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短いです。

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「ジーク…私もジークが好き」

「…!!…本当かッ!」

「…でも」

私の言葉に、ジークは破顔した。
けれど、続けて口を開いた私に、ジークは固まった。


「…私はジークを信じたい、けど急にこんな…異世界に来て、番だからって言われても…どうしたらいいかわからない、不安でしょうがないの」

「…っ、それは…すまないと思ってる」

そんなことを言ったものだから、ジークは眉尻を下げ悲しそうな顔をした。
けれど私それを無視して話を続ける。


「まだ、混乱しているけど、それは時期に慣れていこうと、思ってる。だから…私がこの世界を受け入れられるまでジークに待っていて欲しい、ダメかな?」

未だ悲しい表情で俯いているジークに問いかければ、ジークはばっと顔を上げ「勿論だッ…!!」と力強く宣言し、がばっと抱きついてきた。


少々締め付けがきついものの、嫌じゃないためそのままにしておいた。



ジークの胸から肩まで頭を移動させ、改めて外を見た。

抜けるような青空の中に浮かぶ神殿のような建物、下を見れば世界樹が枝をのばし、宝石のように綺麗な葉っぱを広げていた。


それを目にして、改めて自分が異世界に来たのだと実感する。

けれど、同時に楽しみでもあった。


だから、ゆっくりと時間をかけてこの世界のことを知りたいと思い、ジークの肩口に頭を乗せて擦り寄った。



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お読みいただきありがとうございました!
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