縁の鎖

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穏やかな日常の終わり

父と義母

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それからダチュラは事あるごとにと称して、罵倒し暴力を振るうようになった。


ある日は

「この居候!穀潰し!」

と言って。
またある日は

「目障りな!存在自体が汚らわしい!」

と言って。
また別の日は

「忌々しい!あの女と同じ顔!同じ髪!同じ肌色!お前など生きている価値はない!」

と言って。


『なぜ!?どうしてこんな事を言われなければならないの!?どうして打たれなければならないの!?私が何をしたって言うの!?私はあの小さな別邸で、あなたの前に出ないように大人しく暮らしていたじゃない!?なのに、なんで!?』

ジュエリアは罵られるたび、打たれるたび、自問自答する。
だけれど言われのない暴力は終わる事がない。


そんな中、ジェイドは領地の屋敷を捨てるように王都へ1人で向かった。

ジュエリアがダチュラから受けるを、見て見ぬ振りをして。
ダチュラを止める事も、諫める事も、ジュエリアを庇う事もせず。
ただ一言

「この家に帰るつもりはない。」

と言い残し、出て行った。


ダチュラは出て行く父に

「私は?私はいつ王都へ向かえばよろしいかしら?」
「・・・」
「ね!きいていらっしゃるの!?私とはいつ籍を入れてくださるの!?」
「・・・」
「貴男!フィサリスはどうなるのです!?私はどうなるのです!?」
「・・・」
「まさか!?このまま・・・!?私を蔑ろにするおつもりですか!?貴男!!」

何度も何度も食い下がり、もの言わぬジェイドに縋り付いていた。



ジェイドが出て行った後のは狂気が滲み出るようになっていった。

「あんたが居るからよ!あんたさえ居なければ!あんたなんて産まれてこなければよかったのよ!あの女の妊娠中に何度も流れないか祈ったのに、執念深く産まれてきて!苛立たしい!」

と言い鞭まで使われる日々になっていった。
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