縁の鎖

禍の足音

女王陛下の再来

「と、言う事がありましたの。」
「さすが私のジュエリアね！最高だわ！」
「やっぱり、ジュエリア様は女神様です！」

と好き勝手な事を言って、囃立てるカモミーラとユーディア。
そこにサーペントの爆弾が炸裂する。


「そうだったんだね～。なんで急に問題が解決したのか。放蕩息子達は退学の上、辺境地で強制徴兵になったのか。生家が爵位降格の上、財産を半分没収されたのか。やっと繋がったよ。ジュリー姉上の直訴が、決定打だったんだね。」
「「「えっ！？」」」
「強制徴兵！？」
「財産を半分も没収！？」
「どう言うことなの？」

3人は意味が分からなかった。
前例を考えれば、爵位降格と退学職分が妥当。
なぜそれ以上の罰則、しかも刑罰が科せられているのか理解できない。


「実は秘密裏に捜査のため監視が、あの放蕩息子達に付いていたんだ。彼方此方あちらこちらで女性を手籠にして、しかも中には妊娠してしまった女性も数人いた。そこで財産を没収して、慰謝料と養育費を支払うことにしたんだ。被害者は平民の女性が多かったけど、中には男爵家・子爵家のご令嬢もいたんだよ。」
「それでは、また偶然が偶然を呼んだことになったのね。」
「ここまで来ると、ジュエリアが粛正女王の再来に感じるわね。」
「やっぱりジュエリア様は女神様だ！正義の女神ユースティティア様です！！」



いろいろ予想外なことが起きる学園生活だが、この一年で心から楽しめるようになった。
気心の知れた友人に囲まれ穏やかな日々を過ごすジュエリアに、禍わざわいが近づいているとは誰も予想できなかった。