国を追い出された令嬢は帝国で拾われる

氷雨

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帝国編

令嬢、捕まる

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文章を少し直しました。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「先程は助けていただきどうもありがとうございました!」

「私からもお礼を言わせてください!どうもありがとうございました!それと、あの時はとっても緊張してたんですけどミリアーナさんのお陰で気持ちよく演奏出来ました!!」


「だから、ありがとうございます!」と目の前の彼女ヘレナに言われた。隣には涙を流して胸の前で腕を組んだ男性ジーンがこちらを神でも拝んでいるように見ていた。


「そんな!私の方こそ気持ちよく演奏出来てとても楽しかったです!だからお愛顧です!」


そう言えばヘレナはカッと目を見開き

「いえ!言わせてください!」と抗議してきた。

「私達実は今日初めてのこのお店で演奏させてもらったんです!だから、初日から問題を回避できたのはミリアーナさんが助けてくれたおかげなんです!」


「そうだったんですね!それは良いことをしました」

「はい、本当にありがとうございました」

ヘレナがそういった後に続けて言葉が聞こえた。


「良かったな」

「......」


一瞬えっ、と驚くが先程の出来事を思い出して冷静になる。


実は先程から私を逃がさないと豪語しやがりました人が、今もなを私の手を掴んで離しません。それに、ちゃっかり隣に移動してきたと思えばピッタリと隣にくっつき離れないしまつ...


一体なんなんですの!?
暑苦しいですわよ!!離しなさいな!


だいたい、ヘレナさんと、ジーンさんが来ているんだから誤解を招くようなことはしないで下さる?



恨みがまじく彼を見れば

「なんだ?私の顔になにか着いているのか?」

と言われ。私ははぁとため息を吐いた。
まったくなんでこの人はこうも堂々としているのかしら?自分が何をしているのか分かってやってるのかしら?

「......いえ、そうじゃないわ」

私が色々な言葉を飲み込み意味ありげに答えると正面に座っているジーンから声をかけられた。

「あの~ミリアーナさん、そちらの方は?」

「私の大事な人だ」

即答だった。

「はあぁ!?」

これには私も驚いた。もうさっきの比じゃない!

彼は何を言ってますの!?だ、だ、だ、大事な人って、私達はまだ会って間もないのですよ!?なのに大事な人だあぁあ!?

「頭は確かですの!?」

思わず叫ぶと、

「確かだが」

となんの躊躇もなく返答してくる。

「良かったわ、頭はまだ正常なようねって......は!?」

「さっきから失礼ではないか?」

「そんなの知りませんわ!!」

もうこの人の頭はどうなっているの!?


頭が少しプチパニックを起こした私はつい「もう帰ります!!」と思わず口走り早足に店を出た。後ろから「ミリアーナさん!どこに行くんですか!?」とか「まだお礼ができてません、待ってください!」とかって声が聞こえたけど、そんなの知らないわ!


なんだか これ、あの夜会の時のようね...


そんなことを考えていても、足は止まってくれず知らないうちに街の薄暗い路地へと来ていた。


まずいわ...道が分からない。
それに宿もまだ取ってないし、このままだと夜があかせない!どうしましょ!

辺りに人は居ないし、本当にどうしよう!


それに、結局パスタ一口も食べてないじゃない!!お金だって払ってないし!


やっぱり戻った方がいいかしら?
でも、戻ったらあの人がまた何かしてくるかもだし、でもお金は払わなきゃだし...



えぇぇい!!もう、なるようになれ!

そう心の中で叫ぶと同時に来た道を必死に思い出しながら店へと足を走らせた。




✱ ✱ ✱


「ここ、あのお店じゃないわ...」


周りに人がチラホラいるものの、殆どは店仕舞いをしている人達で、普通の通勤客は見かけられない。辺りも先程より明るい場所に出たがそれでもあまり変わらなかった。



「ねぇ、そこのお嬢ちゃん」

え?と思い後ろを振り返ると柄の悪そうな男の人達が顔に笑顔を貼り付け下劣な目で此方を見ていた。


「迷子?俺達が教えてあげようか」


そう言ったと思ったらいきなり此方に近づいてきくる。

反射的に体が後ろへと引っ張られ、知らぬ間に逃げの体勢をとる。


「おいおい待てよ、なんで逃げようとしてんだ?俺らと一緒に遊ぼーぜ?」


「い、やだ...」


「あ?」


「嫌よ!」

私は自分を鼓舞する様に叫ぶとその場に背を向け走り出した....が、


「おいおい、逃げるなって」

そう言った男が私の腕をきつく掴んだ。

痛っ...


それを見ていた他の数名の人達が傍観を辞めたのか此方に近づいてくる。そしてあっという間に囲まれてしまった。


いやだ、嫌だ!
怖い、帰りたい...

「お願い、します、離して、ください...」

必死に懇願してみるが声が震えている。
足だって立っているのがやっとだ...

どうしたらいいの?
私はこのままどうなるの?

そんな事ばかりが頭に浮かびたった数秒の中でありえないほど頭が嫌な方へ嫌な方へと思考が働く。


目の前には下劣な笑みを浮かべた男の人達...
きもち、わるいわ...


逃げたい...逃げたいのに足が動かない、力がないから腕を振り解けない...


もう、だめなんだわ...

お父様、ごめんなさい...最後に心の中でもう会えなくなってしまったただ1人の肉親に思いを告げる。


「へへ、やっと大人しくなったぜ」

「あぁ、今のうちに連れていくか」

「おいおい、お前だけで独り占めすんなよ!」


私が抵抗をやめると、目の前の人達は私を拘束して何処へ連れていった。

人気のない薄暗い路地に入った時点で確信がもてた。こいつらは、何かをやっている裏柄の人間だ。そう、直感的に悟った。

何を、されるんだろう?

恐怖で心が押しつぶされる。


「おい、中に入れ」

「......」

我が身可愛さについ従ってしまう。
そんな私を見て気分がいいのかこいつ等は上機嫌だ。


「おい、こいつどうする?」

「下手に傷を付けるとあちら側に何か言われるぞ」

「そうだったな、こいつは商品だったぜ」

「あぁ、久々に見つけた上玉だ、絶対手は出すなよ?」

「あぁ、分かった」


男達が何やら話しているが、今の私にはどうでもよかった...もう、どうでも良くなったのだ。

1人で他国に来て助けてなんて言ったところで私の知り合いはいない...助けは来ないのよ。

下手に期待したってだめなんだ...

そう自分に言い聞かせ、俯いた。


暫くぼーと何を考えるでもなく床を見ていた。
今私は机の椅子に手を押さえつけられ縄で巻かれているため、床にぺたりと座り込んでいる状態だ。


「おい、いつ頃出る」

「夜が開ける前には出るてもりだ」

「大丈夫なのか?」

「あぁ、ルートは確保してる、今夜決行すぞ」

「あぁ、分かった」

「なぁ、下の方騒がしくねーか?」

「確かに何か変だな」


その時、


バンッ!!!


と勢い良く扉が吹っ飛ばされた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

嘘です。結構文章いじりました。
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