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最近、ユリウス王子は編入生に付きっきりになり、アリーシアはのんびりする事ができていた。

でも、周りではアリーシアがディアナを虐めている噂が広がっていた。

『(虐めて居ないのに何処からそんな噂が流れているのかしら。馬鹿馬鹿しい事をしている暇があるなら勉強した方が良いのに。)』

図書室でいつも通り過ごしていると、ユリウス王子が入って来た。

「アリーシア、聞きたい事がある。」

『?何でしょうか?まさか噂の事ですか?』

「本当に…しているのか?」

ユリウス王子は顔を少し硬らせた。

『する訳ないじゃ無いですか。する理由がありませんもの。』

「そう…なんだ。」

ユリウス王子は目に見えて肩を落として居た。

『私が嫉妬してやったと思われたのですか?心外ですわ!貴方様がよく知ってらっしゃるじゃ無いですか?私は貴方様から逃げたいのです。』

「うん、そうだったな。逃がさないけどな。アリーシアは俺のだ、他の誰でも無い、俺のアリーシアだ。」

ユリウス王子はアリーシアを抱きしめて言った。

アリーシアはユリウス王子の様子がいつもと違う様な感じがした。

『ユリウス殿下?何かございましたか?私に話してはくれませんか?一緒に解決方法を探しますわ。』

「あぁぁぁ、アリーシアのそう言うところ大好きだよ!」

ユリウス王子の声が大きく周りから視線を感じた。

『ユリウス殿下、一旦此処を出ましょう。皆さん邪魔になって居ます。』

アリーシアは荷物をまとめ、図書室から出た。

「ごめんね。さっきまで、ディアナ・ノワール男爵令嬢と一緒に居たんだ。彼女からアリーシアの香りがして、頭にモヤがかかった様になって、彼女を悲しませてはいけないと思わされてしまったんだが、彼女をアリーシアが嫌がらせされたと聞いた時、モヤが晴れてアリーシアの事しか考えられなくなった。それで俺はアリーシアが嫉妬してくれたのかもと思って居たんだ。」

『殿下って昔からですが、恥ずかしげも無くそんな事言えますわね!』

アリーシアはユリウス王子に見えない様に顔を荷物で隠して居た。

「照れてるのか?アリーシア。耳まで赤いぞ。」

アリーシアは耳を隠す為に顔から荷物離した。

ユリウス王子にとってそれはレアな事でアリーシアの腕を掴み抱き寄せた。

「俺以外にその顔は絶対に見せたら駄目だ。見せたら許さないからな。」

ユリウス王子は抱き寄せたアリーシアの耳元で囁いた。
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