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王太子と侍女
公爵家の行末
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「大公の罪状はジュエリア嬢の功績を持って不問とする。」
「有難き幸せでございます。」
ジェイドは最上の礼を持ってカーネリアンの判決を聞く。
「だがしかし、ここに来て罪状が増えた。魔力持ちの黙秘罪だ。だが今だに大公と婚姻関係にないのであれば、元々この国の者ではないダチュラ殿をエクスシーア王国の法で裁けぬ。大公はどの様に考えている?」
「それは…本来であれば禁固刑ですが、私の怠慢さが招いた結果である所も大きく…私では決めかねます。」
「確かに大公の撒いた種ではある。だが人の心を操る事は、例え掌握術であろうとも出来ない。では生涯この公爵領より出る事を禁じ、幽閉の身とするのはどうだろう?勿論、王家からの監視を付けさせてもらうが。」
「これ以上ない恩赦にございます!重ね重ね、感謝いたします!」
「貴男…。」
ダチュラが監獄に投獄されずに済んだことをジェイドは、自分の罪よりも重く受け止めていた。
ジェイドは十数年の自分の気持ちを、術に嵌り植え付けられたものでは無いことを自覚していた。
「では再度、判決を言い渡す!魔力持ちダチュラは公爵領にて幽閉の身とする!ジュエリア嬢は、大公の罪を軽減するため尽力した!よって今度はフィサリス嬢が実の母親のため、身の回りの世話をすること!親娘水要らずで穏やかに余生を過ご去れよ。異論はないな?」
これにて一件落着・・・と誰もが思っていた。
ただ1人を除いて。
「異論がございますぅ!私はカーネリアン様と、ご一緒に王都に行きたいですわぁ!お母様と離れるのは寂しいですが…王都に行って学園にも通って、そして…ゆくゆくはカーネリアン様のお嫁さんになりたいですわぁ!!////きゃっ////」
「・・・本来ならもう少し後で言うつもりだったのだが。この際だから言っておこう。私には国王・王妃両陛下よりある公爵令嬢を婚約者候補に挙げられている。公爵家と公爵令嬢の意向を聞き、承諾されれば正式な発表になる。」
「婚約者候補が公爵令嬢なら、私も公爵令嬢ですわぁ!なんの問題もありませんわぁ!!」
「有難き幸せでございます。」
ジェイドは最上の礼を持ってカーネリアンの判決を聞く。
「だがしかし、ここに来て罪状が増えた。魔力持ちの黙秘罪だ。だが今だに大公と婚姻関係にないのであれば、元々この国の者ではないダチュラ殿をエクスシーア王国の法で裁けぬ。大公はどの様に考えている?」
「それは…本来であれば禁固刑ですが、私の怠慢さが招いた結果である所も大きく…私では決めかねます。」
「確かに大公の撒いた種ではある。だが人の心を操る事は、例え掌握術であろうとも出来ない。では生涯この公爵領より出る事を禁じ、幽閉の身とするのはどうだろう?勿論、王家からの監視を付けさせてもらうが。」
「これ以上ない恩赦にございます!重ね重ね、感謝いたします!」
「貴男…。」
ダチュラが監獄に投獄されずに済んだことをジェイドは、自分の罪よりも重く受け止めていた。
ジェイドは十数年の自分の気持ちを、術に嵌り植え付けられたものでは無いことを自覚していた。
「では再度、判決を言い渡す!魔力持ちダチュラは公爵領にて幽閉の身とする!ジュエリア嬢は、大公の罪を軽減するため尽力した!よって今度はフィサリス嬢が実の母親のため、身の回りの世話をすること!親娘水要らずで穏やかに余生を過ご去れよ。異論はないな?」
これにて一件落着・・・と誰もが思っていた。
ただ1人を除いて。
「異論がございますぅ!私はカーネリアン様と、ご一緒に王都に行きたいですわぁ!お母様と離れるのは寂しいですが…王都に行って学園にも通って、そして…ゆくゆくはカーネリアン様のお嫁さんになりたいですわぁ!!////きゃっ////」
「・・・本来ならもう少し後で言うつもりだったのだが。この際だから言っておこう。私には国王・王妃両陛下よりある公爵令嬢を婚約者候補に挙げられている。公爵家と公爵令嬢の意向を聞き、承諾されれば正式な発表になる。」
「婚約者候補が公爵令嬢なら、私も公爵令嬢ですわぁ!なんの問題もありませんわぁ!!」
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