地獄タクシー Ⅱ

コノミナ

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5章 獣鬼

任務完了

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鬼の世界の病院の前には
魔美と5匹が待っておりタクシーに乗った
「魔美あと何分だ?」
「後20分」
「うん・・・。ところでどこへ連れて行くんだ?」
「ええと、北海道と長野だって」
「今から間にあわんぞ」
「行ったことないの?」

「ずいぶん昔で札幌のすすき野
キャバクラしか知らん。あはは」
「長野は?」
「峠の釜飯しか記憶がない」
「ええ?あそこは群馬県よ。それにそこから
車で走ったら間に合わないわ」

「あはは、どうする?」
するとごえもんが魔美の顔を舐めると魔美はそれを感じ取った。
「ナイルが北海道、ごえもんは長野で生きていたわ。手を握って」
礼司はナイルの手を握ると礼司はそれを感じ取った。

「わかった」
礼司が目をつぶると旭川の風景が目にうかんだ
アクセルを踏むと一瞬で旭川のマンションの前に着いた
すると、
ナイルが「クーン」と悲しそうな声を出して窓をカリカリと
引っ掻いた。

まもなく3階のベランダの戸が「カラカラ」と音がして開いた
するとそこに女性が出てきた空を眺めた
「ワンワン」
ナイルはそれを見ながら吠えた。

「ナイルの元の飼い主みたい」
「ワンワン」
ナイルは窓を引っ掻いて吠え続けた
「さあ、ナイル行くぞ」
礼司の言葉で吠えるのを止め尻尾を振った
礼司の車は猛スピードで旭山のほうへ向かって
走ると数分で着き狐に聞いた。

「ここで良いか?」
ドアを開けると
シルバーの狐がみんなに体を舐められ降りた
「おい、山に入っても動物園に行ってもいいぞ」
シルバーの狐は尻尾を膨らましながら走って行った


「さて次は長野か」
「うん、ごえもんの手を握って」
「うん」
礼司は目をつぶると小諸の風景が目にうかんだ
そして礼司がアクセルを踏むと
一瞬である家の前に着いた

すると「ニャー」ごえもんが激しく窓を引っ掻いた
「あの家みたいごえもんの家」
すると髪の毛の長い女性が1階の窓を開け
空を見上げていた

それを見ていた礼司はごえもんを抱き上げ
タクシーのドアを開け、家に向かって歩きだした
そして、女性に近づくとごえもんは
喉を「ゴロゴロ」と鳴らし
礼司が手を伸ばすとごえもんは頬擦り
をし甘え、彼女の鼻を舐めた

「あら?」
彼女は小さな声を上げた
「さあ、ごえもん行くぞ」
礼司はタクシーにアクセルを思い切り踏んだ

「ねえ、私と二人きりのほうが優しいね夜野さん」
「まあな、浜田がいると冷静になる」
「そうか、使い分けているのか」

「まあな、二人分の記憶が重なっているから
使い分けないと変になる」
「そうか、じゃああの二人もこれから大変ね」
「あの二人は一時だが、俺は一生だろう」
「まあね」

18号線を軽井沢に向かい追分を過ぎ中軽井沢を
スケートセンターに向かい山をあがりきって
タクシーを止めた

そして、ドアを開けると
狐は嬉しそうに森のほうに向かって
走り出した
それをごえもんと嵐丸とナイルが見送っていた
狐の姿が藪の中に消えると轟音と共に森全体が輝いた

「任務完了23時57分」
「由美さんきっと夜野さんに抱きつくわよ」
「あはは、帰るぞ」
タクシーは光の残し一瞬の間に消えた

獣鬼 完
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