ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
上 下
305 / 340
第9章 飛香編

第305話「志帆の成長」

しおりを挟む
川嶋: よし!それでね!みんなをここに呼んだ理由なんだけどもね!



昼休みに生徒会室の隣の会議室で、昼食会をしている面々に向けて、途中で話を逸らされないようにか、ものすごく語気を強めて話す川嶋。



川嶋: みんなに、生徒会役員になって欲しいの!


美月: …ニヤッ……え、えぇぇぇえええ!!!!


鹿川: ?……あ笑……うっそぉぉお!!!!


早水: いや、わざとらしいな笑


美月: 笑、そう?


川嶋: ま、ここに呼んだ時点で、みんな分かってたんだろうけど。


美月: そりゃあね。


灰崎: 放送で呼ばれた名前と、生徒会室に呼ばれたってことを考えれば、誰でも分かるよ。


鹿川: え~私は分からなかったよ!桃ちゃんに教えてもらうまでは。


早水: 桃ちゃん、教えてもうたんや笑


倉田: こんな流れになるなんてことは、予想できないからね。


祐希: ……zzz


川嶋: 祐希、寝ない!!


祐希: はっ!…うん!で、祐希達に役員になって欲しいのは、分かったけど、なに?


川嶋: いや、なにって……それを承諾してくれるかどうかを聞きたいの。


祐希: なるほど……


美月: ふ~ん……



と、祐希と美月の2人は、川嶋の言葉に対して、すぐに肯定の言葉は出さなかったが…



倉田: 私は構いませんよ。


灰崎: 僕も。


鹿川: じゃあ、私も!



元生徒会役員の3人は、それを予め決めていたように、すぐに答えた。



川嶋: っ!ありがとう。


鹿川: 生徒会役員としては先輩だから、任せて!!


灰崎: そうだね。何か、仕事で分からないことがあったら聞いて。多分、大体のことは、この3人の誰かが答えられると思うから。


川嶋: うん。


早水: まずは、3人獲得やな笑。で、美月ちゃんと祐希ちゃんは?


美月: ふ~む……志帆さんや。


祐希: 志帆さんや。


川嶋: ………なに?



2人の口調から、面倒な展開になると予感した川嶋は、少し嫌な顔をしながらも、自分の誘いを承諾させたいという思いで、向き直る。



美月: 志帆さんは、そんなに私達に役員になって欲しいのかね。


祐希: 欲しいのかね。


川嶋: うん。なって欲しいよ。2人には、私が立候補するか迷ってた時や、選挙活動の時みたいに、近くで私を支えて欲しいから。


美月: ふむ……どうしますか?祐希さんや。


祐希: どうしますかね~美月さん。


川嶋: お願い。



そう言って、川嶋は頭を下げる。



美月: 笑、良いよ。


祐希: しょうがない。手伝ってあげよう。


川嶋: っ!…ほんと、ありがとう。


美月: もう~頭なんか下げないでよ!茶番を早めに終わらせないといけなくなったじゃん!笑


川嶋: じゃあ、頭を下げて正解だった笑


美月: あ~そんなこと言うなら、やっぱり……


川嶋: 笑、言質は取ったのでね。しかも証人は私の他に、4人もいる。


早水: ありがとな、美月ちゃん、祐希ちゃん。役員になってくれて。


鹿川: やった!!2人と生徒会の仲間になれた!!


美月: くっそ~笑。そう言われちゃったら、やっぱ辞めよう茶番は使えないじゃん。


祐希: 残念だな~



笑いながらそう言う2人に対して、川嶋も笑顔でこう返した。



川嶋: 私には仲間がいるから。2人の茶番にずっとは乗せられないよ笑


美月: …そっか笑


祐希: へぇ~笑


早水: お、ちゃんと、志帆ちゃんに仲間判定されてて嬉しいわ。


川嶋: そりゃ、同じ生徒会役員なんだから、もう仲間でしょ。逆に、そう思ってなかったの?


早水: いや、そういうわけやないんやけどな笑


鹿川: ここにいる全員、みんな仲間!!


祐希: 仲間!!


鹿川: 仲間だ!!


祐希: 仲間だ!!



2人は、席を立ち上がって、拳を天に突き上げる。



灰崎: いや、どういうノリ?笑


鹿川: みんな仲間ノリ。


祐希: みんなもやろ!


美月: 良いよ!


早水: ええで!


川嶋: いや、やらないから。最初の話が終わったから、次の話に移るよ!役職決め!!



先に立ち上がった2人に続いて、立ち上がろうとした美月と早水を止めるように、川嶋が声を上げた。



灰崎: 笑、強引に行ったか。


川嶋: 今のところ、私が会長、正羅ちゃんが監査。そして、美月が副会長。


美月: え、私が副会長?


川嶋: うん。美月の力を存分に生かすなら、副会長という役職が良いと思うから。


早水: 元役員の3人からしたら、どう思う?


灰崎: 美月さんが副会長か……僕もそれが良いと思うな。美月さんの演技力と人の機微を読み取る力は、対人交渉において最も力を発揮するだろうから。


倉田: なるほど。確かにそれだと、副会長が最適だ。


鹿川: 私も賛成!


川嶋: って、みんなは言ってるけど……任されてくれない?



という真剣な表情の川嶋の言葉に…



美月: …まだ不安ではあるけど……うん。了解。私が副会長になるよ。



決意を持った顔で美月はそう答えた。



川嶋: ありがと。それで、元役員の3人は、同じ役職の方が良いよね?


灰崎: そうだね。同じ役職の方が、仕事はより効率的に行えると思うから。


川嶋: なら、桃ちゃんが庶務、謙心君が議長、まゆちゃんが書記ってことで良い?


鹿川: OK!!


灰崎: 良いよ。


川嶋: 桃ちゃんも、良い?


倉田: うん。ただ、1つ聞いておきたいのが、前生徒会のように後輩育成にも力を注ぐ…つまり、1年生を多めに入れるのかどうかなんだけど…


早水: どうする?志帆ちゃん。


川嶋: …先代みたいに、半数を1年生にってまではしないけど、1人も1年生がいないってことにはしない。


倉田: 分かった。じゃあ、私とまゆちゃんのところには1年生を入れるようにしよう。そうすれば、仕事の効率を落とすことなく、後輩育成もできるでしょ。


早水: お、そりゃナイスアイデアや。


倉田: まゆちゃんはどう?1年生の面倒を見れる?


鹿川: 見れる!!


倉田: なら、そういうことで。


早水: ってことはや。まだ決まっていない、書記1人と庶務1人は1年生がなるんなら、祐希ちゃんは自動的に会計ってことになるけど、良いんか?


祐希: 良いよ~


美月: 祐希が会計……というかそもそも、祐希ってパソコン使えんの?


祐希: 使えな~い。


美月: ……ほんとに、会計で大丈夫なの?


川嶋: まぁ、どの役職であっても、パソコンは使うからね。でも、もう1人の会計は頼もしい人にやってもらわないと。


早水: かつ、ダラける祐希ちゃんの尻も叩ける人やんな笑


祐希: え、祐希、お尻を叩かれるの?


川嶋: 寝てたらね。


祐希: おぉ……気をつけなければ…



叩かれる未来を想像した祐希は、自分のお尻を優しくさする。



川嶋: 笑。会計知識は引き継ぎ資料があるから、大丈夫とすると、理想としては、数字処理とパソコンの扱いに長けてて、仕事を真面目にやってくれる2年生。誰か良さげな人、知らない?


灰崎: う~ん……真佑さんは?


鹿川: え~っとね~~数学が得意で、パソコンが使える人でしょ~~あ、桃ちゃん!!


灰崎: いや、確かにそうだけど笑。桃子さん以外で。


鹿川: ふ~む……


倉田: ……1人、いる。



みんなが考え込む中、倉田がそう言った。



川嶋: え?


倉田: 2年生で、パソコンが使えて、数字に強く、仕事も真面目にできる人。


早水: おぉ!マジか!


倉田: ただ、その人は所属している部活の部長をしてるから、役員になってくれるかどうかが…


川嶋: いや、聞いてみるだけ聞いてみよう。早速、その人を今すぐ……いや、昼休みもあと少しだから、放課後にここに来るように伝えてもらえない?


倉田: うん。


美月: あ、それなら、書記に相応しそうな1年生には心当たりがあるから、その子も放課後に呼んで良い?


川嶋: その美月基準での、書記に相応しいとは?


美月: 文字が綺麗で、書くのが速くて、あとイラストが上手。


川嶋: ふむ……まゆちゃん。相方としてどう?


鹿川: 私は、文章をまとめるのは得意みたいだけど、あんまり文字を書くのは速くないから、そういう子が入ってくれると、すごい助かるかな。あと、イラストが上手なのはありがたいかも。前は七星先輩に書いてもらってたからね!


川嶋: じゃあ、その美月が言ってる子に、書記を頼んでも良い?まぁ、ちゃんと話してからにはなるけど。


鹿川: 良いよ!…あ、その子って、ツチノコとかに興味ありそう?!


美月: 笑、う~ん……ありそう。


鹿川: やったぁぁあ!!!探検隊の仲間が増えるぞ!!


川嶋: え、ほんとなの?


美月: 分かんない笑


早水: うわぁ~美月ちゃんも、ヒドいことするわ~笑


美月: 大丈夫!その子は強いから!


灰崎: 笑……なら、最後の庶務の1年生は、僕からの推薦で良いかな?


川嶋: 良い感じの子がいるの?


灰崎: うん。


川嶋: なら、お願い。


灰崎: 了解。放課後にここに来るように伝えとく。


早水: 謙心君の推薦する人なら、安心やな笑


美月: え、それって私の推薦する子は不安ってこと?


早水: いや、そういうわけやないけど…


美月: 大丈夫、安心して。めっちゃ、良い子だから。


早水: そっか笑。なら、楽しみに放課後を待つわ。




to be continued



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

寝て起きたら世界がおかしくなっていた

兎屋亀吉
ファンタジー
引きこもり気味で不健康な中年システムエンジニアの山田善次郎38歳独身はある日、寝て起きたら半年経っているという意味不明な状況に直面する。乙姫とヤった記憶も無ければ玉手箱も開けてもいないのに。すぐさまネットで情報収集を始める善次郎。するととんでもないことがわかった。なんと世界中にダンジョンが出現し、モンスターが溢れ出したというのだ。そして人類にはスキルという力が備わったと。変わってしまった世界で、強スキルを手に入れたおっさんが生きていく話。※この作品はカクヨムにも投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...