ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第9章 飛香編

第325話「変な守里」

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翌日

期末テスト初日



守里: 祐希!気合は入ってるか!


祐希: はい!


守里: ちゃんと寝てきたか!


祐希: はい!


守里: シャーペンと消しゴムとシャー芯入れは持ってきたか!


祐希: はい!


守里: ならあとはテストに望むだけだ!頑張るぞ!


祐希: おー!!!


陽芽叶: 笑、さすがに息が合ってるね~



テストが始まる少し前に、隣の席の陽芽叶に見守られながら、守里がアドリブで言った掛け声に、祐希は声を合わせていた。



守里: 今の祐希は、歴代でも最高の状態にあるからね。過去最高点を叩き出せる自信があるよ。


祐希: よっしゃー!!


陽芽叶: 笑、もう完全に、祐希の先生だね。


守里: うん。


陽芽叶: いや~祐希が羨ましいな~~先週末も、守里と勉強会をしたんでしょ?噂で聞いたけど。


守里: ……美月の口からか…


陽芽叶: そりゃあね笑。あんな月曜日からブツブツ言ってたら、嫌でも耳に入ってくるよ。


守里: はぁ………機嫌を取り戻すのに、かなり時間がかかった……大変だった…



先週末の日曜日、自宅に帰ってから、美月の機嫌を直すために奮闘したのを思い出し、遠い目になる守里。



陽芽叶: どんなことで、美月の機嫌を取ったの?笑


守里: う~ん…色々とやったけど……1番多かったのは、ご飯を食べさせることかな。


陽芽叶: ……あ~んってこと?


守里: 時間の無い朝ご飯とかでも、ずっと僕の方を見て、口を開けて、要求してきたんだ笑


祐希: それで、守里は美月の口に食べ物を突っ込んだの?


守里: 突っ込んだって言い方笑。でも、そうだね。ほんとずっとその状態で待ってるから、全然朝の準備が進まないし、仕方なくって感じ。たまに、結真姉さんが代わりにやることもあったけどね。


陽芽叶: へぇ~~羨まし。


守里: なんでよ笑。陽芽叶はそういうところは真面目というか………あ、でも、あの病院の時は…


祐希: 病院?


陽芽叶: ちょっと、守里。


守里: おっと、そうか………って、祐希は知ってるでしょ。


陽芽叶: ……それもそうだね。


祐希: う~~~ん…………あぁ、あの時か。


陽芽叶: でも、誰が聞いてるか分からないんだから、気をつけてよ。


守里: うん。けど……あの病室では、すごく甘えん坊だったよね、陽芽叶は笑


陽芽叶: っ…もう//やめてよ、恥ずかしい……


祐希: ねぇねぇ、どんな感じだったの?甘えん坊の陽芽叶って笑


陽芽叶: ダメダメ!守里!言っちゃダメだからね!


守里: 笑、そうだな~


陽芽叶: //ダメって言ってるでしょ!


守里: ムグッ!



顔を赤くした陽芽叶は、守里の口を両手で塞ぐ。



祐希: え~少しぐらい良いじゃ~ん笑


陽芽叶: ダ~メ!


守里: 笑



と、3人が盛り上がっていると…



ガラガラ



剣崎: みんな、おはよう!テストの準備はできてるかな?



担任の剣崎が、教室に入ってきて、廊下にいた生徒達も自分の席につき始める。



陽芽叶: ……絶対にダメだからね。


守里: はいはい笑


祐希: 後からこっそり、聞かせてね笑ボソッ


陽芽叶: ダメだよ!ボソッ


守里: そんな両方から言わないでよ笑。陽芽叶が隠したがってるのは、十分に分かったから。言わない。



両隣にいる陽芽叶と祐希から、耳元で言われ、守里は苦笑いをしつつも、キッパリと言った。



陽芽叶: それでよし笑


祐希: え~


守里: ほら、祐希。もうすぐでテストが始まるんだから、集中し直して。今回も日向子達に勝てるように頑張らなきゃでしょ。


祐希: …は~い。祐希、頑張る!


守里: うん笑


陽芽叶: 笑、全く。


祐希: 陽芽叶も頑張る?!


陽芽叶: 頑張る笑


祐希: 守里は?!


守里: もちろん笑………



何かが、ふと頭によぎったのか、守里の言葉が急に止まる。



陽芽叶: どうしたの?


守里: いや、なんでもない。頑張る。祐希に負けないように、飛香に負けないようにね笑


祐希:……笑、よし!かかってこい!


守里: 笑



そんなやり取りを、後ろの方から強めの視線を2つ受けながらも、テスト初日の朝にした守里達は、これまでに積み重ねてきたものを出し切るように、期末テストに取り組むのだった。


◇◇◇◇◇


期末テスト2日目

放課後


カフェBINGO!


ガチャ



守里: こんにちは、お疲れ様です。


店長: あ、森崎君。お疲れ様。


奈々未: おつかれ。パッパと着替えてきて。


守里: はい。



数人のお客さんがいる店内を進み、更衣室で着替えた後、守里も仕事を始める。

しかし、今日の守里はどこかいつもと違っていた。



守里: お待たせいたしました、カルボナーラです。


客1: えっ……と……私が頼んだのは、パンケーキ…なんですが……


守里: え……も、申し訳ございません!


客2: 森崎君、カルボナーラはこっちだよ!笑


守里: あ、失礼いたしました!



という、配膳のミスがあったり…



客3: 今日も美味しかったよ。また来るね。


守里: はい、いらっしゃいませ。


客3: ん?いらっしゃいませ?


守里: あ、すみません。ありがとうございました。


客3: 笑、ちょっと疲れてるんじゃないの?今日は早めに寝なよ。


守里: はい笑


客3: じゃ、また来るね。



ガチャ



守里: はぁ……



という挨拶のミスがあったりし、そんな様子を見ていた店長と奈々未は、2人で話す。



店長: ……珍しいこともあるものだね。


奈々未: ですね。


店長: やっぱ、期末テスト中だからかな。


奈々未: いや……


店長: 中村さんもそれで今日は休んでるし、森崎君も休ませれば…


奈々未: 笑、それは守里君自身がシフトを入れてるんですから……後から説教です。


店長: おぉ……任せるよ。



そうして、カフェBINGO!の営業が終わり、守里達は閉め作業に入る。



守里: ……


フキフキ


守里: ……


奈々未: ………一体、いつまで同じテーブルを拭き続けるのかな?


守里: あ、すみません!


奈々未: …



慌てて、別のテーブルを拭きに行く守里の背中を、前にも同じ注意をしたことがあるな、と思いつつ、じっと見つめる奈々未。



守里: す、すぐに終わらせます!


奈々未: うん。


店長: そろそろ賄いができるからね。


奈々未: はい、ありがとうございます。


店長: それと、2人が賄いを食べてる時は、ちょっと外にジュースを買いに行くから。


奈々未: ……了解です。


店長: 笑、よろしく。




to be continued
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