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第二部
メトセラールの過去②
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「なんだ? フェルカークの件はかの御方が力を手に入れるために行った。ああ、お前には詳細は言っていなかったな」
「フェルカークにリニとリシェが療養に向かうとご報告しましたよね。事が起こる事を知っていらしたのですか? なぜ、なにも教えていただけなかったのですか! 知っていれば、わかっていたなら2人を失わずに済んだ!!」
「あ? ああ、そういえば行くと言っていたか。なに、ならばまた妻を娶ればいい」
「は?」
何を、言っているんだこの人は。換えが効く部品のようにリニのことを言っている。
「それに病弱な女児など不用だ。次の子は健康な男児をーー」
「ふざけるな!!」
あまりに怒りを覚えると頭に血が上り、体が勝手に動くと初めて知った。気がつけば父の肩を強く押していた。そして大勢を崩した父は階段を転がり落ち、頭を強く打ちつけ動かなくなった。
わたしは、呪った。家の信仰、父、そして自分を。
自分の家が邪神信仰をしていたから惨劇を起こす手引きをした。父の人の心のなさと狂い具合。そして興味がないためにろくに家の信仰や父の行いを知ろうとしてこなかった愚かな自分。妻と娘を亡くしたこの事件のようなことを自分の家は代々行ってきたはずだ。人ごとのように考えていただけで自分は加害者側。妻と娘を殺したのは、自分のようなものだ。
「ーーー王につまびらかにしよう。そしてメトセラール家の罪を明かし、潰そう」
そう思い立ち、夜だというのに王に面会を申し入れた。密室で全てを告白した。家のこと、父のこと、今回の事件のこと、失った妻子のこと。国王と王太子は静かに聞いていた。話が終わると国王に問いかけられた。
「ブラーム・メトセラール。ならば、妻子の仇はまだ取れておらんな。どうだ、告白ついでに仇を取るまでわしの下でスパイとして連中の中で情報を得て報告するのは。全てを掌握し、徹底的に潰すために其方の立場や権力を総動員するのだ」
「しかし、わたしの罪はあまりに重くーー」
「メトセラール、わたしも国王に賛成だ。お前の家のこと、お前なしでは罪を一から十まで国が把握するのは無理だ。お前が実情を調べて罪を暴き出し、"かの御方"なる事件の首謀者を見つけ出さねばさらなる犠牲者が我が国ならびに他国にも出るだろう。それは、阻止せねばならない。頼まれてくれないか、メトセラール」
「フェルカークにリニとリシェが療養に向かうとご報告しましたよね。事が起こる事を知っていらしたのですか? なぜ、なにも教えていただけなかったのですか! 知っていれば、わかっていたなら2人を失わずに済んだ!!」
「あ? ああ、そういえば行くと言っていたか。なに、ならばまた妻を娶ればいい」
「は?」
何を、言っているんだこの人は。換えが効く部品のようにリニのことを言っている。
「それに病弱な女児など不用だ。次の子は健康な男児をーー」
「ふざけるな!!」
あまりに怒りを覚えると頭に血が上り、体が勝手に動くと初めて知った。気がつけば父の肩を強く押していた。そして大勢を崩した父は階段を転がり落ち、頭を強く打ちつけ動かなくなった。
わたしは、呪った。家の信仰、父、そして自分を。
自分の家が邪神信仰をしていたから惨劇を起こす手引きをした。父の人の心のなさと狂い具合。そして興味がないためにろくに家の信仰や父の行いを知ろうとしてこなかった愚かな自分。妻と娘を亡くしたこの事件のようなことを自分の家は代々行ってきたはずだ。人ごとのように考えていただけで自分は加害者側。妻と娘を殺したのは、自分のようなものだ。
「ーーー王につまびらかにしよう。そしてメトセラール家の罪を明かし、潰そう」
そう思い立ち、夜だというのに王に面会を申し入れた。密室で全てを告白した。家のこと、父のこと、今回の事件のこと、失った妻子のこと。国王と王太子は静かに聞いていた。話が終わると国王に問いかけられた。
「ブラーム・メトセラール。ならば、妻子の仇はまだ取れておらんな。どうだ、告白ついでに仇を取るまでわしの下でスパイとして連中の中で情報を得て報告するのは。全てを掌握し、徹底的に潰すために其方の立場や権力を総動員するのだ」
「しかし、わたしの罪はあまりに重くーー」
「メトセラール、わたしも国王に賛成だ。お前の家のこと、お前なしでは罪を一から十まで国が把握するのは無理だ。お前が実情を調べて罪を暴き出し、"かの御方"なる事件の首謀者を見つけ出さねばさらなる犠牲者が我が国ならびに他国にも出るだろう。それは、阻止せねばならない。頼まれてくれないか、メトセラール」
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