地獄タクシー Ⅱ

コノミナ

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6章 写鬼

ヤクザ

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「と言うことは、富田淳子の撮った写メの
人間はみんな死んだと言うことか」
「はい」
「そして、この赤い携帯に送られた」
魔美が礼司の方を向いて言った

「その携帯が向いていた方向は護摩壇の炎」
「それって」
「魔美が言っていた呪鬼か?」
「うん」
「じゃあ富田順子は祈祷師って言うことか」
「ええたぶん」

「じゃあ被疑者死亡で終わりですね、一件落着」
浜田が言った
「待て、なぜ富田順子が死んだんだ?」
「そうね、全身の血を抜かれていたわ」
由美が富田順子の司法解剖の結果を言った。
「富田順子は鬼に魂を食われた
その魂を食ったのが呪鬼だろう」
「じゃあ、呪鬼を退治しましょう」

「ああ、そうだな」
礼司の頭の中ではなぜ富田順子が
死んだか気になってしょうがなかった
「取り合えずあの洞窟の中の火を消そう」
「火を消すって、今からですか?」
沢村が驚いて聞いた

「ああ、あの火が11時から12時の
間どうなっているか知りたい」
「ええ、火を消すんですか?」
状況を理解していない浜田が聞いた
「うん、火を消す事が呪鬼退治だ」
「分かりました、行きましょうか?」
「ああ、みんなどうする?」

礼司が腕時計を見ると19時になっていた
「私は行きます。仕事終わったし」
由美が礼司に近づいて言った
「私も御一緒します」
浜田が言っていると魔美が
人数を数えていた

「五人までは大丈夫だけど後二人がこっちへ来たら、
どうやって移動するんだろう」
魔美が笑っていた
「そうだな、ワゴンタクシーで移動だな」
「うふふ」

警視庁を出た五人は
タクシーに乗り込み
礼司がエンジンをかけて
アクセルを踏み込むと

一瞬で豊光寺の前に着いた
「さあ、着いた」
「夜野さんどうするんです?」
沢村が不思議そうな顔で聞いた
「富田順子さんの両親に話を聞く」
「そうか、じゃあ私が先に行きます」
浜田が玄関を開けた

「こんばんは」
「はい」
奥から声が聞こえると
順子の母親が出てきた
「あっ、浜田さん先ほどは、どうなさったのですか?」
「ちょっと、順子さんの事でお聞きしたい事があって」
「そうですか、わざわざすみません。どうぞ」

浜田は外に出てみんなを呼んだ
五人は大広間に通され
真ん中に礼司が座り
向かいには順子の両親が座った

「さっそくですけど、順子さんのカメラに写っていた人が
全員亡くなっていたようです」
「えっ?それは」
住職の富田龍雲の顔が変わった
「知っているんですね」
礼司が追い詰めるように言った

「実はうちの順子は10歳のとき
行方不明になりまして」
「はい」
「帰ってきたのが3日後でした」
「変わった様子は?」
「その頃は気づきませんでしたが、霊園の作る話で
うちの寺と業者の間にヤクザが入り込んで」

「ええ、それで?」
「そのヤクザが突然消えてしまったんです」
「はい」
「それが、順子のノートに五人のヤクザの
写真が貼ってあったんです」
「ええ」
みんなが体を住職に近づけた

「その時はそのままだったんですけど、またノートを見ると
別の6人が張ってあって、最後に組長の写真がはってあったんです」
「それが、今日聞いた話を聞きました。ヤクザが消えてとか」
礼司は他のヤクザの話が住職の口から出ると思って言った
「はい。その通りです突然消えたんです」
「本当ですか?」

「はい、それから、別のヤクザの組が
また私どもの寺に来まして、また消えて」
「住職、それに鬼と書いてありませんでしたか?」
富田龍雲は礼司の言葉に驚き顔色が変わった
「は、はい・・・・・『鬼に食われろ』と書いてありました」
「やっぱり、居なくなったのは鬼に食われたからだ」
礼司は魔美の顔を見ながら言った

「他には?」
「それから、順子はものすごい貧血を
起こしてしばらく入院をしました」
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