15 / 53
帝国編
陛下、令嬢を助ける
しおりを挟む
ハル視点も今日で最後です。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
いったい彼女はどこへ向かって走っていったんだ?あれから暫く探しているが一向に見つからない。このまま見つからないとなるとまずいな。
なんせ最近人攫いが相次いで何かと物騒なんだ、
それもこれも帝国に流通経路を確保しようとしている奴らのせいだが、はやく始末しなければな。
しかし、このまま探したところで見つかるのか?
もしかしたら彼女は宿にでも帰っているんじゃないか?
いや、そんなことを言って、もし攫われでもしていたら大変だ。安易な考え方は辞めるべきだ。
だが、やはりどうしたら...闇雲に探したところで恐らく見つからない、となると街の警備兵にも手伝って貰った方が良いかもな、1人で探すより確実に効率がいいからな。
そんな事を考えていると、ふと街の路地から数人の男達が出てくるところを見かけた。
こんな時間に何をしているんだ?
あたりを見回せば当然、こんな時間に出歩く者もいないため、私以外に誰も居なかった。それなのにあいつらはなんの為にあそこに居るんだ?
やはり怪しいな、付けてみるか。
あの男達に気づかれないように壁に寄り視覚になるような場所まで移動した。
すると男達は狭い路地に入っていき、何とも怪しい路地に出た。そこはお店などはなく只只古びた宿のような、家のような物ばかりで、街の中で見るレンガ造りではなくどれも木造の物で所々が腐っていた。
こんな所があったとはな...
びっくりしたものの男達は止まらないので、尾行を続ける。しかし、ふと男達が周り警戒し始めたため、慌てて物陰に隠れた。誰もいないと判断したのか男達はひとつの古びだ二階建ての建物に入っていった。
ここか?
いったい何をしているんだ?
さっきから見ていたがどうにもあの男達の行動は不可解な点が多すぎる。何かを隠していますと言っているようなものだ。やるとしたらバレないようにしろ。ってそうじゃないか...。
まぁそれは置いといて、このまま1人では何かあった時対処ができない。だから一先ずは警備兵を数人連れてこよう。今は数人が起きて警備しているはずだ、大事な睡眠時間を奪うことになるが、これも仕事だ。済まないが今起きているものを連れてくるとしようか。
✱ ✱ ✱
一先ず数人の警備兵を連れてきた。
そして今はあの怪しい男達が入って行った建物の様子を見ているところだった。
「5分後に決行しよう」
「ご、5分後ですか!?」
「あぁ、きっとあいつらは朝が明ける前に動くはずだ。今は深夜、あいつらだって人間だ、今頃作戦を立てるなり、寝るなり好きにしているだろう、だからそこをつくぞ」
「「「はっ」」」
兵達は出来るだけ声を抑え、キレのいい返事をした。
「時間だ」
私は兵を一旦その場に残し、1人で建物に向かった。そして、埃の被った窓から中を覗き込むと、予想通り先程の男達とあと数名の男達がテーブルに置かれたランプを囲み何やら話し合っていた。
これは1人では無理だな。
私は後ろに控えている兵達に合図をし此方に近づいてきてもらった。
「中に5人ほどいる、恐らく上に何人か逃げるはずだ、私はそいつらを捕まえる。残りの者達は任せだぞ」
「「はっ」」
「了解しました!」
静かに扉を開け、数秒様子を見て突撃した...!
「何だ!?」
「おい、どうなってる!」
「まさか、バレたのか!?」
「うわぁ、助けてくれ!!」
やはり、何かよからぬ事を企んでいたようだ。
「あとは頼んだぞ!!」
「「はい!!」」
予想通り数名が上に逃げたようだが、上に逃げるなど全く馬鹿だな。
「うわぁ!来るな!」
躍起になった男が飛びかかってくるがそらを躱し、逆に頭を掴み、壁に押さえつける。
それを見ていた男も防衛本能が働いたのか、はたまたやけになったのか、同じく飛びかかってきたが、それも難なく躱し、今度は回し蹴りで鳩尾を殴った。少々手荒だが仕方がない。
あの部屋にも誰か居るな。
どうやら、今の音で2階に居た者も騒ぎに気づき始めたようだ。1人だが仕方ない、行くか。
バンっ!!!
「なんだ!?」
もろい扉だな。そのせいで男達が余計に慌て始めてしまったぞ。
私はすかさず1人の男の意識を奪うと、続けて隣の男も同じように意識を借りとった。
そして当たり前のように前を向いた、が。
え?
そんな、まさか...
目の前には先程まで必死に探していた彼女が、いた。下を向いてはいるものの、あの綺麗な黒髪は彼女しかいない。
まさか、捕まっていたなんて。
今になりあの男達への怒りがふつふつと湧き上がり、行き場のない怒りをどうしようか考えていると、彼女がゆっくりと顔を上げた。
彼女は暗闇に目が慣れていないせいかキョロキョロと視線をさ迷わせていた。
「無事か?」
取り敢えず声をかけてみる。
しかし、彼女の目に移る思いは驚愕と、私に対しての疑惑のようなものを向けられた、気がした。無理もない、こんな事をされて素直に人を信じられるはずがない。だが、もう大丈夫だ、私はお前の見方だ。だからそんな目で見ないで。私は絶対君を傷つけないよ。
ゆっくりと彼女のもとへと駆け寄り、もう一度声をかけた。
最初こそ警戒されされてはいたが、話していくうちに次第に緊張も溶けていき、店であ会った私だと気づいてくれたようだった。
だが、緊張が溶けた彼女の大きな瞳から、涙がひとつ、またひとつと零れ始めたのだ。またしはそれを見て慌てた。
そして、彼女が安心できるように抱きしめた。
なんて華奢なんだ...それにぎゅっと弱いながらも力強く握る手が私を離さない、思わず守ってやりたくなるほど庇護欲を注がれる。
彼女は、なんと言うか、可愛いな。
今まで女とははっきり言うと煩わしいものだった。必要以上に香水を付け、下品にも肌を露出させ擦り寄ってくる、そんな女どもばかりだった。だから私は昔から貴族の令嬢は苦手だ。
だが、彼女は違った、一見貴族の様でいて貴族らしくなかった。ほんの少しの間しか一緒に居なかったが、あの時間だけで私は君のことを相当気に入ったようだ。
腕の中でスヤスヤと眠る顔は幼く、それでいて綺麗で見ていて飽きない。あの綺麗なアメジストの瞳は今は瞼で隠されている。見たいとは思うが、今は寝かせておいてあげよう。
ミア、君が起きたら真っ先におはようを言いに行くよ。
さて、城に帰ったらあいつにどう説明するか。
色々説明することになるだろうが、まぁいいだろう、何せ今日はひとつ仕事を終わらせたからな。きっとあいつも喜ぶはずだ。
まさか、人身売買の組織が見つかるなんてな、これを土産に持ってけば機嫌も良くなるだろう。
私は呑気にもそんな事を考えてはいたが、事態はそんな軽く済むはずもなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
次回はなんとアイザック視点です!
そんな登場してないんですがw
まぁ、お楽しみに!
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
いったい彼女はどこへ向かって走っていったんだ?あれから暫く探しているが一向に見つからない。このまま見つからないとなるとまずいな。
なんせ最近人攫いが相次いで何かと物騒なんだ、
それもこれも帝国に流通経路を確保しようとしている奴らのせいだが、はやく始末しなければな。
しかし、このまま探したところで見つかるのか?
もしかしたら彼女は宿にでも帰っているんじゃないか?
いや、そんなことを言って、もし攫われでもしていたら大変だ。安易な考え方は辞めるべきだ。
だが、やはりどうしたら...闇雲に探したところで恐らく見つからない、となると街の警備兵にも手伝って貰った方が良いかもな、1人で探すより確実に効率がいいからな。
そんな事を考えていると、ふと街の路地から数人の男達が出てくるところを見かけた。
こんな時間に何をしているんだ?
あたりを見回せば当然、こんな時間に出歩く者もいないため、私以外に誰も居なかった。それなのにあいつらはなんの為にあそこに居るんだ?
やはり怪しいな、付けてみるか。
あの男達に気づかれないように壁に寄り視覚になるような場所まで移動した。
すると男達は狭い路地に入っていき、何とも怪しい路地に出た。そこはお店などはなく只只古びた宿のような、家のような物ばかりで、街の中で見るレンガ造りではなくどれも木造の物で所々が腐っていた。
こんな所があったとはな...
びっくりしたものの男達は止まらないので、尾行を続ける。しかし、ふと男達が周り警戒し始めたため、慌てて物陰に隠れた。誰もいないと判断したのか男達はひとつの古びだ二階建ての建物に入っていった。
ここか?
いったい何をしているんだ?
さっきから見ていたがどうにもあの男達の行動は不可解な点が多すぎる。何かを隠していますと言っているようなものだ。やるとしたらバレないようにしろ。ってそうじゃないか...。
まぁそれは置いといて、このまま1人では何かあった時対処ができない。だから一先ずは警備兵を数人連れてこよう。今は数人が起きて警備しているはずだ、大事な睡眠時間を奪うことになるが、これも仕事だ。済まないが今起きているものを連れてくるとしようか。
✱ ✱ ✱
一先ず数人の警備兵を連れてきた。
そして今はあの怪しい男達が入って行った建物の様子を見ているところだった。
「5分後に決行しよう」
「ご、5分後ですか!?」
「あぁ、きっとあいつらは朝が明ける前に動くはずだ。今は深夜、あいつらだって人間だ、今頃作戦を立てるなり、寝るなり好きにしているだろう、だからそこをつくぞ」
「「「はっ」」」
兵達は出来るだけ声を抑え、キレのいい返事をした。
「時間だ」
私は兵を一旦その場に残し、1人で建物に向かった。そして、埃の被った窓から中を覗き込むと、予想通り先程の男達とあと数名の男達がテーブルに置かれたランプを囲み何やら話し合っていた。
これは1人では無理だな。
私は後ろに控えている兵達に合図をし此方に近づいてきてもらった。
「中に5人ほどいる、恐らく上に何人か逃げるはずだ、私はそいつらを捕まえる。残りの者達は任せだぞ」
「「はっ」」
「了解しました!」
静かに扉を開け、数秒様子を見て突撃した...!
「何だ!?」
「おい、どうなってる!」
「まさか、バレたのか!?」
「うわぁ、助けてくれ!!」
やはり、何かよからぬ事を企んでいたようだ。
「あとは頼んだぞ!!」
「「はい!!」」
予想通り数名が上に逃げたようだが、上に逃げるなど全く馬鹿だな。
「うわぁ!来るな!」
躍起になった男が飛びかかってくるがそらを躱し、逆に頭を掴み、壁に押さえつける。
それを見ていた男も防衛本能が働いたのか、はたまたやけになったのか、同じく飛びかかってきたが、それも難なく躱し、今度は回し蹴りで鳩尾を殴った。少々手荒だが仕方がない。
あの部屋にも誰か居るな。
どうやら、今の音で2階に居た者も騒ぎに気づき始めたようだ。1人だが仕方ない、行くか。
バンっ!!!
「なんだ!?」
もろい扉だな。そのせいで男達が余計に慌て始めてしまったぞ。
私はすかさず1人の男の意識を奪うと、続けて隣の男も同じように意識を借りとった。
そして当たり前のように前を向いた、が。
え?
そんな、まさか...
目の前には先程まで必死に探していた彼女が、いた。下を向いてはいるものの、あの綺麗な黒髪は彼女しかいない。
まさか、捕まっていたなんて。
今になりあの男達への怒りがふつふつと湧き上がり、行き場のない怒りをどうしようか考えていると、彼女がゆっくりと顔を上げた。
彼女は暗闇に目が慣れていないせいかキョロキョロと視線をさ迷わせていた。
「無事か?」
取り敢えず声をかけてみる。
しかし、彼女の目に移る思いは驚愕と、私に対しての疑惑のようなものを向けられた、気がした。無理もない、こんな事をされて素直に人を信じられるはずがない。だが、もう大丈夫だ、私はお前の見方だ。だからそんな目で見ないで。私は絶対君を傷つけないよ。
ゆっくりと彼女のもとへと駆け寄り、もう一度声をかけた。
最初こそ警戒されされてはいたが、話していくうちに次第に緊張も溶けていき、店であ会った私だと気づいてくれたようだった。
だが、緊張が溶けた彼女の大きな瞳から、涙がひとつ、またひとつと零れ始めたのだ。またしはそれを見て慌てた。
そして、彼女が安心できるように抱きしめた。
なんて華奢なんだ...それにぎゅっと弱いながらも力強く握る手が私を離さない、思わず守ってやりたくなるほど庇護欲を注がれる。
彼女は、なんと言うか、可愛いな。
今まで女とははっきり言うと煩わしいものだった。必要以上に香水を付け、下品にも肌を露出させ擦り寄ってくる、そんな女どもばかりだった。だから私は昔から貴族の令嬢は苦手だ。
だが、彼女は違った、一見貴族の様でいて貴族らしくなかった。ほんの少しの間しか一緒に居なかったが、あの時間だけで私は君のことを相当気に入ったようだ。
腕の中でスヤスヤと眠る顔は幼く、それでいて綺麗で見ていて飽きない。あの綺麗なアメジストの瞳は今は瞼で隠されている。見たいとは思うが、今は寝かせておいてあげよう。
ミア、君が起きたら真っ先におはようを言いに行くよ。
さて、城に帰ったらあいつにどう説明するか。
色々説明することになるだろうが、まぁいいだろう、何せ今日はひとつ仕事を終わらせたからな。きっとあいつも喜ぶはずだ。
まさか、人身売買の組織が見つかるなんてな、これを土産に持ってけば機嫌も良くなるだろう。
私は呑気にもそんな事を考えてはいたが、事態はそんな軽く済むはずもなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
次回はなんとアイザック視点です!
そんな登場してないんですがw
まぁ、お楽しみに!
1
お気に入りに追加
3,011
あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

婚約者を親友に盗られた上、獣人の国へ嫁がされることになったが、私は大の動物好きなのでその結婚先はご褒美でしかなかった
雪葉
恋愛
婚約者である第三王子を、美しい外見の親友に盗られたエリン。まぁ王子のことは好きでも何でもなかったし、政略結婚でしかなかったのでそれは良いとして。なんと彼らはエリンに「新しい縁談」を持ってきたという。その嫁ぎ先は“獣人”の住まう国、ジュード帝国だった。
人間からは野蛮で恐ろしいと蔑まれる獣人の国であるため、王子と親友の二人はほくそ笑みながらこの縁談を彼女に持ってきたのだが────。
「憧れの国に行けることになったわ!! なんて素晴らしい縁談なのかしら……!!」
エリンは嫌がるどころか、大喜びしていた。
なぜなら、彼女は無類の動物好きだったからである。
そんなこんなで憧れの帝国へ意気揚々と嫁ぎに行き、そこで暮らす獣人たちと仲良くなろうと働きかけまくるエリン。
いつも明るく元気な彼女を見た周りの獣人達や、新しい婚約者である皇弟殿下は、次第に彼女に対し好意を持つようになっていく。
動物を心底愛するが故、獣人であろうが何だろうがこよなく愛の対象になるちょっとポンコツ入ってる令嬢と、そんな彼女を見て溺愛するようになる、狼の獣人な婚約者の皇弟殿下のお話です。
※他サイト様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる