どうやら乙女ゲー厶の世界に乱入してしまったようです～私は部外者なので竜神様とイチャコラさせてください～

これが俗に言う。

｢昨日、ようやく君を手に入れることが出来た｣

そう言って、本当に嬉しそうに微笑んだ。

｢もう、私は番が見つからないまま人で生きていかなければいけないのだと絶望したよ…｣

｢そんな…｣

(そんな、悲しいこと…)

｢でも、こうして君を見つけられた、君を私の腕のの中で抱きしめることが出来た、それが本当に嬉しかった……｣

｢……｣

｢どうか、私のそばに居てくれないだろうか、叶うならばこの先ずっと…｣

そう言って、ジークは私を見つめる。

その金色の瞳を悲しく歪ませ、今にも落ちてきそうな涙を浮かべて。




正直、ついていけない、そう思った。


ここが異世界だということにも困惑してるのに、傍にそばにいてくれと言われた。番だからと、ずっと何千年も私を探していたのだと。

はっきり言うと、ちょー嬉しい、だってずっと私を探していたなんてなんてロマンチックなの！！と思う。


けど、やっぱりいきなり過ぎて困惑が先に勝ってしまう。

そして、そんな風に私を探し、今傍にいてくれと泣いているジークを見て、私の心がぎゅっと締め付けられた。

悲しそうな顔が視界に入る度、私の胸は抉られるような痛みを覚える。

そして、貴方には笑って欲しい、泣かないで欲しいと何故だか思ってしまうのだ。


これはもう、そういう事だろう。

あれだ、よく言うやつ。


一目惚れだ。


多分だけど、で会った瞬間に私は好きになってしまったんだ。


だからこんなにも胸が締め付けられる。
好きという気持ちが溢れ出てきてしまう。




私は、小さい頃から何にも執着したことがなかった。

必要以上に友達と話さないし、話しかけない。
興味がなかったから。

好きな趣味が出来ても、物足りない気持ちが棲みつく。

何に対しても中途半端、それが私だった。




だから正直、ついていけない、そんなの冗談だと思いながらも私の心は喜んでいた。


それは何故か、私がこの人を好きになってしまったからだ。



幸い、私は捨て子だったから親はいない、特に人との関わりを持ってきたわけじゃないから、未練もない。

ちょっと残念なのは、あの先端技術や娯楽が無くなってしまうことくらい。


まぁ、それでも良いじゃないか！と心の中で決心した私は、徐に口を開いた。



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お読みいただきありがとうございました！