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第一部
邪神と初代勇者の伝説②
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通路は途中から階段になり延々と下って行く道になった。
そのうち逆に上る道になったら嫌だなと思いながら体感で5分程下りつづけると階段が終わり真っ暗な空間に出た。
「ここは聖教会本部の地下にある洞窟を整備した隠し通路の最深部です。ここを通り抜けると山脈から抜けロンバルディ王国方面に出られます。それから会話ももうしていただいて結構です」
教皇がそう告げるとみんな少し肩の力を抜いた。
「うちの国にそんな出口あったのか…」とフェルが遠い目をしていた。
まさか先方の国にアポ無しで勝手に出入口を作っていたのだろうか。
外交問題にならないといいけど。
聖騎士やロンバルディの騎士たちが魔法で灯りとなる球、「ライト」を作り周囲が照らされる。
教皇の声の響きから広い空間なのだろうとは思っていたけれど、この地下洞窟は横も高さもあり体育館が丸々入りそうな通路がずっと先まで続いているようだ。
道の終わりが見えない。
「では、先程の続きをお願いします」
「はい。ではまずはなにも質問はせず、わたしの話を最後まで聞いてください。この世界の神話からお話させていただきます」
ウィルが促し教皇は歩きながらみんなに聞こえるだろうよく通る声で古い話を始めた。
「かつてこの世界は『創造神ゲオルギウス』がお造りなさいました。『創造神ゲオルギウス』は空と大地を造り、動植物を造り、この世界を生命に満ち溢れた場所にしました」
創造神はアウレリアでは?
ゲオルギウスという神様は初めて聞いた。
「何億何万何千年と時が過ぎ、多種多様な神々も生まれます。そのうちに高い知性を持つ生物、人間が生まれ神々を祀るようになり、神々は信仰されることにより力を増しました。神々が力を増すことで世界はさらに自然は豊かになり、人間も豊かになり、文明を発達させ神々から力を借り魔法を使い、あるいは人間自身の力で魔法を生み出す術を手に入れました」
この世界の人類の歴史か。
神様との繋がりで文明を発展させていったみたいだ。
「そんな豊かな世界で人々は争いいくつもの国ができ消え吸収されまた新たな国ができました。何百年も何千年もそれが繰り返されその度に大地は血にまみれ人々は怨嗟を吐き、憎しみの感情により瘴気がたくさん生まれました」
人の欲には際限がないという。
いつの時代でも違う世界でも争ってばかりなのか。
「『創造神ゲオルギウス』は世界のあらゆる生と死、誕生と終わりを司るため瘴気に終わりを与えることで消していました。しかし消しても消しても新たに瘴気が生まれます。『創造神ゲオルギウス』は疲れ果ててしまいました。そんな時、今から1000年前、『創造神ゲオルギウス』はひとりの人間の娘に出会います。その娘はかの神に捧げられた生贄でした。疲れ果てていた『ゲオルギウス』は娘の愛情深く清らかな人柄と献身的に尽くす姿勢に癒されました。そしてその娘を『ゲオルギウス』は愛し、娘も『ゲオルギウス』を愛し二人は神と人でありながら夫婦となりました」
種を超えた神様と人間の純愛。
「しかし、悲劇が起きます。妻となった娘は人間によって殺されてしまったのです」
聞き入っていたみんなが息を呑んだ。
そのうち逆に上る道になったら嫌だなと思いながら体感で5分程下りつづけると階段が終わり真っ暗な空間に出た。
「ここは聖教会本部の地下にある洞窟を整備した隠し通路の最深部です。ここを通り抜けると山脈から抜けロンバルディ王国方面に出られます。それから会話ももうしていただいて結構です」
教皇がそう告げるとみんな少し肩の力を抜いた。
「うちの国にそんな出口あったのか…」とフェルが遠い目をしていた。
まさか先方の国にアポ無しで勝手に出入口を作っていたのだろうか。
外交問題にならないといいけど。
聖騎士やロンバルディの騎士たちが魔法で灯りとなる球、「ライト」を作り周囲が照らされる。
教皇の声の響きから広い空間なのだろうとは思っていたけれど、この地下洞窟は横も高さもあり体育館が丸々入りそうな通路がずっと先まで続いているようだ。
道の終わりが見えない。
「では、先程の続きをお願いします」
「はい。ではまずはなにも質問はせず、わたしの話を最後まで聞いてください。この世界の神話からお話させていただきます」
ウィルが促し教皇は歩きながらみんなに聞こえるだろうよく通る声で古い話を始めた。
「かつてこの世界は『創造神ゲオルギウス』がお造りなさいました。『創造神ゲオルギウス』は空と大地を造り、動植物を造り、この世界を生命に満ち溢れた場所にしました」
創造神はアウレリアでは?
ゲオルギウスという神様は初めて聞いた。
「何億何万何千年と時が過ぎ、多種多様な神々も生まれます。そのうちに高い知性を持つ生物、人間が生まれ神々を祀るようになり、神々は信仰されることにより力を増しました。神々が力を増すことで世界はさらに自然は豊かになり、人間も豊かになり、文明を発達させ神々から力を借り魔法を使い、あるいは人間自身の力で魔法を生み出す術を手に入れました」
この世界の人類の歴史か。
神様との繋がりで文明を発展させていったみたいだ。
「そんな豊かな世界で人々は争いいくつもの国ができ消え吸収されまた新たな国ができました。何百年も何千年もそれが繰り返されその度に大地は血にまみれ人々は怨嗟を吐き、憎しみの感情により瘴気がたくさん生まれました」
人の欲には際限がないという。
いつの時代でも違う世界でも争ってばかりなのか。
「『創造神ゲオルギウス』は世界のあらゆる生と死、誕生と終わりを司るため瘴気に終わりを与えることで消していました。しかし消しても消しても新たに瘴気が生まれます。『創造神ゲオルギウス』は疲れ果ててしまいました。そんな時、今から1000年前、『創造神ゲオルギウス』はひとりの人間の娘に出会います。その娘はかの神に捧げられた生贄でした。疲れ果てていた『ゲオルギウス』は娘の愛情深く清らかな人柄と献身的に尽くす姿勢に癒されました。そしてその娘を『ゲオルギウス』は愛し、娘も『ゲオルギウス』を愛し二人は神と人でありながら夫婦となりました」
種を超えた神様と人間の純愛。
「しかし、悲劇が起きます。妻となった娘は人間によって殺されてしまったのです」
聞き入っていたみんなが息を呑んだ。
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