかりで、自分のことは何一つ悪いと思っていない。それどころか嘘の報告で塗り固め今回の件に関しても、揉み消そうと働きかけている節があった。そうだな。メイド長。」

「そうです。ご領主様」

そつなく、シンプルに返す、中年メイド許すまじ、その点まで報告していたとは、ちょっとキツイ仕事を命じて終わらせる予定であったが、かなりキツイ仕事に変えないとダメなようね。

「ガーネット。もう、お前とは話すことはない。借金の方に農地で頑張ってやってくれ、明後日の受け渡しの日が来るまでお前は部屋から一歩も出るな。メイド長。ガーネットを部屋に連れていけ。もう一切、ガーネットの指示に従う必要はない。これは現領主である私の命令だ。」

「わかりました。ご領主様。さっ、行きますよガーネット様」

そういって、メイド長は私のそばに来て、腰を掴み抱えてしまった。

ふんっ、こんな無礼な振る舞い許されるもんですか、私はレディアント・ガーネット様なのよ。

「放しなさい。メイド長。私はまだ、お父様とお母さまにお話があるんです!!」

私は腕や足をブンブンと振り回しながら大声を上げた。

お父様は、もういいとばかりに手を扉の方へ向けた。それを確認したメイド長とお付きのメイド数名は、私の手と足を固定して、お父様とお母様に一礼して、扉を出て行った。

そして、私を私の部屋に連れて行くと、ゆっくりと私を卸し、手足の拘束もほどいた。さっと、部屋を出ようとする間もなく、メイドたちは部屋から出て、「ガチャッ」っと外から鍵がかかる音がした。

私の部屋は子供部屋で、中からも鍵を掛けられるが外からも鍵を掛けられるのである。

「開けなさい、開けなさいよ。私にこんなことをしておいてタダで済むと思っているの。開けなさいったら」

扉をどんどんと叩いて、大声で叫ぶが反応するものは誰もいない。閉じ込められたんだ。

このままでは、まずい。このままここにいてはさっきと同じ用に明後日の受け渡しの日に拘束され野蛮な辺境の地へ連れていかれてしまう。そんなのは絶対ごめんだ。

私は、もしもの時のための買っておいた黒魔術の本をごそごそと、机に隠してあったのを探し出した。

「確か、このページに悪魔を召喚し、対象を呪いにかけて殺すものがあったわね。」

みてなさい、この私にこのような行いをした報いをしてあげるわ。

「ふふふっ、は~~っはっはっはっ」

私は上機嫌に高笑いをする。念には念を入れて準備するのが令嬢としての務めですわ。


そして、私はチョークを取り出し、床に敷いてある絨毯を取り除き、床が見える状態にした。
そこへ黒魔術の本に記載したる魔法陣を描いていく。私は絵や文字を書くのも人並み以上に上手いのよ。

「よし、完成したわ。あとはこの呪文を唱えればいいだけね」

「高位なる存在のアレスよ。我ここに生贄を捧げ我が望むものたちに、逃れなき死を与えん」

そして、魔法陣に両手をつく。

魔法陣が起動し、模様が輝きだした。
この時私は知らなかったんだ。この黒魔法の本を書いた作者が、悪事に使われることのないように、使用者の魂を悪魔にささげ、望みの物たちに安らぎを与えるものにしていたことに。
本にはそのようなこと一切書かれていなかったのに。

私は知らなかったんだ。知ることもなく、私は、魂が抜けてしま・・・・・・った。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから数時間後、

「ガーネット様。ガーネット様大丈夫ですか?」

「お姉さま。お姉さま目を覚ましてくださいまし。お姉さまが辺境にいかないと私が辺境の地へ行くことになるんですのよ。どうか目を覚まして下さいませ。」

家族一同、私の部屋に集まって大騒ぎしていた。
私は目を覚ました。

「あれっ、ここはさっきの神界ではない。ここはどこ?」

「何を言っているんだガーネット。ここはお前の生活している家「レディアント家のガーネット」お前の部屋だぞ。」

この怒り狂っているいけてる中年のおじさんは一体だれなのだろう?
レディアント・ガーネット?誰なんですかそれは?私は黒沢 茜(くろさわ あかね)高校生だよ。

あっ、そうかこれが、神様の言っていた魂の無くなった子への転生なのか。
そう思った瞬間。ガーネットの記憶が私の中に一気に流れ込んできた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

naturalsoft
恋愛
隣国のエスタナ帝国では七人の妃を娶る習わしがあった。日月火水木金土の曜日を司る七人の妃を選び、日曜が最上の正室であり月→土の順にランクが下がる。 これは過去に毎日誰の妃の下に向かうのか、熾烈な後宮争いがあり、多くの妃や子供が陰謀により亡くなった事で制定された制度であった。無論、その日に妃の下に向かうかどうかは皇帝が決めるが、溺愛している妃がいても、その曜日以外は訪れる事が禁じられていた。 そして今回、隣の国から妃として連れてこられた一人の悪女によって物語が始まる── ※キャライラストは専用ソフトを使った自作です。 ※地図は専用ソフトを使い自作です。 ※背景素材は一部有料版の素材を使わせて頂いております。転載禁止

悪役令嬢エリザベート物語

kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ 公爵令嬢である。 前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。 ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。 父はアフレイド・ノイズ公爵。 ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。 魔法騎士団の総団長でもある。 母はマーガレット。 隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。 兄の名前はリアム。  前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。 そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。 王太子と婚約なんてするものか。 国外追放になどなるものか。 乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。 私は人生をあきらめない。 エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。 ⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

処理中です...