19 / 53
4章 武鬼
京都駅
しおりを挟む
ライトを浴びた鬼は赤くなって体が燃え出した
「魔美このまま突っ込んでも壊れないだろうなあ」
「大丈夫よ・・・・・。きっと」
「壊れるな」
礼司の運転するタクシーは巨大な双鬼を弾き飛ばし
崖のそこへ落とした
すると、谷底から数十の白い塊りが空向かって上がっていった
「魔美何時だ?」
「9時40分」
「後1時間ちょっとか?」
「そうだね」
「時速500kmで走れるのか?」
「それはリニアモーターカーに任せて」
「だよな」
礼司はアクセルを踏んだ
するとスピード感より礼司の目の前の景色がはコマ落しの様になって
移動してあっという間に浜名湖を過ぎていた
「もうすぐ岡崎よ」
「うん」
魔美がGPSを見ると長い下り坂のカーブの先に双鬼の赤い点
が見えた
「このカーブの先に居るわ」
「うん」
礼司がはもっとアクセルを踏むと車はキーンと音を立てた
礼司が双鬼の姿を目認すると
ライトをアップにし真っ赤なレーザーピームを放った
それが双鬼に当たった瞬間、真っ赤な炎を上げ消滅した
「早い!!」
「乗りだよ、乗り。あはは」
「ところで、今日の鬼は?」
「武鬼、京都で死んだ武士達の霊が鬼になったの」
「墓でも動かしたのか?」
「うん、旧家を取り壊してマンションを
建てようとしたら大量の人骨が出たんだって」
「ああ知っている。それで」
「それがね、古い人骨で業者がちゃんと弔わなく
てゴミみたいに処理したらしいわ」
「それで、どんな事件が?」
「工事現場の従業員6人が首を切られて死んだわ」
「おお、可愛そうに・・。つぎ狙われるのは?」
「たぶん・・・・・」
「そうか、それで鬼の居る場所は?」
「ええと、本能寺」
「おお、織田信長。本能寺の変のあったところか」
「うん」
「織田信長が鬼になっていたりしてな。あはは」
「うんそうかもね。でも鬼はかなり強いよ」
「それで、武器は?」
「その小柄じゃ力が足らないから、刀を使うわ」
「刀だけで勝てるのか」
「だから、いい刀じゃないと」
「ああ、京都ならいい刀があるな」
「うん、京都国立博物館」
「な、なに?盗むのか?」
「違うわよ、借りるのよ」
「そうか、借りるのか。まさか国宝だったりして」
「そうよ、国宝のね。ええと」
魔美は持っていた紙を見た
「太刀 銘則国。鎌倉時代の物で作者は則国」
「おい、おい。じゃあ向うに着いたらまず刀を盗むことか」
「うん、場所は京都駅の近く」
「OK」
礼司の運転するタクシーは京都駅に22時50分に着いた
「魔美鬼退治の時間に間に合ったな」
「うん」
「お客さん着きましたよ」
礼司は自慢げに声をかけた
「ん、今何時ですか?」
「11時ちょっと前です」
「えっ。えええ?本当に着いたんですか?」
男は不思議な顔で時計を見た
「よ、よかった間に合う。ちょっと
待っていてください人を連れてきますから」
「いいですけど、金額が金額なので・・・」
礼司は疑った目で男を見た
「ああ、そうか。私、佐々と申します。待っていてくださいね」
「は、はい。お待ちの方は2号車です」
「えっ?」
佐々は20万円と名刺を礼司に渡して車を降りた。
「なあ、魔美」
「はい?」
「今気がついたんだけど・・・・。メーターが5360円だ」
「あはは、鬼の世界はメーターが動かないから」
「じゃあ、もらい過ぎかな? 会社になんて言おう」
「ねえ、夜野さんってどうしてこういう時は弱気なの?」
「あはは、サラリーマンが長かったから」
名刺を見ながら魔美は声を上げた。
「あら、あの人大学の準教授よ」
「ん?」
「佐々 宗則 東京都市大学 文学部民族考古学だって」
「ほう」
「ところで、彼は20万円も払って
タクシーで京都に来たのかしら」
「うん、人を追ってきたみたいだ」
「鬼退治の時間過ぎちゃうよ」
「大丈夫だろう12時までに鬼を退治すればいいから」
「そうね、今度は強力な武器があるから」
「ああ」
「魔美このまま突っ込んでも壊れないだろうなあ」
「大丈夫よ・・・・・。きっと」
「壊れるな」
礼司の運転するタクシーは巨大な双鬼を弾き飛ばし
崖のそこへ落とした
すると、谷底から数十の白い塊りが空向かって上がっていった
「魔美何時だ?」
「9時40分」
「後1時間ちょっとか?」
「そうだね」
「時速500kmで走れるのか?」
「それはリニアモーターカーに任せて」
「だよな」
礼司はアクセルを踏んだ
するとスピード感より礼司の目の前の景色がはコマ落しの様になって
移動してあっという間に浜名湖を過ぎていた
「もうすぐ岡崎よ」
「うん」
魔美がGPSを見ると長い下り坂のカーブの先に双鬼の赤い点
が見えた
「このカーブの先に居るわ」
「うん」
礼司がはもっとアクセルを踏むと車はキーンと音を立てた
礼司が双鬼の姿を目認すると
ライトをアップにし真っ赤なレーザーピームを放った
それが双鬼に当たった瞬間、真っ赤な炎を上げ消滅した
「早い!!」
「乗りだよ、乗り。あはは」
「ところで、今日の鬼は?」
「武鬼、京都で死んだ武士達の霊が鬼になったの」
「墓でも動かしたのか?」
「うん、旧家を取り壊してマンションを
建てようとしたら大量の人骨が出たんだって」
「ああ知っている。それで」
「それがね、古い人骨で業者がちゃんと弔わなく
てゴミみたいに処理したらしいわ」
「それで、どんな事件が?」
「工事現場の従業員6人が首を切られて死んだわ」
「おお、可愛そうに・・。つぎ狙われるのは?」
「たぶん・・・・・」
「そうか、それで鬼の居る場所は?」
「ええと、本能寺」
「おお、織田信長。本能寺の変のあったところか」
「うん」
「織田信長が鬼になっていたりしてな。あはは」
「うんそうかもね。でも鬼はかなり強いよ」
「それで、武器は?」
「その小柄じゃ力が足らないから、刀を使うわ」
「刀だけで勝てるのか」
「だから、いい刀じゃないと」
「ああ、京都ならいい刀があるな」
「うん、京都国立博物館」
「な、なに?盗むのか?」
「違うわよ、借りるのよ」
「そうか、借りるのか。まさか国宝だったりして」
「そうよ、国宝のね。ええと」
魔美は持っていた紙を見た
「太刀 銘則国。鎌倉時代の物で作者は則国」
「おい、おい。じゃあ向うに着いたらまず刀を盗むことか」
「うん、場所は京都駅の近く」
「OK」
礼司の運転するタクシーは京都駅に22時50分に着いた
「魔美鬼退治の時間に間に合ったな」
「うん」
「お客さん着きましたよ」
礼司は自慢げに声をかけた
「ん、今何時ですか?」
「11時ちょっと前です」
「えっ。えええ?本当に着いたんですか?」
男は不思議な顔で時計を見た
「よ、よかった間に合う。ちょっと
待っていてください人を連れてきますから」
「いいですけど、金額が金額なので・・・」
礼司は疑った目で男を見た
「ああ、そうか。私、佐々と申します。待っていてくださいね」
「は、はい。お待ちの方は2号車です」
「えっ?」
佐々は20万円と名刺を礼司に渡して車を降りた。
「なあ、魔美」
「はい?」
「今気がついたんだけど・・・・。メーターが5360円だ」
「あはは、鬼の世界はメーターが動かないから」
「じゃあ、もらい過ぎかな? 会社になんて言おう」
「ねえ、夜野さんってどうしてこういう時は弱気なの?」
「あはは、サラリーマンが長かったから」
名刺を見ながら魔美は声を上げた。
「あら、あの人大学の準教授よ」
「ん?」
「佐々 宗則 東京都市大学 文学部民族考古学だって」
「ほう」
「ところで、彼は20万円も払って
タクシーで京都に来たのかしら」
「うん、人を追ってきたみたいだ」
「鬼退治の時間過ぎちゃうよ」
「大丈夫だろう12時までに鬼を退治すればいいから」
「そうね、今度は強力な武器があるから」
「ああ」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*

ルッキズムデスゲーム
はの
ホラー
『ただいまから、ルッキズムデスゲームを行います』
とある高校で唐突に始まったのは、容姿の良い人間から殺されるルッキズムデスゲーム。
知力も運も役に立たない、無慈悲なゲームが幕を開けた。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/3/2:『はながさく』の章を追加。2025/3/9の朝4時頃より公開開始予定。
2025/3/1:『でんしゃにゆられる』の章を追加。2025/3/8の朝4時頃より公開開始予定。
2025/2/28:『かいじゅう』の章を追加。2025/3/7の朝4時頃より公開開始予定。
2025/2/27:『ぬま』の章を追加。2025/3/6の朝4時頃より公開開始予定。
2025/2/26:『つり』の章を追加。2025/3/5の朝4時頃より公開開始予定。
2025/2/25:『ぼやけたひとかげ』の章を追加。2025/3/4の朝4時頃より公開開始予定。
2025/2/24:『あさ』の章を追加。2025/3/3の朝4時頃より公開開始予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる