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chapter 2 -road to quest- 03
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クエスト初のモンスター、グリーンスライムとの戦闘で難易度のギャップに戸惑ったが、なんとか倒すことができた。
やはり装備を整えるためにギルドに引き返したのは正解だったようだ。
戦士らしさを追求したこの盾は、見事にグリーンスライムの攻撃から身を守ってくれた。
「スライム一体とはいえ、戦闘がリアルだと苦戦するな。」
先にこのゲームを始めた悠でもなかなか攻撃を当てられないでいる。
これでは先が思いやられる。
しかし、同時にふと思ったこともある。
「スキルを使えばなんとかなるんじゃないか。」
さっきは油断していたし、攻撃スキルも効果的には使えていなかった。
俺はスキルツリーを開き、確認する。
スキルツリーでは、今習得できるスキルは何か、今後どんなスキルが習得できるかのリストを見ることができる。
そこに表示されていたのは攻撃系のスキルだけではなかった。
防御系や回避系のスキル、能力値を底上げするスキルもある。
見つけるや否や、ポイントを消費してスキルを習得する。
回避スキル『ソードステップ』:刀剣系の装備時に使用可能。7%の確立で攻撃・スキルを回避。
防御スキル『受け流し』:武器・盾を装備時、12%の確立で攻撃・スキルを受け流す。
強化スキル『ボルテージ』:攻撃力を一定時間上昇。
『インサイト』:攻撃の命中率を一定時間上昇。
「ここから先は、敵の攻撃も素早くなってくる。幅広くスキルを習得しておいたほうが良いのかもな。」
バランス良くスキルを活用することが、必要になってくるのだろう。
「じゃあこっちも。」
悠もスキルツリーを開いて、設定したようだ。
「魔法使いは本でスキルを習得できるから、スキルツリーから習得できるスキルがあるなんて思わなかったな。よく気付いたよな。」
攻撃魔法以外のスキルは知らなかったようだ。
「急に難易度上がり過ぎだって思ったんだよな。流石に最序盤のクエストで、こんないやらしいフェイントしかけてくるようなモンスターを設置するとは思えない。」
俺たちはまだ、チュートリアルでしか戦闘をしていない。
俺や悠のようにチュートリアルで粘ってレベルを上げたようなプレイヤーならまだしも、サクサク進めていくプレイヤーには尚更大きなギャップだろう。
「だな。難易度のマネジメントはRPGの基本か。」
草むらからグリーンスライム、木陰から小柄な二足歩行の犬が飛び出す。
青い毛並み、俺たちよりも少し小柄な体格。
槍を構えてこちらを向く。
持っている槍は、レッサーコボルトのそれよりも切れ味がありそうだった。
「コボルトも来たな。よし、行くぞ!」
スキルオン。『ボルテージ』『インサイト』
スキルを発動してから、ダッシュで距離を詰める。
狙いはとりあえずグリーンスライムからだ。
「じゃあコッチいくね。」
悠はコチラを見て、攻撃をコボルトに絞る。
スライムは瞬時に身体を伸ばして、こちらを威嚇する。
それを見て、再びスキルを発動する。
『ソードステップ』
重心をサイドに傾け、足さばきで攻撃を躱すスキル。
威嚇体勢からスライムが体当たりを仕掛ける。
その突進射線から、身体をサイドステップで逸らす。
剣を構えたまま発動できるこのスキルは、カウンターの機会をも与えてくれる。
「よぉし、絶好球!いけぇぇぇぇ!」
剣をバット、スライムをボールのように見立て、バッティングセンターの如く横に思い切り振る。
ズシャッ!
剣撃が当たり、スライムはそのまま光に包まれて消えていく。
「これでスライムの攻略はバッチリだな。」
スキルをガン積みしているだけだが、ソロで討伐できるようになれば上々だろう。
悠の方を見る。
「うぉ、なんだそりゃ。」
悠はコボルトに向けて魔法攻撃を仕掛けていた。
悠のキャラクターの体表を青いオーラが覆っている。
コボルトは槍を構えてはいるが、悠に近づこうとしない。
いや、近づこうとはしているが、近づけないでいる。
ギルドで入手した氷の書を装備して習得したスキル『チリング』。
身体を冷気で覆い、接近するものに冷気ダメージを与える魔法攻撃だ。
「このスキルは攻防一体でいいね。乱戦になっても単独で戦えるカバースキルみたい。」
さらにファイアの魔法を使う。
杖から放たれた数個の火球がコボルトに向けて飛ぶ。
コボルトは槍を立てて防ごうとしたが、動きが鈍い。
そのまま火球をくらって、終了。
槍と共に、光に包まれていくのであった。
「そのスキル強すぎだろ。冷気ダメージと敵の行動遅延かよ。」
こんな序盤から飛び道具が使えて、攻防一体の装甲とか魔法使い優遇され過ぎでは…。
「でもMPの消費量はすごいみたいよ。チリングは効果時間中にMPが継続して減少するみたいだし…。」
そう言いながら悠は青いポーションを頭上に投げる。
ポーションは頭上で青い光となり降り注いだ。
成程、ポーションは飲むのではなく浴びるのか。
「ポーションが浴びる系なのは助かるな。飲みにくかったら困る。」
「いや、飲んでも良いみたいよ。単純にこっちのほうが使いやすいけど。」
そうだろうな、って飲めるの?
ちょっと味は気になるけど…。
そうこうしていると、コボルトが何体か姿を現す。
装備も槍ではなく、剣と盾、斧、弓など、バリエーション豊かである。
「さっきの一匹は斥候だったのか。本命が出てきたって感じだな。」
乱戦だが、さっきの通りに戦えば大丈夫だろう。
カバーしながら各個撃破だ。
悠は再び『チリング』の冷気防御を展開する。
突発的なモンスターエンカウントでも安心だ。
「行くぞ。」
悠に続いて俺も剣を構えた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ノビー(昇)
Lv :5
職業 :戦士
装備 :鉄の帽子
ガントレット
鉄の鎧
鉄の剣
鉄の盾
スキル :薙ぎ払い
ソードステップ
受け流し
ボルテージ
インサイト
アイテム:???の指輪(未鑑定)
スタートポーション×30
短刀
ブーメラン
所持金 :120G
――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ゆうゆう(悠)
Lv :7
職業 :魔法使い
装備 :とんがり帽(魔女)
布のローブ
木の杖
火の書01
氷の書01
癒しの書01
スキル :ファイア
チリング
ヒール
アイテム:スタートポーション×27
マジックポーション×6
所持金 :110G
――――――――――――――――――――――――――――
やはり装備を整えるためにギルドに引き返したのは正解だったようだ。
戦士らしさを追求したこの盾は、見事にグリーンスライムの攻撃から身を守ってくれた。
「スライム一体とはいえ、戦闘がリアルだと苦戦するな。」
先にこのゲームを始めた悠でもなかなか攻撃を当てられないでいる。
これでは先が思いやられる。
しかし、同時にふと思ったこともある。
「スキルを使えばなんとかなるんじゃないか。」
さっきは油断していたし、攻撃スキルも効果的には使えていなかった。
俺はスキルツリーを開き、確認する。
スキルツリーでは、今習得できるスキルは何か、今後どんなスキルが習得できるかのリストを見ることができる。
そこに表示されていたのは攻撃系のスキルだけではなかった。
防御系や回避系のスキル、能力値を底上げするスキルもある。
見つけるや否や、ポイントを消費してスキルを習得する。
回避スキル『ソードステップ』:刀剣系の装備時に使用可能。7%の確立で攻撃・スキルを回避。
防御スキル『受け流し』:武器・盾を装備時、12%の確立で攻撃・スキルを受け流す。
強化スキル『ボルテージ』:攻撃力を一定時間上昇。
『インサイト』:攻撃の命中率を一定時間上昇。
「ここから先は、敵の攻撃も素早くなってくる。幅広くスキルを習得しておいたほうが良いのかもな。」
バランス良くスキルを活用することが、必要になってくるのだろう。
「じゃあこっちも。」
悠もスキルツリーを開いて、設定したようだ。
「魔法使いは本でスキルを習得できるから、スキルツリーから習得できるスキルがあるなんて思わなかったな。よく気付いたよな。」
攻撃魔法以外のスキルは知らなかったようだ。
「急に難易度上がり過ぎだって思ったんだよな。流石に最序盤のクエストで、こんないやらしいフェイントしかけてくるようなモンスターを設置するとは思えない。」
俺たちはまだ、チュートリアルでしか戦闘をしていない。
俺や悠のようにチュートリアルで粘ってレベルを上げたようなプレイヤーならまだしも、サクサク進めていくプレイヤーには尚更大きなギャップだろう。
「だな。難易度のマネジメントはRPGの基本か。」
草むらからグリーンスライム、木陰から小柄な二足歩行の犬が飛び出す。
青い毛並み、俺たちよりも少し小柄な体格。
槍を構えてこちらを向く。
持っている槍は、レッサーコボルトのそれよりも切れ味がありそうだった。
「コボルトも来たな。よし、行くぞ!」
スキルオン。『ボルテージ』『インサイト』
スキルを発動してから、ダッシュで距離を詰める。
狙いはとりあえずグリーンスライムからだ。
「じゃあコッチいくね。」
悠はコチラを見て、攻撃をコボルトに絞る。
スライムは瞬時に身体を伸ばして、こちらを威嚇する。
それを見て、再びスキルを発動する。
『ソードステップ』
重心をサイドに傾け、足さばきで攻撃を躱すスキル。
威嚇体勢からスライムが体当たりを仕掛ける。
その突進射線から、身体をサイドステップで逸らす。
剣を構えたまま発動できるこのスキルは、カウンターの機会をも与えてくれる。
「よぉし、絶好球!いけぇぇぇぇ!」
剣をバット、スライムをボールのように見立て、バッティングセンターの如く横に思い切り振る。
ズシャッ!
剣撃が当たり、スライムはそのまま光に包まれて消えていく。
「これでスライムの攻略はバッチリだな。」
スキルをガン積みしているだけだが、ソロで討伐できるようになれば上々だろう。
悠の方を見る。
「うぉ、なんだそりゃ。」
悠はコボルトに向けて魔法攻撃を仕掛けていた。
悠のキャラクターの体表を青いオーラが覆っている。
コボルトは槍を構えてはいるが、悠に近づこうとしない。
いや、近づこうとはしているが、近づけないでいる。
ギルドで入手した氷の書を装備して習得したスキル『チリング』。
身体を冷気で覆い、接近するものに冷気ダメージを与える魔法攻撃だ。
「このスキルは攻防一体でいいね。乱戦になっても単独で戦えるカバースキルみたい。」
さらにファイアの魔法を使う。
杖から放たれた数個の火球がコボルトに向けて飛ぶ。
コボルトは槍を立てて防ごうとしたが、動きが鈍い。
そのまま火球をくらって、終了。
槍と共に、光に包まれていくのであった。
「そのスキル強すぎだろ。冷気ダメージと敵の行動遅延かよ。」
こんな序盤から飛び道具が使えて、攻防一体の装甲とか魔法使い優遇され過ぎでは…。
「でもMPの消費量はすごいみたいよ。チリングは効果時間中にMPが継続して減少するみたいだし…。」
そう言いながら悠は青いポーションを頭上に投げる。
ポーションは頭上で青い光となり降り注いだ。
成程、ポーションは飲むのではなく浴びるのか。
「ポーションが浴びる系なのは助かるな。飲みにくかったら困る。」
「いや、飲んでも良いみたいよ。単純にこっちのほうが使いやすいけど。」
そうだろうな、って飲めるの?
ちょっと味は気になるけど…。
そうこうしていると、コボルトが何体か姿を現す。
装備も槍ではなく、剣と盾、斧、弓など、バリエーション豊かである。
「さっきの一匹は斥候だったのか。本命が出てきたって感じだな。」
乱戦だが、さっきの通りに戦えば大丈夫だろう。
カバーしながら各個撃破だ。
悠は再び『チリング』の冷気防御を展開する。
突発的なモンスターエンカウントでも安心だ。
「行くぞ。」
悠に続いて俺も剣を構えた。
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名前 :ノビー(昇)
Lv :5
職業 :戦士
装備 :鉄の帽子
ガントレット
鉄の鎧
鉄の剣
鉄の盾
スキル :薙ぎ払い
ソードステップ
受け流し
ボルテージ
インサイト
アイテム:???の指輪(未鑑定)
スタートポーション×30
短刀
ブーメラン
所持金 :120G
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名前 :ゆうゆう(悠)
Lv :7
職業 :魔法使い
装備 :とんがり帽(魔女)
布のローブ
木の杖
火の書01
氷の書01
癒しの書01
スキル :ファイア
チリング
ヒール
アイテム:スタートポーション×27
マジックポーション×6
所持金 :110G
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