280 / 336
第7章 文化祭編
第280話「七星にとっての守里」
しおりを挟む
伊衛能高校
放課後
守里: じゃ、先に帰っといて。
美月: ほんとに早く帰ってくるんだよ!
守里: 分かってるって笑
美月: ほんとのほんとにだからね!
守里: はいはい笑……ほら、香蓮来たから。
梅澤: おい、美月!帰るぞ!
美月: 絶対に絶対だから!!
守里: 分かったってば…
美月: 約束だよ!!!
守里: えっと、香蓮。美月を連れて行って。
梅澤: ん?あぁ、了解笑
そう言って、教室の中に香蓮が入ってきて、美月を抱える。
美月: あ、ちょっと香蓮!まだ守里に言い足りないんだって!!
梅澤: ほら、帰るぞ~
美月: うわぁ~守里~!!早く帰ってくるんだぞ~!!
梅澤: 笑、またな。
守里: うん笑
昨日もあんな感じだったし、しばらくはアレが続くんだろうな…
まぁ、僕が1人で行動した報いか笑
守里: …よし、僕も行こう。
美月と梅澤が見えなくなったのを確認して、守里は荷物を持って、特別教室校舎の空き教室に向かった。
◇◇◇
空き教室
ガラガラ
??: あ、やっと来たか。
守里: ごめん、待たせた?なぁちゃん。
七星: いや、全然。ほんの5分前に来たところや。
守里: なら良かった。
七星: それで、ななに聞きたいことって?
守里: 笑、いきなり本題に入るの?
七星: おっと、その言葉は、なんか体育祭を思い出すな~笑
守里: 体育祭?…あぁ、なぁちゃんが僕達だけにドッキリを仕掛けたやつか。
七星: せや。あれは、今思い出しても、面白いわ笑
守里: 僕は、本気で心配したから、そこまで面白いと思える出来事じゃないんだけどね笑
七星: ふ~ん笑
守里: 僕としては、なぁちゃんとの面白い思い出で、今パッと思いつくのは、小学生の時、鳩をバカにしてたクラスメイトに、鳩についての授業を放課後にしてたことかな笑
七星: あぁ笑、そんなこともあったな。
守里: 一緒に帰ろうって思って、教室に行ったら、死んだ魚の目をしたクラスメイト相手に、なぁちゃんが教壇に立って、鳩の習性を熱弁してたんだもん。もう爆笑したよね。
七星: で、それに気づいたななが、守里も授業に参加させたんやったっけ?
守里: そうそう笑。先生に見つかるまで、ずっと聞かされたな~あの時は。
七星: そういう昔のことやと、守里が寝てる祐希を無理やり起こそうとした結果、寝ぼけた祐希にのしかかられて、動けなくなってたのも面白かったで笑
守里: それって、いつの話よ笑。ほんと出会ってすぐぐらいの時じゃない?
七星: 確か、初めて守里が、うちに泊まりに来た時や。
守里: あ~そうだったかも……懐かしい笑。まだ僕と祐希が小学1年生で、なぁちゃんが2年生の時だね。
七星: こうして考えると、守里とはいっぱい思い出があるわ笑
守里: うん……それに、僕はなぁちゃんに、たくさん助けられてきた。僕が困ってる時も、泣いてる時も、いつも助けてくれた。そして先週も、僕が黒峰との戦いでボロボロになった時も、すぐに僕を見つけて、救急車を呼んでくれた。
七星: …
守里: 改めて、ありがとう。
七星: 笑、ななも守里に助けられてるから、お互い様やで。
守里: いや、僕の方が助けられてる…ずっと……それで、なぁちゃんに聞きたいことがあるんだ。
七星: …なんや?
守里: なぁちゃんってさ…
先週の文化祭最終日、意識が薄れゆく中で、七星の声を聞いてから、ずっと疑問に思っていたこと。
それを今、守里は七星に尋ねた。
守里: 防衛団?
七星: …
その質問に対し、七星は驚くこともなく、ただ守里を見つめた。
そして、少しの沈黙の後、七星が口を開く。
七星: そやで。ななは……防衛団情報部1級団員の神田七星。
守里: っ……やっぱりか。
七星: いつから気づいてたんで……いや、まだ仕事モードじゃなくてええか。いつから気づいてたん?
守里: そうかもしれないって思ったのは、ほんと最近だよ。黒峰と戦った後、倒れてた僕に声をかけた時、一緒に森田さんがいたでしょ?
七星: 笑、それがマズかったか。あん時は、とにかく守里を見つけることに必死やったから。
守里: そして、入院してる時になぁちゃんが話したこと。これが、決め手だったかな。僕が入院してるってことを話したのが、祐希は別として、春時と香蓮の2人っていうのは、防衛団員として、僕がその2人に秘密を共有していることを知ってないとおかしい。普通、家族に優先的に話すだろうからね。
七星: まぁ、その2人だけには、全部話しても問題あらへんからな。
守里: そういうこと。あと、僕の回復速度について知ってた。これは、昔から僕を見てるってことで、説明がつくかもだけど、それでも打撲や骨のひびが半日で治るなんて、思わないはず。僕の異能のことを知ってないと。
七星: うん。知ってるで。守里の異能「解放」については。
守里: 父さんから?
七星: 守里の護衛を頼まれて、しばらくした時に、教えてもらったわ。
守里: ……いつから僕の護衛を頼まれたの?
七星: 守里が、ななと同じ小学校に入学してきた時から。
守里: …そっか……って、少なくとも小2の時には、防衛団に入ってたの?
七星: その時はまだ、仮団員やな。ななが正式に団員になったのは、中2の時。それまでは、両親が防衛団員ってことで、特別に訓練を受けさせてもらってたんや。
守里: あの優しそうなおばさんとおじさんも団員…じゃあ、祐希も?
七星: いや、祐希はまだ仮団員で、正式な団員やない。だから、防衛団員としては動かんけど、防衛団のことはよう知っとる。もちろん、守里のこともな。
守里: そうなんだ……なぁちゃんが防衛団員なら、それこそ、あの体育祭の時に不審者役をやってたのは、団員の誰か?
七星: うん。事前に頼んでたんや。不審者役をやってくれ~って。
守里: それなら、改めて聞くけど、あのドッキリの意味は?
七星: そりゃ……守里が次期防衛団長としての振る舞いができるか確かめたかったっていうのが、あのドッキリをやった意味。そして、防衛団員として、ななが守里に望んどった答えは、志帆ちゃんを犠牲に守里が逃げるという選択をとること。次期団長だったら、まず自分が生き残ることを1番に考えて欲しいからな。
守里: なるほど……でも、僕の答えはアレからずっと変わってないよ。この先も、きっと変わらない。
七星: 笑、分かっとるわ、そんなこと。やから、これからも、ななが守里を守るって決めてるんや。守里は逃げてくれんから笑
守里: うん…
七星: で、守里の聞きたいことって、ななが防衛団員かどうかってことだけ?
守里: …いや、あともう一つだけ………なぁちゃんにとって、僕はどんな存在なの?
七星: どんな存在……質問が抽象的過ぎて、答えずらいわ笑
守里: …幼なじみなのか、仲の良い後輩なのか…それとも、護衛対象なのか……防衛団の次期団長なのか。
七星: あぁ、そういうことやったら…ななにとって、守里は……
なぜ、これまで、七星が自分に話しかけてくれていたのか、仲良くしてくれていたのか。
その理由を知るために、守里は七星の答えを欲していた。
この答えであってくれ、という願いを持ちながら。
しかし…
七星: 未来の上司で、護衛対象や。
その答えは、守里が望むものではなかった。
守里: ………分かった。
溢れてくる感情を押し殺しながら、何とか返事をする。
七星: 笑、この前も春時に同じ質問されたわ。これ、流行ってるん?
守里: そ、そうなのかな?笑
そして、必死に笑顔を取り繕う。
七星: あ、じゃあ、そろそろ仕事に戻らなアカンから、またな。
守里: うん…頑張って。
ガラガラ
こうして、空き教室には守里1人だけが残り、その背中は、すごく小さくなっているように見えたのだった。
to be continued
放課後
守里: じゃ、先に帰っといて。
美月: ほんとに早く帰ってくるんだよ!
守里: 分かってるって笑
美月: ほんとのほんとにだからね!
守里: はいはい笑……ほら、香蓮来たから。
梅澤: おい、美月!帰るぞ!
美月: 絶対に絶対だから!!
守里: 分かったってば…
美月: 約束だよ!!!
守里: えっと、香蓮。美月を連れて行って。
梅澤: ん?あぁ、了解笑
そう言って、教室の中に香蓮が入ってきて、美月を抱える。
美月: あ、ちょっと香蓮!まだ守里に言い足りないんだって!!
梅澤: ほら、帰るぞ~
美月: うわぁ~守里~!!早く帰ってくるんだぞ~!!
梅澤: 笑、またな。
守里: うん笑
昨日もあんな感じだったし、しばらくはアレが続くんだろうな…
まぁ、僕が1人で行動した報いか笑
守里: …よし、僕も行こう。
美月と梅澤が見えなくなったのを確認して、守里は荷物を持って、特別教室校舎の空き教室に向かった。
◇◇◇
空き教室
ガラガラ
??: あ、やっと来たか。
守里: ごめん、待たせた?なぁちゃん。
七星: いや、全然。ほんの5分前に来たところや。
守里: なら良かった。
七星: それで、ななに聞きたいことって?
守里: 笑、いきなり本題に入るの?
七星: おっと、その言葉は、なんか体育祭を思い出すな~笑
守里: 体育祭?…あぁ、なぁちゃんが僕達だけにドッキリを仕掛けたやつか。
七星: せや。あれは、今思い出しても、面白いわ笑
守里: 僕は、本気で心配したから、そこまで面白いと思える出来事じゃないんだけどね笑
七星: ふ~ん笑
守里: 僕としては、なぁちゃんとの面白い思い出で、今パッと思いつくのは、小学生の時、鳩をバカにしてたクラスメイトに、鳩についての授業を放課後にしてたことかな笑
七星: あぁ笑、そんなこともあったな。
守里: 一緒に帰ろうって思って、教室に行ったら、死んだ魚の目をしたクラスメイト相手に、なぁちゃんが教壇に立って、鳩の習性を熱弁してたんだもん。もう爆笑したよね。
七星: で、それに気づいたななが、守里も授業に参加させたんやったっけ?
守里: そうそう笑。先生に見つかるまで、ずっと聞かされたな~あの時は。
七星: そういう昔のことやと、守里が寝てる祐希を無理やり起こそうとした結果、寝ぼけた祐希にのしかかられて、動けなくなってたのも面白かったで笑
守里: それって、いつの話よ笑。ほんと出会ってすぐぐらいの時じゃない?
七星: 確か、初めて守里が、うちに泊まりに来た時や。
守里: あ~そうだったかも……懐かしい笑。まだ僕と祐希が小学1年生で、なぁちゃんが2年生の時だね。
七星: こうして考えると、守里とはいっぱい思い出があるわ笑
守里: うん……それに、僕はなぁちゃんに、たくさん助けられてきた。僕が困ってる時も、泣いてる時も、いつも助けてくれた。そして先週も、僕が黒峰との戦いでボロボロになった時も、すぐに僕を見つけて、救急車を呼んでくれた。
七星: …
守里: 改めて、ありがとう。
七星: 笑、ななも守里に助けられてるから、お互い様やで。
守里: いや、僕の方が助けられてる…ずっと……それで、なぁちゃんに聞きたいことがあるんだ。
七星: …なんや?
守里: なぁちゃんってさ…
先週の文化祭最終日、意識が薄れゆく中で、七星の声を聞いてから、ずっと疑問に思っていたこと。
それを今、守里は七星に尋ねた。
守里: 防衛団?
七星: …
その質問に対し、七星は驚くこともなく、ただ守里を見つめた。
そして、少しの沈黙の後、七星が口を開く。
七星: そやで。ななは……防衛団情報部1級団員の神田七星。
守里: っ……やっぱりか。
七星: いつから気づいてたんで……いや、まだ仕事モードじゃなくてええか。いつから気づいてたん?
守里: そうかもしれないって思ったのは、ほんと最近だよ。黒峰と戦った後、倒れてた僕に声をかけた時、一緒に森田さんがいたでしょ?
七星: 笑、それがマズかったか。あん時は、とにかく守里を見つけることに必死やったから。
守里: そして、入院してる時になぁちゃんが話したこと。これが、決め手だったかな。僕が入院してるってことを話したのが、祐希は別として、春時と香蓮の2人っていうのは、防衛団員として、僕がその2人に秘密を共有していることを知ってないとおかしい。普通、家族に優先的に話すだろうからね。
七星: まぁ、その2人だけには、全部話しても問題あらへんからな。
守里: そういうこと。あと、僕の回復速度について知ってた。これは、昔から僕を見てるってことで、説明がつくかもだけど、それでも打撲や骨のひびが半日で治るなんて、思わないはず。僕の異能のことを知ってないと。
七星: うん。知ってるで。守里の異能「解放」については。
守里: 父さんから?
七星: 守里の護衛を頼まれて、しばらくした時に、教えてもらったわ。
守里: ……いつから僕の護衛を頼まれたの?
七星: 守里が、ななと同じ小学校に入学してきた時から。
守里: …そっか……って、少なくとも小2の時には、防衛団に入ってたの?
七星: その時はまだ、仮団員やな。ななが正式に団員になったのは、中2の時。それまでは、両親が防衛団員ってことで、特別に訓練を受けさせてもらってたんや。
守里: あの優しそうなおばさんとおじさんも団員…じゃあ、祐希も?
七星: いや、祐希はまだ仮団員で、正式な団員やない。だから、防衛団員としては動かんけど、防衛団のことはよう知っとる。もちろん、守里のこともな。
守里: そうなんだ……なぁちゃんが防衛団員なら、それこそ、あの体育祭の時に不審者役をやってたのは、団員の誰か?
七星: うん。事前に頼んでたんや。不審者役をやってくれ~って。
守里: それなら、改めて聞くけど、あのドッキリの意味は?
七星: そりゃ……守里が次期防衛団長としての振る舞いができるか確かめたかったっていうのが、あのドッキリをやった意味。そして、防衛団員として、ななが守里に望んどった答えは、志帆ちゃんを犠牲に守里が逃げるという選択をとること。次期団長だったら、まず自分が生き残ることを1番に考えて欲しいからな。
守里: なるほど……でも、僕の答えはアレからずっと変わってないよ。この先も、きっと変わらない。
七星: 笑、分かっとるわ、そんなこと。やから、これからも、ななが守里を守るって決めてるんや。守里は逃げてくれんから笑
守里: うん…
七星: で、守里の聞きたいことって、ななが防衛団員かどうかってことだけ?
守里: …いや、あともう一つだけ………なぁちゃんにとって、僕はどんな存在なの?
七星: どんな存在……質問が抽象的過ぎて、答えずらいわ笑
守里: …幼なじみなのか、仲の良い後輩なのか…それとも、護衛対象なのか……防衛団の次期団長なのか。
七星: あぁ、そういうことやったら…ななにとって、守里は……
なぜ、これまで、七星が自分に話しかけてくれていたのか、仲良くしてくれていたのか。
その理由を知るために、守里は七星の答えを欲していた。
この答えであってくれ、という願いを持ちながら。
しかし…
七星: 未来の上司で、護衛対象や。
その答えは、守里が望むものではなかった。
守里: ………分かった。
溢れてくる感情を押し殺しながら、何とか返事をする。
七星: 笑、この前も春時に同じ質問されたわ。これ、流行ってるん?
守里: そ、そうなのかな?笑
そして、必死に笑顔を取り繕う。
七星: あ、じゃあ、そろそろ仕事に戻らなアカンから、またな。
守里: うん…頑張って。
ガラガラ
こうして、空き教室には守里1人だけが残り、その背中は、すごく小さくなっているように見えたのだった。
to be continued
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
推しの幼なじみになったら、いつの間にか巻き込まれていた
凪ルナ
恋愛
3歳の時、幼稚園で机に頭をぶつけて前世の記憶を思い出した私は、それと同時に幼なじみの心配そうな顔を見て、幼なじみは攻略対象者(しかも前世の推し)でここが乙女ゲームの世界(私はモブだ)だということに気づく。
そして、私の幼なじみ(推し)と乙女ゲームで幼なじみ設定だったこれまた推し(サブキャラ)と出会う。彼らは腐女子にはたまらない二人で、もう二人がくっつけばいいんじゃないかな!?と思うような二人だった。かく言う私も腐女子じゃないけどそう思った。
乙女ゲームに巻き込まれたくない。私はひっそりと傍観していたいんだ!
しかし、容赦なく私を乙女ゲームに巻き込もうとする幼なじみの推し達。
「え?なんで私に構おうとするかな!?頼むからヒロインとイチャイチャして!それか、腐女子サービスで二人でイチャイチャしてよ!だから、私に構わないでくださいー!」
これは、そんな私と私の推し達の物語である。
─────
小説家になろう様、ノベリズム様にも同作品名で投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる