上 下
1 / 8

第一話 何で俺がっ!?

しおりを挟む
俺の名前は中元ヒカル、大学を卒業してからフリーターやってる。
母さんは俺が10歳の頃に病気で亡くなった。
一方で親父は偉い人で金持ちだったらしいけど、あまり会ったことないから、よく知らない。
母さんも話したがらなかったし。
でも、親父は離れていても大学卒業するまでのお金を工面してくれたし、母さんが亡くなった後、たまに手紙もくれた。
だから、両親に対する恨みはなく、むしろ感謝はしている。

ん? スマホから着信だ。

「ぼ、坊ちゃん」

誰だよ? 聞いたことない声だ。

「すみません。どなたですか?」
「堀津組若頭の美濃部です」

いや、知らない人、、、ってか、野村組ってヤバいところじゃん!

「組員のクーデターです、、、今すぐ、そこから逃げてください!」
「え? 急にそんな、、、」
「あいつら、坊ちゃんを、、、」

そのまま、電話が切れた。

おいおい、今の状況が理解できないぞ。
俺は殺される、、、のか?
逃げないと!

って、5000円札しかない。
新幹線にすら乗れねぇ!

俺はもう死ぬ?

いや、死にたくねぇよ!

「すみません、ちょっといいですか?」

「うるせぇ!」

俺は怒鳴ると、相手は萎縮しながら言う。

「すみません! ごめんなさい! ちょっと困ってそうな顔をしていたので」

まだ、子どもじゃん。悪いことしたな。

限度額ギリギリまで萎縮した彼を見て、俺は反省した。
そして、俺は言う。

「え、いや、こっちこそごめん。何か用?」

普段なら、こんな怪しい人間なんて相手にせず、去っていくだろう。
でも、今日は少年の瞳から誠実さが感じ取れ、ついつい話しかけてしまった。

「あの……お金あげますよ」

え? それが今の俺にとって一番の問題だ。
話を聞こう!

「ねぇ、どういうこと?」

「はい、このボタンを押してください」

少年はボタンのようなものを差し出した。

「はぁ? 何これ?」

「これをポチッとするだけで100万円がボタン下の差し出し口から出ます」

ますます、理解できない。
そんなおいしい話があるかよ。

「試しに押してみてください」

マジかよ! どうせ殺されるし、いいや! 嘘だったら怒鳴り散らしてやる。

ボタンを押すと一瞬だけ体に電流が走る。

ビックリして声を出してしまうが、次の瞬間、本当に100万円が出てきた。

「マ、マジかよ」

偽札じゃない。。。

よし、この金で逃げよう!

「百万円で足りますか?」

ボソッと少年は呟く。
こいつ、俺がどんな状況か気付いてやがる。

「安全は保証します。次は五億にチャレンジしませんか?」

ぬぬぬ!

五億"円"ボタン、押すしかねぇ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

夜明けの続唱歌

hidden
ファンタジー
炎に包まれた故郷。 背を灼かれるように、男は歩き続けていた。 辺境では賊徒が跋扈し、都では覇権や領土の奪い合いが繰り返されていた。 怯えながら、それでも慎ましく生きようとする民。 彼らに追い打ちをかけるように、不浄な土地に姿を現す、不吉な妖魔の影。 戦火の絶えない人の世。 闘いに身を投じる者が見据える彼方に、夜明けの空はあるのだろうか。 >Website 『夜明けの続唱歌』https://hidden1212.wixsite.com/moon-phase >投稿先 『小説家になろう』https://ncode.syosetu.com/n7405fz/ 『カクヨム』https://kakuyomu.jp/works/1177354054893903735 『アルファポリス』https://www.alphapolis.co.jp/novel/42558793/886340020

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...