賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第百話 怪しい森

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 僕たちはその後すぐに村を出た。そしてしばらく経った後のこと、先頭を歩くアマンダ先生が前を向きながら口を開いた。

「ごめんね。あまり村の中で話して村の人達に聞かれるのも避けたくて」

 肩を竦めてそう言ったアマンダ先生に僕も歩みを止めずにこう返した。

「ええ、大丈夫です。気にしないで下さい」

「そう言ってくれると助かるわ」

「村の雰囲気からあまり歓迎されていないのはわかりますので……調査に協力的って感じにもならなかったでしょうし……とりあえず隣村でしたっけ? フリックさんも言ってましたけど仲が悪いっていう村に行くんですよね?」

 アマンダ先生がその言葉に頷いている。

「仲が悪いって言うのもなんだか嫌なんだけど、実際お互いそうだしね……隣村って言っても結構離れてるのよ。あの森の反対側ね」

 と、アマンダ先生は右手を上げた。指を差す正面にはうっすらと森が見える。

「じゃあ森の中を通っていくんですか?」

 その言葉にアマンダ先生は静かに首を横に振っていた。

「あそこはダメよ。迂回していくわ」

「何故ですか? 向こう側なら通って行った方が早いんじゃないですか?」

 アマンダ先生はピタリと止まり、僕たちの方に向き直ってからこう言った。

「あそこはね入ったら誰も出られないって言われてる森なのよ」

 その言葉に僕はこう問いで返す。

「え、じゃあ今回の事件って皆、あそこにいるんじゃないですか? 一番怪しく無いですか?」

 その問いに、アマンダ先生は腕を組んで考えながら答える。

「そうね……村の外の人ならそう考えるでしょう。実際一人や二人ならそう判断されてたかもしれない。過去にだってそういう事はあったわ。でも、入ったら出られないって言い伝えのある森があって、そこに何人も行くと思う? しかも、実際に帰って来てないし……もし、仮にそうだとしても、なんで多くの人があの森に入ったのか。子供が遊びで入る場所でも無い。ましてや大人が入る訳もない。原因がわからないから余計に不安なのよ、村の皆は……」

 僕はそれを黙って聞いてから一つだけ頷いた。

「なるほど……それはそうかもしれませんね。それで向こうの村に原因があるのでは? と言う事なんですか?」

 その問いにアマンダ先生は頷いている。

「仲が良くない向こうの村が何か絡んでるんじゃないか、って皆思ってるのよね。ま、元々、なんで村同士が仲が良くないかは、誰もわからないんだけど。昔っからそうだからね。私はそういうのが心底嫌だったわ。近しい者同士が理由もわからずにいがみあう。それが村を出た理由の一つでもあるわ。そこはキャロルも一緒よ。だから私もキャロルも村を出てから一度も帰ったことなんかなかったの」

 そこまで語ってから、アマンダ先生はまた前を向き歩き出した。

「って話しすぎちゃったわね。さ、あまり時間をかけるのも良くないし向かいましょう。日が暮れるまでには着いておきたいから」

 道中は何事もなく、無事に日が暮れる前に村の入口が見えてきた。だが、先頭のアマンダ先生は首をかしげている。

「アマンダ先生、どうしたんですか?」

 アマンダ先生は目の前の村をじっと見つめたまま、僕たちの方を向かずに声を返した。

「いやね……変なのよ。昔はあんな柵で囲まれていたわけじゃなかったはずなの……」

 そう言われて僕は村をよく見ると確かに柵に囲まれている。それはまるで……

「あれじゃ今のロザリーバレーだわ……」

 そう、アマンダ先生の言う通り、外からの侵入者を拒もうとする今のロザリーバレーそっくりなのだ。つまりアマンダ先生が言ったことが本当ならば、今、ロザリーバレーに起こっていることと同じことが起きている可能性が高い。いや、それどころか……
 そう思った僕は、アマンダ先生にこう提案する。

「アマンダ先生、ちょっと気になるところもあります。もうちょっと近づきませんか?」

 アマンダ先生は僕のその言葉に頷いた。

「そうね、ここからじゃ良く見えないからもっと近づきましょう。でも、気になるところって何?」

 僕は村の入口を指を差して答えた。

「あそこが村の入口ですよね? あんなに侵入者を拒もうとしているのに、入口で番をしている人がいません。ロザリーバレーでは僕たちは門番にすぐに止められましたし……普通なら一番、人がいなきゃいけない場所なはずです。それに、もうすぐ日暮れですし、侵入者を拒みたいならこれからの時間の方が気になるのでは? まぁここから見えにくい場所にいるのかもしれないですけど……」

 アマンダ先生はその話を聞いて、しばらく考え込んでからゆっくりと頷いた。

「確かにアインス君の言う通りね……ちょっと急いだ方がいいかもしれないわね……」

 その言葉に僕たちも頷き、先ほどよりも早い足取りで村へと向かった。
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