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第二部
全部ヴラドが悪い②
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魔導士のシュレと双剣使いのワズは以心伝心で自分と同じく、連中に貴族一行が絡まれそうになったら助けに入るつもりだった。こいつらとパーティ組めた自分は幸せ者だ。
そんな中、動きがあった。
テーブルで会話していた貴族一行は揉めたようで青年がテーブルを叩き立ち上がった。
「茶番に付き合っていられない」
そこに例の三人組が素早く近づいた。
しまった出遅れた!
二人と目を合わせれば力強く頷いたため、俺たちは絡まれたテーブルに向かった。
「よう、貴族のにいちゃん達。揉めてんのか? 俺たちが相談に乗ってやるよ」
「おや、協力してくれるのですか? それは助かります。では一緒に飲みましょうか。僕のおごりです」
「いやいや、ちょーっと場所を変えてもっと秘密の話をしやすい人のいないところに行こうぜ! なあ、そこのお姉ちゃんも一緒に!」
「ここでは駄目なのですか?」
「ここじゃあダメだなダメ。ほーら、そこに行ったら俺たちがなんでも教えてあげるぜ。いいこともワルイこともいろいろとなぁ?」
ゲハゲハと酒臭い息を吐き、ニヤニヤ笑いの三人組は明らかにわたしたちに舐めてかかった態度をとっている。そしてわたしには気持ちの悪い視線を向けてきたため鳥肌がたった。
「さっさと失せろ、クズども」
そんななか、ゲーデが吐き捨てるように地を這うような低い声で告げた。
「ああん? なんだとこのクソガキが」
「オレンジジュース飲んでるお子ちゃまが俺たちみたいな大人に歯向かっていいと思ってんのか!?」
「黙ってろチビ!!」
わたしには壁に向かって飛んでいく何かの残像が見えただけだった。音がしてそちらを見ると漆喰の壁に人が一人突き刺さっていた。
「な、なにをしたてめぇえ…!?」
また一つ残像が見え今度は客のいるテーブルに人が激しく叩きつけられ、テーブルが真っ二つに割れた。
さっきまでその男がいた場をみればゲーデが腰に佩いていた剣を逆手に柄を掴み、鞘がついたまま下から振り上げるところだった。鞘に顎下を打たれた男はその勢いのまま打ち上げられ酒場の天井に突き刺さって動かなくなった。
ゲーデは鞘のついたままの剣を払った。
「チッ、つまらん者のせいで鞘が汚れた」
酒場の中は静まり返り、みんな固まって動きを止めていた。
「すっげー・・・」
なぜか近くに立っていた三人組の一人の呟きだけが響き、わたしは頭を抱えた。
情報収集のために忍ぶどころか大立ち回りして騒ぎを起こしてどうすんの!?
そんな中、動きがあった。
テーブルで会話していた貴族一行は揉めたようで青年がテーブルを叩き立ち上がった。
「茶番に付き合っていられない」
そこに例の三人組が素早く近づいた。
しまった出遅れた!
二人と目を合わせれば力強く頷いたため、俺たちは絡まれたテーブルに向かった。
「よう、貴族のにいちゃん達。揉めてんのか? 俺たちが相談に乗ってやるよ」
「おや、協力してくれるのですか? それは助かります。では一緒に飲みましょうか。僕のおごりです」
「いやいや、ちょーっと場所を変えてもっと秘密の話をしやすい人のいないところに行こうぜ! なあ、そこのお姉ちゃんも一緒に!」
「ここでは駄目なのですか?」
「ここじゃあダメだなダメ。ほーら、そこに行ったら俺たちがなんでも教えてあげるぜ。いいこともワルイこともいろいろとなぁ?」
ゲハゲハと酒臭い息を吐き、ニヤニヤ笑いの三人組は明らかにわたしたちに舐めてかかった態度をとっている。そしてわたしには気持ちの悪い視線を向けてきたため鳥肌がたった。
「さっさと失せろ、クズども」
そんななか、ゲーデが吐き捨てるように地を這うような低い声で告げた。
「ああん? なんだとこのクソガキが」
「オレンジジュース飲んでるお子ちゃまが俺たちみたいな大人に歯向かっていいと思ってんのか!?」
「黙ってろチビ!!」
わたしには壁に向かって飛んでいく何かの残像が見えただけだった。音がしてそちらを見ると漆喰の壁に人が一人突き刺さっていた。
「な、なにをしたてめぇえ…!?」
また一つ残像が見え今度は客のいるテーブルに人が激しく叩きつけられ、テーブルが真っ二つに割れた。
さっきまでその男がいた場をみればゲーデが腰に佩いていた剣を逆手に柄を掴み、鞘がついたまま下から振り上げるところだった。鞘に顎下を打たれた男はその勢いのまま打ち上げられ酒場の天井に突き刺さって動かなくなった。
ゲーデは鞘のついたままの剣を払った。
「チッ、つまらん者のせいで鞘が汚れた」
酒場の中は静まり返り、みんな固まって動きを止めていた。
「すっげー・・・」
なぜか近くに立っていた三人組の一人の呟きだけが響き、わたしは頭を抱えた。
情報収集のために忍ぶどころか大立ち回りして騒ぎを起こしてどうすんの!?
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