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第二部
まずは普通なものから②
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今度はツヴァイが剣を鞘から抜くと先ほどとは打って変わって光を反射した銀色の刀身が現れた。
「きれいになったね」
「そうだな、瘴気はきれいさっぱり浄化されている。成功だ。お前にはこれくらい簡単だったな」
「いやいや」
お世辞だろうけど褒められてちょっとうれしい。
「ふむ、これは金や銀やルビーなど貴重な材質を使ってはいますが攻撃力は低く観賞用ですね。売りますか」
「売るの!?」
「置いていても仕方ないので財源にまわします。それともお部屋に飾りますか?」
「俺はそんな成金趣味のものはいらん」
「わたしも」
「では問題ありませんね。次はこのソファーです」
ツヴァイはわたしたちが座っているソファーをポンと手で叩いた。
「先ほどより大きいものを浄化してみましょう。まずは立って「ホーリードロップ」
座ったままさっきと同じ魔法を使うとソファーを光が包み、収まると茶色の革張りのソファーが現れた。
「茶色だったんだ」
「立ち上がってから浄化してください! 我々まで浄化されていたかもしれません」
「大丈夫だよ、対象はわたしが決めた相手だけだから」
「そういうことはあらかじめ伝えておいてください。久方ぶりに肝が冷えました」
「ごめんなさい…」
「そう責めるな。そんな柔な俺たちではないだろうに」
「それもそうですが、まあよいでしょう。ではこんどは魔導書です。元々かかっていた魔法は瘴気で変質してしまいましたがそれも浄化できるのか試します」
魔導書とは魔法がかけられている本のことだ。
魔導士が魔法陣や魔法のかかったアイテムを使って作ったもので、用途としては本に攻撃魔法を仕込んでいざというときに敵に放つ護身用にしたり、日記を開けられないように封印したり、文字や挿絵が浮かび上がったりと色々あるそうだ。
実物は初めてお目にかかった。
なにが書かれているのだろう、わくわくする。
これは開けられるようでツヴァイがパラパラとページをめくっている。
「これまた紙まで黒いね。うわ、字も黒いのかページ丸ごと真っ黒で何が書いてあるのかわからない」
「これはどこにあった?」
「図書の間の『魔導書』とある棚から持ってきました。なにが書かれているのかはわかりません」
「おい、危険なものじゃないだろうな」
「それもわかりません」
「なにが起こるか知れんからこれは却下だ」
「…そっか、魔導書初めてだから見てみたかったな」
残念だけど危険なら仕方ないか。
あきらめようと肩をおとしていると会話が止んでいるのに気づいた。
「…外で俺の陰に隠れてならいいだろう」
どういうわけかお許しがでたので城の中庭で魔導書の浄化をすることになった。
なにが起こるのか楽しみだ。
「きれいになったね」
「そうだな、瘴気はきれいさっぱり浄化されている。成功だ。お前にはこれくらい簡単だったな」
「いやいや」
お世辞だろうけど褒められてちょっとうれしい。
「ふむ、これは金や銀やルビーなど貴重な材質を使ってはいますが攻撃力は低く観賞用ですね。売りますか」
「売るの!?」
「置いていても仕方ないので財源にまわします。それともお部屋に飾りますか?」
「俺はそんな成金趣味のものはいらん」
「わたしも」
「では問題ありませんね。次はこのソファーです」
ツヴァイはわたしたちが座っているソファーをポンと手で叩いた。
「先ほどより大きいものを浄化してみましょう。まずは立って「ホーリードロップ」
座ったままさっきと同じ魔法を使うとソファーを光が包み、収まると茶色の革張りのソファーが現れた。
「茶色だったんだ」
「立ち上がってから浄化してください! 我々まで浄化されていたかもしれません」
「大丈夫だよ、対象はわたしが決めた相手だけだから」
「そういうことはあらかじめ伝えておいてください。久方ぶりに肝が冷えました」
「ごめんなさい…」
「そう責めるな。そんな柔な俺たちではないだろうに」
「それもそうですが、まあよいでしょう。ではこんどは魔導書です。元々かかっていた魔法は瘴気で変質してしまいましたがそれも浄化できるのか試します」
魔導書とは魔法がかけられている本のことだ。
魔導士が魔法陣や魔法のかかったアイテムを使って作ったもので、用途としては本に攻撃魔法を仕込んでいざというときに敵に放つ護身用にしたり、日記を開けられないように封印したり、文字や挿絵が浮かび上がったりと色々あるそうだ。
実物は初めてお目にかかった。
なにが書かれているのだろう、わくわくする。
これは開けられるようでツヴァイがパラパラとページをめくっている。
「これまた紙まで黒いね。うわ、字も黒いのかページ丸ごと真っ黒で何が書いてあるのかわからない」
「これはどこにあった?」
「図書の間の『魔導書』とある棚から持ってきました。なにが書かれているのかはわかりません」
「おい、危険なものじゃないだろうな」
「それもわかりません」
「なにが起こるか知れんからこれは却下だ」
「…そっか、魔導書初めてだから見てみたかったな」
残念だけど危険なら仕方ないか。
あきらめようと肩をおとしていると会話が止んでいるのに気づいた。
「…外で俺の陰に隠れてならいいだろう」
どういうわけかお許しがでたので城の中庭で魔導書の浄化をすることになった。
なにが起こるのか楽しみだ。
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