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2章 汗鬼
対決
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真理子がやっと返事をした
「あっ、タクシーで送って行けなくてごめん」
「がんばってください。夜野さん」
「ああ」
真理子は礼司の後ろ姿を見て安堵していた
「かっこつけちゃって」
魔美は笑っていった
「いくぞ!」
礼司たちは車に乗り込んだ
「ぼ、僕はどうしますか?」
浜田が礼司を追いかけて言った
「行きたい?」
「はい」
「でも、この世界知っても誰も信じないぞ」
「分かっています、でも人が死んだのは事実ですから」
「乗せてあげようよ」
「ああ」
「ありがとうございます」
浜田は嬉しそうに助手席に乗った
浜田がタクシーに乗って礼司がタクシーを走らせると、
向うの世界の事件と礼司との関係を説明した。
「なるほど、僕は向うの世界で死んでいるんですね」
「うん」
「それで夜野さんが懐かしい感じがしたのか」
「たぶん、あはは」
「ところでなぜ鬼がいるんですか?」
「それは、魔美の専門だ」
「それは、この世に残った霊魂がなんならの形で
鬼になってしまうのよ、そして人間を食うの」
魔美は鬼の存在を説明した。
「今回はサウナで死んだ人の霊魂が鬼化してしまったわけなの」
「で鬼はどこにいるんですか?」
「いまから移動する場所。つまりみんなの言う地獄」
「どうやって移動するんですか?」
「これが鬼のノブ、このタクシーにつけると移動できるの」
浜田にノブを見せた
「いつ移動するんですか?」
「夜の11時から12時の1時間だ」
礼司が言った
「ね、夜野さん」
「ん」
「さっきの小柄見せてくれる」
魔美が体を乗り出して言った
「おお」
礼司は胸のポケットに入っていた小柄を魔美に渡した
「やっぱり、これはノブと同じ目的で作られたものよ」
「鬼退治用か?移動用か?」
「こっちは鬼退治用だね」
「了解、でも小柄より刀のほうが良かったのに、あはは」
「夜野さん」浜田が急に大きな声で言った
「ん」
「さっきのベレッタはなんですか?」
「あれは魔美が持っている鬼退治用のツールだ。
自動装填で永遠に弾がなくならないマガジンだ」
「へえ、凄いですね。ところで魔美さんて・・・」
「ははは、俺もわからん」
礼司は魔美を見つめた
「ごめん、いずれ話します」
10時30分タクシーは青梅街道から近いT駅前に着いた
「あの建物か?」
「ええ」
「2階のサウナは閉鎖中ですけど、全館営業しています」
「ここでの例の事件は?」
「起きていませんでしたね」
「どうしてここのスタジオが狙われなかったのかしら?」
「それは、たぶん鬼になっても顔見知りの人は食べられなかったんだろうな」
「なるほど、元は人間か」
「ああ・・・・」
しばらく沈黙が続いた
「ところで、浜田さんは何課なんですか?」
「これでも警視庁捜査一課、警部補ですよ」
「ええ、エリートじゃん」
「まあ、ははは」
浜田は照れて額の汗を拭いた
「ところで、今日の売り上げどうしよう」
礼司は突然大きな声を上げた
「まったく」
魔美は笑った
「笑い事じゃないぞ、会社に怒られる」
そう言うと乱丸が礼司の手を舐めた
礼司は小柄とモデルガンのベレッタを取り出した。
「浜田君、彼女いるの?」
「いいえ」
「じゃあ、もしもの事が有っても大丈夫だね」
「ぼ、僕も参加するんですか?」
「うん、手ごわそうだから手伝ってもらうよ」
「は、はい」
「さて、鬼退治の時間だ! 行くぞ」
10;58分の時計を見て言った
「はい」
魔美が鬼のノブを礼司に渡した
タクシーのノブをはずし鬼のノブに付け替えて
11時なってエンジンをかけると
「キーン」
と言う甲高い音がした。すると周りが暗くなり今まで駅のほうから
歩いてきた人が突然消えた。
「浜田君ここが鬼のいる世界だよ」
そして、金色のマガジンをベレッタに入れスライドさせた
「ここが地獄で・す・か?」
「うん、そうだよ」
魔美が浜田の顔を見て言った
「さて鬼を探すぞ」
「はい」
礼司がタクシーの後部座席の自動ドアを開けると、
ナイルと乱丸が飛び出しスポーツクラブの前に立って待っていた。
「夜野さんここに鬼がいるんですか?」
「わからん」
2階に登って右に曲がると大きな浴槽の前に閉鎖されたままのサウナがあった
「ここで人が死んだんですね」
「うん、ここにはいないな」
「あの2匹は?」
「各階を走りまわっているよ」
魔美は3階から降りてきた。
「上の階は?」
「いない」
「夜野さん一体どこへ行ったんでしょうね?」
そこに「ワンワン」とナイルの吠える声が聞こえた。
「あっ女湯」
礼司と浜田が顔を見合わせた
そしてナイルの吠えているサウナルームへ走っていき
ピストルを両手に構えて廻り見渡すと
そこにはスエット姿の一人の女性が横たわっていた
「彼女生きている?」
魔美が驚いて聞いた
「生きているみたいですね」
「こいつら餌を集めているのか?」
「鬼は?」
「ここにいるはず」
礼司の鬼の根付が光った
「そこか」
魔美のちょうど上の天井にベージュのアメーバーの
ような形でゴムのように張り付いていた、礼司は迷わずピストルを撃った
すると、それは一瞬で消えた。
「駄目だ」
「当たったみたいですけど」
「液状のやつらには効果がない」
「そうか」
「浜田頼む」
「あっ、タクシーで送って行けなくてごめん」
「がんばってください。夜野さん」
「ああ」
真理子は礼司の後ろ姿を見て安堵していた
「かっこつけちゃって」
魔美は笑っていった
「いくぞ!」
礼司たちは車に乗り込んだ
「ぼ、僕はどうしますか?」
浜田が礼司を追いかけて言った
「行きたい?」
「はい」
「でも、この世界知っても誰も信じないぞ」
「分かっています、でも人が死んだのは事実ですから」
「乗せてあげようよ」
「ああ」
「ありがとうございます」
浜田は嬉しそうに助手席に乗った
浜田がタクシーに乗って礼司がタクシーを走らせると、
向うの世界の事件と礼司との関係を説明した。
「なるほど、僕は向うの世界で死んでいるんですね」
「うん」
「それで夜野さんが懐かしい感じがしたのか」
「たぶん、あはは」
「ところでなぜ鬼がいるんですか?」
「それは、魔美の専門だ」
「それは、この世に残った霊魂がなんならの形で
鬼になってしまうのよ、そして人間を食うの」
魔美は鬼の存在を説明した。
「今回はサウナで死んだ人の霊魂が鬼化してしまったわけなの」
「で鬼はどこにいるんですか?」
「いまから移動する場所。つまりみんなの言う地獄」
「どうやって移動するんですか?」
「これが鬼のノブ、このタクシーにつけると移動できるの」
浜田にノブを見せた
「いつ移動するんですか?」
「夜の11時から12時の1時間だ」
礼司が言った
「ね、夜野さん」
「ん」
「さっきの小柄見せてくれる」
魔美が体を乗り出して言った
「おお」
礼司は胸のポケットに入っていた小柄を魔美に渡した
「やっぱり、これはノブと同じ目的で作られたものよ」
「鬼退治用か?移動用か?」
「こっちは鬼退治用だね」
「了解、でも小柄より刀のほうが良かったのに、あはは」
「夜野さん」浜田が急に大きな声で言った
「ん」
「さっきのベレッタはなんですか?」
「あれは魔美が持っている鬼退治用のツールだ。
自動装填で永遠に弾がなくならないマガジンだ」
「へえ、凄いですね。ところで魔美さんて・・・」
「ははは、俺もわからん」
礼司は魔美を見つめた
「ごめん、いずれ話します」
10時30分タクシーは青梅街道から近いT駅前に着いた
「あの建物か?」
「ええ」
「2階のサウナは閉鎖中ですけど、全館営業しています」
「ここでの例の事件は?」
「起きていませんでしたね」
「どうしてここのスタジオが狙われなかったのかしら?」
「それは、たぶん鬼になっても顔見知りの人は食べられなかったんだろうな」
「なるほど、元は人間か」
「ああ・・・・」
しばらく沈黙が続いた
「ところで、浜田さんは何課なんですか?」
「これでも警視庁捜査一課、警部補ですよ」
「ええ、エリートじゃん」
「まあ、ははは」
浜田は照れて額の汗を拭いた
「ところで、今日の売り上げどうしよう」
礼司は突然大きな声を上げた
「まったく」
魔美は笑った
「笑い事じゃないぞ、会社に怒られる」
そう言うと乱丸が礼司の手を舐めた
礼司は小柄とモデルガンのベレッタを取り出した。
「浜田君、彼女いるの?」
「いいえ」
「じゃあ、もしもの事が有っても大丈夫だね」
「ぼ、僕も参加するんですか?」
「うん、手ごわそうだから手伝ってもらうよ」
「は、はい」
「さて、鬼退治の時間だ! 行くぞ」
10;58分の時計を見て言った
「はい」
魔美が鬼のノブを礼司に渡した
タクシーのノブをはずし鬼のノブに付け替えて
11時なってエンジンをかけると
「キーン」
と言う甲高い音がした。すると周りが暗くなり今まで駅のほうから
歩いてきた人が突然消えた。
「浜田君ここが鬼のいる世界だよ」
そして、金色のマガジンをベレッタに入れスライドさせた
「ここが地獄で・す・か?」
「うん、そうだよ」
魔美が浜田の顔を見て言った
「さて鬼を探すぞ」
「はい」
礼司がタクシーの後部座席の自動ドアを開けると、
ナイルと乱丸が飛び出しスポーツクラブの前に立って待っていた。
「夜野さんここに鬼がいるんですか?」
「わからん」
2階に登って右に曲がると大きな浴槽の前に閉鎖されたままのサウナがあった
「ここで人が死んだんですね」
「うん、ここにはいないな」
「あの2匹は?」
「各階を走りまわっているよ」
魔美は3階から降りてきた。
「上の階は?」
「いない」
「夜野さん一体どこへ行ったんでしょうね?」
そこに「ワンワン」とナイルの吠える声が聞こえた。
「あっ女湯」
礼司と浜田が顔を見合わせた
そしてナイルの吠えているサウナルームへ走っていき
ピストルを両手に構えて廻り見渡すと
そこにはスエット姿の一人の女性が横たわっていた
「彼女生きている?」
魔美が驚いて聞いた
「生きているみたいですね」
「こいつら餌を集めているのか?」
「鬼は?」
「ここにいるはず」
礼司の鬼の根付が光った
「そこか」
魔美のちょうど上の天井にベージュのアメーバーの
ような形でゴムのように張り付いていた、礼司は迷わずピストルを撃った
すると、それは一瞬で消えた。
「駄目だ」
「当たったみたいですけど」
「液状のやつらには効果がない」
「そうか」
「浜田頼む」
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