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3章 煙鬼
タバコ
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女性は自分の手の中からタバコが消えて唖然としていた
そこへ礼司が近づいて
「大丈夫か?」
「何すんのよ、危ないじゃない」
何も知らない女性は大声で怒鳴った
「すみません」
礼司は頭を下げた
「魔美、これじゃ同じ条件の人間が多すぎるぞ」
「うん、困ったね」
「夜野さん」浜田が真理子と走ってきた
「ん?」
「とりあえず、商店街パトロールの人たちが歩行禁煙で回ってくれるそうです」
「ありがとう、浜田」
「すごい!!そんなの考えていなかった」
魔美が浜田の手を握って飛び上がった
「後は小島をさがすだけだ」
「はい」真理子がビニール袋に入っているタオルを礼司に渡した
「ん?」
「小島の使っていたタオル、ナイルに探してもらおうね」
「おお、そうか」
礼司は真理子の手を握って飛び上がった。
それを見た魔美が「馬鹿じゃないの」とつぶやいた
「ナイルちゃん探せるのかしら」
「探せますよ、鼻がいいから。ね 夜野さん」
魔美の口調がとてもきつかった。
「じゃあナイルこの臭いを探せ」礼司が言うと
ナイルはタオルに鼻をつけその後鼻を空に向けた
「何やっているの?」
「近くにいるみたいだ、空気に流れているにおいを嗅いでいる」
「本当?」
「魔美リードを長くして行こう」
「うん」
ナイルはデパートの本店の脇を抜け
円山町の坂を上り始めた
「ここって、この前も来たね」
「ああ、クリスマスの時だったな。
この辺りは霊がいっぱいあるから事件が起きてもしょうがないかもな」
「そうなの?」
「解かるんですか?」
浜田が聞いた。
「うん、かわいそうな女の霊が何人かいるな」
「そうか・・・・。」
ナイルは坂を登って左に曲がって最初の角にあるラブホテルの前で
止まった
「おいナイル、この中か?」
ナイルは尻尾を振った
「どうもそうみたいだね」
「出るのを待つか、そろそろ10時だし」
「ええ、そうしましょう」
「でもなんか変ですね、ラブホテルの前で男女4人と犬で立っているなんて」
「あはは、確かに変だしかも一人は女子高生だし」
その時ナイルが激しく吠えた
「来たぞ!」
空はまた黒くなり煙がホテル全体を覆い始めた
「今度のはでかいぞ」
「どうして解かったのかしら」
「ん?」
礼司はホテルの自動ドアが開いた音を聞いたとき
正面の衝立を飛び越えた
「おい、いきなり咥えタバコかよ」
「道路に出たら煙鬼が来るわ」
「おお」
礼司は小島を取り抑えて火のついたタバコを投げ捨てた。
するとホテルを囲っていた白い煙が消えていった
隣には小島と一緒にいた女性が唖然と立っていた
「なあ、タバコは喫煙所で吸えって言ったろう」
「なんだよ」
そこへ浜田が来て身分証を見せて
「お楽しみの所悪いな、ちょっと聞きたい事がある」
「な、なんですか?」
「1ヶ月半前に起きた事件の事で話を聞かせてもらおうかな」
小島はうつむいて歩き始めた
「なんなの、祐樹」
小島の彼女の友子が小島の腕にしがみついた
「すみませんねお嬢さん、ちょっと話を聞くだけですから」
「なあ、小島さん。警察の方が安全かもな」礼司が言った
「うるせえなあ」
小島はふてくされた態度をとって浜田の脇を歩いた
「浜田、じゃあ俺達は向うへ行く準備をしているから、後は頼む」
「はい、お手伝う事があったら呼んで下さい」
「ああ、あれを持ってきてくれたお陰で十分だよ」
「はい、気をつけて」
魔美は笑って浜田に手を振った
「わ、私は?」真理子が聞いた
「真理子さんは帰ってくれ、とても危険だ」
「でも何か手伝いたい」
「駄目ですよ、真理子さん」
魔美は冷たく言った
「なんか、魔美の言い方つめたいな」礼司が囁いた
「解かりました。がんばってください」真理子が礼司の手を握った
「うん、ありがとう」
礼司は真理子の手を軽く握り返すと手を振って
魔美の肩を叩いた
「さあ、魔美行くぞ」
「うん、どこへ」
「いや、ちょっとかっこつけたいから、向けて歩こう」
礼司は小さな声で言った
「ねえ、夜野さん後で蹴とばすわよ」
「あはは」二人は道玄坂の方へ向かって歩いた
ラブホテル外を抜けた時
「これ作らなくちゃ」
「何これ?」
礼司はトランクから二つの瓶を取り出した
「危険物!!」
「ええ!どこでやるの」
「そうだな」
礼司は近くの公園へ入ると公衆トイレの前に立った
「なに?ここでやるの」
「うん、いざとなったら水で流せる」
「私は外で待って居ればいいの」
「ああ、危険だから何とか人を入れないでくれ」
「解かったわ」
それから20分すると礼司がトイレから出てきた
「ああ、狭くて臭い」
「ところでできたの」
「うん、秘密兵器」
「なに?」
「見てからのお楽しみ」
「うん」
礼司が携帯電話で時間を見ると
「ああ、もう10時半か」
「うん」
礼司はバッグからハンズで買った物を取り出した
「何これ?」
「これか?」
その時、浜田からの電話が鳴った
「夜野さん、小島が警察を出ました」
「なんだって!」
「渋谷東警察で担当の人間が居なくて住所を聞いて明日事情聴取するそうです」
「なんだ、押さえておけないのか、あんたがやればいいだろう」
「所轄を飛び越えて私が動くことができないんですよ」
「困ったな、あいつが死んでもこっちには関係ないが、殴り殺された遺族と
達也君の遺族の気持ちを考えると、警察に捕まってほしいな」
「ええ、それで奴をつけています」
「タバコを吸わせるなよ」
そこへ礼司が近づいて
「大丈夫か?」
「何すんのよ、危ないじゃない」
何も知らない女性は大声で怒鳴った
「すみません」
礼司は頭を下げた
「魔美、これじゃ同じ条件の人間が多すぎるぞ」
「うん、困ったね」
「夜野さん」浜田が真理子と走ってきた
「ん?」
「とりあえず、商店街パトロールの人たちが歩行禁煙で回ってくれるそうです」
「ありがとう、浜田」
「すごい!!そんなの考えていなかった」
魔美が浜田の手を握って飛び上がった
「後は小島をさがすだけだ」
「はい」真理子がビニール袋に入っているタオルを礼司に渡した
「ん?」
「小島の使っていたタオル、ナイルに探してもらおうね」
「おお、そうか」
礼司は真理子の手を握って飛び上がった。
それを見た魔美が「馬鹿じゃないの」とつぶやいた
「ナイルちゃん探せるのかしら」
「探せますよ、鼻がいいから。ね 夜野さん」
魔美の口調がとてもきつかった。
「じゃあナイルこの臭いを探せ」礼司が言うと
ナイルはタオルに鼻をつけその後鼻を空に向けた
「何やっているの?」
「近くにいるみたいだ、空気に流れているにおいを嗅いでいる」
「本当?」
「魔美リードを長くして行こう」
「うん」
ナイルはデパートの本店の脇を抜け
円山町の坂を上り始めた
「ここって、この前も来たね」
「ああ、クリスマスの時だったな。
この辺りは霊がいっぱいあるから事件が起きてもしょうがないかもな」
「そうなの?」
「解かるんですか?」
浜田が聞いた。
「うん、かわいそうな女の霊が何人かいるな」
「そうか・・・・。」
ナイルは坂を登って左に曲がって最初の角にあるラブホテルの前で
止まった
「おいナイル、この中か?」
ナイルは尻尾を振った
「どうもそうみたいだね」
「出るのを待つか、そろそろ10時だし」
「ええ、そうしましょう」
「でもなんか変ですね、ラブホテルの前で男女4人と犬で立っているなんて」
「あはは、確かに変だしかも一人は女子高生だし」
その時ナイルが激しく吠えた
「来たぞ!」
空はまた黒くなり煙がホテル全体を覆い始めた
「今度のはでかいぞ」
「どうして解かったのかしら」
「ん?」
礼司はホテルの自動ドアが開いた音を聞いたとき
正面の衝立を飛び越えた
「おい、いきなり咥えタバコかよ」
「道路に出たら煙鬼が来るわ」
「おお」
礼司は小島を取り抑えて火のついたタバコを投げ捨てた。
するとホテルを囲っていた白い煙が消えていった
隣には小島と一緒にいた女性が唖然と立っていた
「なあ、タバコは喫煙所で吸えって言ったろう」
「なんだよ」
そこへ浜田が来て身分証を見せて
「お楽しみの所悪いな、ちょっと聞きたい事がある」
「な、なんですか?」
「1ヶ月半前に起きた事件の事で話を聞かせてもらおうかな」
小島はうつむいて歩き始めた
「なんなの、祐樹」
小島の彼女の友子が小島の腕にしがみついた
「すみませんねお嬢さん、ちょっと話を聞くだけですから」
「なあ、小島さん。警察の方が安全かもな」礼司が言った
「うるせえなあ」
小島はふてくされた態度をとって浜田の脇を歩いた
「浜田、じゃあ俺達は向うへ行く準備をしているから、後は頼む」
「はい、お手伝う事があったら呼んで下さい」
「ああ、あれを持ってきてくれたお陰で十分だよ」
「はい、気をつけて」
魔美は笑って浜田に手を振った
「わ、私は?」真理子が聞いた
「真理子さんは帰ってくれ、とても危険だ」
「でも何か手伝いたい」
「駄目ですよ、真理子さん」
魔美は冷たく言った
「なんか、魔美の言い方つめたいな」礼司が囁いた
「解かりました。がんばってください」真理子が礼司の手を握った
「うん、ありがとう」
礼司は真理子の手を軽く握り返すと手を振って
魔美の肩を叩いた
「さあ、魔美行くぞ」
「うん、どこへ」
「いや、ちょっとかっこつけたいから、向けて歩こう」
礼司は小さな声で言った
「ねえ、夜野さん後で蹴とばすわよ」
「あはは」二人は道玄坂の方へ向かって歩いた
ラブホテル外を抜けた時
「これ作らなくちゃ」
「何これ?」
礼司はトランクから二つの瓶を取り出した
「危険物!!」
「ええ!どこでやるの」
「そうだな」
礼司は近くの公園へ入ると公衆トイレの前に立った
「なに?ここでやるの」
「うん、いざとなったら水で流せる」
「私は外で待って居ればいいの」
「ああ、危険だから何とか人を入れないでくれ」
「解かったわ」
それから20分すると礼司がトイレから出てきた
「ああ、狭くて臭い」
「ところでできたの」
「うん、秘密兵器」
「なに?」
「見てからのお楽しみ」
「うん」
礼司が携帯電話で時間を見ると
「ああ、もう10時半か」
「うん」
礼司はバッグからハンズで買った物を取り出した
「何これ?」
「これか?」
その時、浜田からの電話が鳴った
「夜野さん、小島が警察を出ました」
「なんだって!」
「渋谷東警察で担当の人間が居なくて住所を聞いて明日事情聴取するそうです」
「なんだ、押さえておけないのか、あんたがやればいいだろう」
「所轄を飛び越えて私が動くことができないんですよ」
「困ったな、あいつが死んでもこっちには関係ないが、殴り殺された遺族と
達也君の遺族の気持ちを考えると、警察に捕まってほしいな」
「ええ、それで奴をつけています」
「タバコを吸わせるなよ」
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