上 下
2 / 2
初恋

第二章 初恋

しおりを挟む
中学生に上がって部活を始めた。奥手でひ弱な体を鍛えるためにと、親に剣道を進められて、とりあえずやっていた。
皆から恐れられていた鬼講師に、いつも叩きのめされていた。今だと、パワハラだの、体罰だのと騒ぎ立てるくらいじゃ済まない程、叩きのめされたのを覚えている。あれは紛れもなく殺人未遂だ(笑)
そんな私も恋をした。奥手て女々しい私が女の子に告白なんて出来るはずもなかったが、どういうわけか、周りのみんなは私の好きな女の子の名前を知っていて、その好きな女の子も、私が好きだということを知っていた。
どぉやら、私は鈍感らしい。

中学生生活も終盤に近づき将来の夢を書くこととなった。小学生からの夢は大工さんになる事だった。私はそれをそのまま書いた。
それを見た親父は、
「大工じゃ飯は食っていけんぞ!」
と夢のない言葉で潰された。ただただ悔しかった。所謂、反抗期だった。

卒業を迎える数日前に私は、好きな女の子に人生初の告白をした。その子は優しく微笑み、「ごめんなさい」
と、呟いた。
秒殺だった。でも後悔はしなかった。片思いだとわかっていたが、思いを伝えられたことで私は、成長を実感していた。
そんな中、風の噂で私の事を好きでいてくれていた女の子の存在を知った。
私の事を好きでいてくれた子の気持ちを考えた時、
あの子はなぜ、私に話しかけてこなかったのか?
あの子はなぜ、私に告白をしなかったのか?

思えば、みんなが皆、私の好きな子を知っているのに、私の事を好きでいてくれた子もまた、それを知っているはずなのに、、、
どぉやら、私の鈍感さは微塵も成長してはいなかった。

つづく
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

花雨
2021.08.12 花雨

作品登録しときますね(^^)

解除

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。