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プロローグ
しおりを挟む「お義姉様!!私の結婚が決まったんですって!!」
「そう、良かったわね、メルシー」
「もぉ~すっごいハンサムなんだって!!!メルシー今からすっごく楽しみなの!!!」
「……」
「だからね!お義姉様にも一緒に着いてきて貰いたいんだけどいいかな!?」
「……え?」
私ライラ・ローゼンは、至福の読書中にいきなり押しかけてきた妹メルシーの相手を適当にあしらっていた所、聞き捨てならないセリフが聞こえた気がしてそっと下げていた顔を上げた。
「いいよね!!だってメルシーの頼みなら何でもきいてくれるもんね!!!」
キラキラと瞳を輝かせながらこの子は何を言っているのだろうと思う。
「わぁ~早く会いたいなぁ!」
パタンと本を閉じて立ち上がると、妹へと声をかけた。
「メルシー、私は王女よ、ましてや嫁ぐわけでもなく着いていくだけ、そんなことがいつまでもできるとお思いですか?」
「え?どういうこと?」
ぴょんぴょんと楽しそうにはしゃいでいた妹が私の言葉に首を傾げる。
はぁ、と1つため息をついてからもう一度噛み砕いて、この愚妹にもしっかり理解できるように説明する。
「まず一つ、ついて行くとしたらそれは長期ではまず間違いなく居られません。二つ、王女の護衛には沢山の人員と費用がかかります。三つ、私が獣人であることです」
分かりましたか?と声をかけると、??と全然分かっていないような顔をされてしまいもう何度目かも分からないため息を吐いた。
「とにかく、私はついて行くことが出来たとしても直ぐに帰りますよ、なので今までのように片付けや世話はメイドにやってもらいなさい、それが当たり前のことなのですから…私は本を読みます、分かったのなら部屋を出てお義母様と一緒に結婚式の準備を進めなさい」
結婚式という言葉に反応したのか、私の注意なんて無視して妹の意識はすっかりそっちに移ってしまい、猫が魚を見つけたようにさっさと部屋を出ていってしまった。
そして、その次の日の朝、急いで来るようにと父から伝言が届いたので支度も早々に父の元へと向かったところ、隣国へメイドとして一緒について行けと命令されてしまったのだった。
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