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復讐編
陛下、怒る
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ハルはあの時何を考えていたのでしょう?
今回はハル視点でお送り致します。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ミアを父の元に返してあげた後、私は1人寂しく王城に向かっていた。
あぁ、寂しい。
さっきからそればかりだ、だいたい私はミアとの時間が少なすぎる。
でもそれは私がいつまでも仕事を終わらせられないのと、ミアに会いにいく理由がないからだ。
本当なら毎日でも会いに行きたい。
ただそんなことをすれば、ミアに嫌われる未来しか思い浮かばない。だから何か逢いに行く理由がないかと考えていた訳だが......はぁ、私はどうしてしまったんだ?
最近はこれが悪化してきた。
ミアのことを考えると無償に会いたくなる。
ただ問題なのが、私は女性が嫌いだ。だからミアに自分から会いたいなどと思い始めたのはおかしい事なのだ。
私はミアを男だと思っているだろうか?
いや、それは流石にミアに失礼だ。
それより、今は王城に着いた際どう誤魔化すかを考えなくてはな。
✱ ✱ ✱
コンコンというノックの音の後にミアが来たことが知らされる。私はソファから立ち上がると、はドアの方を向き「入れ」と了承した。
すると、ドアがゆっくりと開き青年のような紳士が入ってきた。そしてその人物に続くようにミアが入ってきた。
いや天使だった。
光に照らされた黒髪は艶々と青にも紫にも変り光っている。陶器のように白い頬は薄いピンク色に染まり、紫紺の瞳は長い睫毛に隠れなんとも美しかった。
それに、青いドレスは時折白いレースが舞い、歩く度にふわふわと揺れていた。また、青い布には幾重にも咲く白い花々が刺繍されていた。
すごく、綺麗だ。
やっぱり私が間違っていた、こんなに綺麗な男はいない、それでなくてもこんなに綺麗な女性はいない。
あぁ、綺麗だ、それに可愛い、今日はいつもの様にストレートではなく緩い巻き毛でとても可愛い、はぁ、もうそれしか出てこない。
ミアと、多分青年のような紳士は父親(若作りすぎだろ...)がお礼を言ってきたが私はあまり上手い返しが出来なかった。
いや別に口下手な訳ではなく、ミアがあまりにも可愛いすぎるからだ。
本当に重症だ。
思わず「綺麗だ」と言うと、その小さな声を拾ったミアが照れながらお礼を言ってくる。
あぁ、ミア、君は可愛すぎやしないだろうか。
私は今日、とてもおかしくなってしまったようだ。今までほとんど会えなかった分、今日は一緒にいる時間が長いからかもそれないが...いやそれよりも、抱きしめたい、私が仕立てたドレスを見に纏い照れているミアを抱きしめたい!
と心の中で思うが、どこからか視線を感じた。
あ...
睨まれてる。それはそうか、娘に私は色目を使っていたのだから。
心苦しいがそろそろ行かなければいけないし、私はミアを見ることをやめエスコートするためにミアに手を差し出した。
✱ ✱ ✱
入口で待機し始めてから約30分くらい経った。
流石に遅すぎると思いながら、周りの様子を時折伺う。
待機せねばならない騎士やメイドは先程から消え、今はミアと私だけだった。
しかし、もうしばらく待つと漸く人が駆けてきたが、駆けてきた人物は宰相だった。
やはり何かあったらしい、宰相の息は荒くとても慌てているように思えた。
まぁいい、それより早くしろと目で合図を送ればすぐに騎士2人が扉の前にたった。
ゆっくりと扉が開き、私達ははやっと会場に入場した。
✱ ✱ ✱
我が国と友好関係にある国の大臣らと一通り話し始て、挨拶を済ませていると、ふと隣を歩くミアが気になった。
ミアは時折並べられたケーキなどに視線を向け目を輝かせていた。
可愛い...。
その小さな口に私自らケーキを食べさせてあげたい。と思いながら自然とテーブルに足が寄ってしまうがタイミング悪くまた声をかけられた。
まぁ、アイザックに宣伝をしてくださいと言われたからしない訳にもいかない。
だから私は名残惜しくもミアから視線を離し、私に声をかけたブルムンド国の第四王子と暫く話していた。
まさかそれがミアを危険な目に晒すとは知らずに。
一通り話すと私は第四王子と別れ隣にいるはずのミアに視線を向けた。
だが、そこにミアはいなかった。
「...!!」
急いで周りを見渡し、ミアを探すと、ホール中央でミアが、国王、だろうか?その国王と話していた。だが、少し、いや、結構様子がおかしい。
ダンスにしては踊っていないし、かと言ってエスコートされているミアは嫌がっているようにも見える。
それと、国王、ミアに触りすぎじゃないか?
そうこうしているうちに、国王はミアに何やら喚き始めた。そこら辺で私はなにか様子がおかしいと思いミアの元へ歩き出していた。
そして、もう少しでミアのもとにたどり着くという時、国王がミアの前に手を掲げた。
「...まさか!!」
2mほどの距離を一気につめ、国王の手首を捻りあげる。
そしてピンッと伸びた背が怯えて縮こまってしまったミアを包み込み国王を睨みつけた。
おい、お前今何しようとした...?
そしてあろうことかこいつは、私を「貴様」と言った。
ほぉ...
「貴様」とは、どの口が言う?
お前は三下で、私は大国の皇帝だ。
ミアの前だと言うのに私は抑えきれず国王に吐き捨てた。
「貴様こそ、私を誰だと思っている」
自分でも驚くほどドスの効いた声が出た。
私はそれだけ怒っているんだな、自分のことなのに不思議だ。
それでもこいつは私のことを貴様という。
こいつは国王であるにもかかわらず、参加者も、ましてやその者達を支えている私を知らないようだ。
お前がそれだけ肥えることができたのは我が国のおかげなんだがな...こいつは何も分かっていないようだ。
もう話していても疲れるだけだ。そう思いミアの肩を抱きながら先程行ったテラスへと歩き出した。
✱ ✱ ✱
急にテラスに連れてきたことを謝ると、ミアは私の頬に手をそっと触れ怒っているのかと、聞いてきた。
あぁ、怒っているよ、だって、あいつはミアに触れたからね。
だから素直にミアに怒っていることを伝えた。
「...あぁ、怒っているよ」
ただ、ミアに怒りをぶつけるのは、違う、だからまた私は謝った。
私の言葉に何を思ったのかミアを口を開いた。
だが、ミアの声は聞こえず、代わりに先ほど聞いたような男の声がした。
「陛下、ミリアーナ嬢、少しいいでしょうか!!」
私は平静を取戻し、抑揚のない声で告げた。
どうやら声をかけてきたのはこの国の宰相のようだった。
宰相曰く、私達を捕らえようとあいつが騎士を動かしたらしい。
全く迷惑なやつだな...と場違いな考えが頭を占めるが、ふと思い出す。
『陛下?もう仕事は終わりにしていいですからこちらの資料を読んでください』
と言われ、アイザックから渡された資料の内容を思い出す。
--これを早く解決してくれ。
--お願いだから早く休ませろ。
--進まない仕事をいつまでもやってないで早くこれを解決しろ。
などと陛下である私に向かってガミガミと言っていきたアイザックの言葉を思い出す。
あれは本当に私に敬う心があるのかと思うが仕事をやってくれている傍らそんなことは言えないので、ついでに解決しようと思う。
実は、前々からこの国の現状は知っていた。
だが、その証拠をどう使えば良いか分からなかったが今がその時だ。
宰相とミアに声をかけ、私はホールに向けて歩き出した。
後ろから何やら静止の声が聞こえるが、その声を無視し、国王の座からあいつを引きづり堕とすために歩き出したのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
こんなこと考えてたんだ、へぇ(棒)
最近出てこなかったから新鮮ですね。
お読みいただきありがとうございました!
※次回から新章突入です!!
今回はハル視点でお送り致します。
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ミアを父の元に返してあげた後、私は1人寂しく王城に向かっていた。
あぁ、寂しい。
さっきからそればかりだ、だいたい私はミアとの時間が少なすぎる。
でもそれは私がいつまでも仕事を終わらせられないのと、ミアに会いにいく理由がないからだ。
本当なら毎日でも会いに行きたい。
ただそんなことをすれば、ミアに嫌われる未来しか思い浮かばない。だから何か逢いに行く理由がないかと考えていた訳だが......はぁ、私はどうしてしまったんだ?
最近はこれが悪化してきた。
ミアのことを考えると無償に会いたくなる。
ただ問題なのが、私は女性が嫌いだ。だからミアに自分から会いたいなどと思い始めたのはおかしい事なのだ。
私はミアを男だと思っているだろうか?
いや、それは流石にミアに失礼だ。
それより、今は王城に着いた際どう誤魔化すかを考えなくてはな。
✱ ✱ ✱
コンコンというノックの音の後にミアが来たことが知らされる。私はソファから立ち上がると、はドアの方を向き「入れ」と了承した。
すると、ドアがゆっくりと開き青年のような紳士が入ってきた。そしてその人物に続くようにミアが入ってきた。
いや天使だった。
光に照らされた黒髪は艶々と青にも紫にも変り光っている。陶器のように白い頬は薄いピンク色に染まり、紫紺の瞳は長い睫毛に隠れなんとも美しかった。
それに、青いドレスは時折白いレースが舞い、歩く度にふわふわと揺れていた。また、青い布には幾重にも咲く白い花々が刺繍されていた。
すごく、綺麗だ。
やっぱり私が間違っていた、こんなに綺麗な男はいない、それでなくてもこんなに綺麗な女性はいない。
あぁ、綺麗だ、それに可愛い、今日はいつもの様にストレートではなく緩い巻き毛でとても可愛い、はぁ、もうそれしか出てこない。
ミアと、多分青年のような紳士は父親(若作りすぎだろ...)がお礼を言ってきたが私はあまり上手い返しが出来なかった。
いや別に口下手な訳ではなく、ミアがあまりにも可愛いすぎるからだ。
本当に重症だ。
思わず「綺麗だ」と言うと、その小さな声を拾ったミアが照れながらお礼を言ってくる。
あぁ、ミア、君は可愛すぎやしないだろうか。
私は今日、とてもおかしくなってしまったようだ。今までほとんど会えなかった分、今日は一緒にいる時間が長いからかもそれないが...いやそれよりも、抱きしめたい、私が仕立てたドレスを見に纏い照れているミアを抱きしめたい!
と心の中で思うが、どこからか視線を感じた。
あ...
睨まれてる。それはそうか、娘に私は色目を使っていたのだから。
心苦しいがそろそろ行かなければいけないし、私はミアを見ることをやめエスコートするためにミアに手を差し出した。
✱ ✱ ✱
入口で待機し始めてから約30分くらい経った。
流石に遅すぎると思いながら、周りの様子を時折伺う。
待機せねばならない騎士やメイドは先程から消え、今はミアと私だけだった。
しかし、もうしばらく待つと漸く人が駆けてきたが、駆けてきた人物は宰相だった。
やはり何かあったらしい、宰相の息は荒くとても慌てているように思えた。
まぁいい、それより早くしろと目で合図を送ればすぐに騎士2人が扉の前にたった。
ゆっくりと扉が開き、私達ははやっと会場に入場した。
✱ ✱ ✱
我が国と友好関係にある国の大臣らと一通り話し始て、挨拶を済ませていると、ふと隣を歩くミアが気になった。
ミアは時折並べられたケーキなどに視線を向け目を輝かせていた。
可愛い...。
その小さな口に私自らケーキを食べさせてあげたい。と思いながら自然とテーブルに足が寄ってしまうがタイミング悪くまた声をかけられた。
まぁ、アイザックに宣伝をしてくださいと言われたからしない訳にもいかない。
だから私は名残惜しくもミアから視線を離し、私に声をかけたブルムンド国の第四王子と暫く話していた。
まさかそれがミアを危険な目に晒すとは知らずに。
一通り話すと私は第四王子と別れ隣にいるはずのミアに視線を向けた。
だが、そこにミアはいなかった。
「...!!」
急いで周りを見渡し、ミアを探すと、ホール中央でミアが、国王、だろうか?その国王と話していた。だが、少し、いや、結構様子がおかしい。
ダンスにしては踊っていないし、かと言ってエスコートされているミアは嫌がっているようにも見える。
それと、国王、ミアに触りすぎじゃないか?
そうこうしているうちに、国王はミアに何やら喚き始めた。そこら辺で私はなにか様子がおかしいと思いミアの元へ歩き出していた。
そして、もう少しでミアのもとにたどり着くという時、国王がミアの前に手を掲げた。
「...まさか!!」
2mほどの距離を一気につめ、国王の手首を捻りあげる。
そしてピンッと伸びた背が怯えて縮こまってしまったミアを包み込み国王を睨みつけた。
おい、お前今何しようとした...?
そしてあろうことかこいつは、私を「貴様」と言った。
ほぉ...
「貴様」とは、どの口が言う?
お前は三下で、私は大国の皇帝だ。
ミアの前だと言うのに私は抑えきれず国王に吐き捨てた。
「貴様こそ、私を誰だと思っている」
自分でも驚くほどドスの効いた声が出た。
私はそれだけ怒っているんだな、自分のことなのに不思議だ。
それでもこいつは私のことを貴様という。
こいつは国王であるにもかかわらず、参加者も、ましてやその者達を支えている私を知らないようだ。
お前がそれだけ肥えることができたのは我が国のおかげなんだがな...こいつは何も分かっていないようだ。
もう話していても疲れるだけだ。そう思いミアの肩を抱きながら先程行ったテラスへと歩き出した。
✱ ✱ ✱
急にテラスに連れてきたことを謝ると、ミアは私の頬に手をそっと触れ怒っているのかと、聞いてきた。
あぁ、怒っているよ、だって、あいつはミアに触れたからね。
だから素直にミアに怒っていることを伝えた。
「...あぁ、怒っているよ」
ただ、ミアに怒りをぶつけるのは、違う、だからまた私は謝った。
私の言葉に何を思ったのかミアを口を開いた。
だが、ミアの声は聞こえず、代わりに先ほど聞いたような男の声がした。
「陛下、ミリアーナ嬢、少しいいでしょうか!!」
私は平静を取戻し、抑揚のない声で告げた。
どうやら声をかけてきたのはこの国の宰相のようだった。
宰相曰く、私達を捕らえようとあいつが騎士を動かしたらしい。
全く迷惑なやつだな...と場違いな考えが頭を占めるが、ふと思い出す。
『陛下?もう仕事は終わりにしていいですからこちらの資料を読んでください』
と言われ、アイザックから渡された資料の内容を思い出す。
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--お願いだから早く休ませろ。
--進まない仕事をいつまでもやってないで早くこれを解決しろ。
などと陛下である私に向かってガミガミと言っていきたアイザックの言葉を思い出す。
あれは本当に私に敬う心があるのかと思うが仕事をやってくれている傍らそんなことは言えないので、ついでに解決しようと思う。
実は、前々からこの国の現状は知っていた。
だが、その証拠をどう使えば良いか分からなかったが今がその時だ。
宰相とミアに声をかけ、私はホールに向けて歩き出した。
後ろから何やら静止の声が聞こえるが、その声を無視し、国王の座からあいつを引きづり堕とすために歩き出したのだった。
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こんなこと考えてたんだ、へぇ(棒)
最近出てこなかったから新鮮ですね。
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