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第二章 トスタ村へ
旅立ち 2
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「そろそろ出ないと遅れますよ」
待ちかねた御者が堪らず声を掛けた。
「すいません、いきなり遅刻はまずいですよね」
アイマールは慌てて馬車に乗り込んだ。
「手紙を書くんだよ」と母のアルメイダ
「分かったよ。じゃ行ってくる!」アイマールは馬車の扉を閉めた。
「……それじゃ出します。」 と、帽子をかぶった御者さんが馬に軽くムチをいれる
「パシッ!パシッ!」乾いた音と共についにゆっくりと馬車は動き出した。
家族の声がだんだん小さくなりやがて聞こえなくなった。
木々に囲まれた曲がりくねった細い道を馬車は進んだ。
山の中の小さな小屋がみるみる遠ざかっていく。
馬車が見えなくなるまで手を振る家族。背中を向けていたはずの父がこっちを向いて大きく手を振っているのが見えて少し泣きそうになった。
「行ってきま~す!」
アイマールも馬車の窓から身を乗り出して大きく手を振った。しかし大きな曲がり角に差し掛かり家族の姿は見えなくなった。
「……アイマールの奴本当に行っちまいやがった」
息子の乗った馬車を見送った父、サムエルの表情は暗い。
「いつかこんな日が来るとは思っていたが……まさか冒険者になるなんて言い出すとはな……」
「フー…」 とパイプの煙を吐く。
「血は争えないわね。あなたのお父さんも冒険者だったじゃない」
母のアルメイダはまだ涙が止まらない。
「ああ、とても勇敢な戦士だった」
このことはアイマールには秘密だった。息子が冒険者に興味を持つのが怖かったからだ。
「あの子を一生この村の中に閉じ込めるのかわいそうだわ」
「分かってる……心配だがこれで良かったと思うしかない」 とサムエル。
「ああ見えてアイマールは強い子よ、あの子を信じましょう」
「そうだな」 サムエルはアルメイダの肩を抱いた。
いつもと違う様子を心配して娘のルカが寄り添う二人の間にもぐりこんできた。
三人はアイマールが旅立った雲一つない蒼天の東の空をいつまでも眺めていた。
待ちかねた御者が堪らず声を掛けた。
「すいません、いきなり遅刻はまずいですよね」
アイマールは慌てて馬車に乗り込んだ。
「手紙を書くんだよ」と母のアルメイダ
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「……それじゃ出します。」 と、帽子をかぶった御者さんが馬に軽くムチをいれる
「パシッ!パシッ!」乾いた音と共についにゆっくりと馬車は動き出した。
家族の声がだんだん小さくなりやがて聞こえなくなった。
木々に囲まれた曲がりくねった細い道を馬車は進んだ。
山の中の小さな小屋がみるみる遠ざかっていく。
馬車が見えなくなるまで手を振る家族。背中を向けていたはずの父がこっちを向いて大きく手を振っているのが見えて少し泣きそうになった。
「行ってきま~す!」
アイマールも馬車の窓から身を乗り出して大きく手を振った。しかし大きな曲がり角に差し掛かり家族の姿は見えなくなった。
「……アイマールの奴本当に行っちまいやがった」
息子の乗った馬車を見送った父、サムエルの表情は暗い。
「いつかこんな日が来るとは思っていたが……まさか冒険者になるなんて言い出すとはな……」
「フー…」 とパイプの煙を吐く。
「血は争えないわね。あなたのお父さんも冒険者だったじゃない」
母のアルメイダはまだ涙が止まらない。
「ああ、とても勇敢な戦士だった」
このことはアイマールには秘密だった。息子が冒険者に興味を持つのが怖かったからだ。
「あの子を一生この村の中に閉じ込めるのかわいそうだわ」
「分かってる……心配だがこれで良かったと思うしかない」 とサムエル。
「ああ見えてアイマールは強い子よ、あの子を信じましょう」
「そうだな」 サムエルはアルメイダの肩を抱いた。
いつもと違う様子を心配して娘のルカが寄り添う二人の間にもぐりこんできた。
三人はアイマールが旅立った雲一つない蒼天の東の空をいつまでも眺めていた。
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