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第7章 文化祭編

第278話「後処理の結果」

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翌朝


正門前



直也: …



まだ生徒がいない学校を、白谷直也は黙って眺めていた。



直也: …よし、行くか。



そう言って、振り返ると…



直也: っ!!…


大我: …引き継ぎは。



視線を道端に向ける大我が立っていた。



直也: 大我……笑、バレてたか。


大我: 当たり前だ。何年の付き合いだと思ってる。


直也: …美化委員長の引き継ぎは、3年で1番信頼できるヤツに昨日した。


大我: 部活は。


直也: 同じく昨日、顧問に話した。


大我: そうか。これからどうするんだ?


直也: ……分からん。だが、これは俺のケジメのための選択だ。


大我: あぁ。止めはしねぇよ。


直也: おう。


大我: …だが…


直也:…


大我: お前はずっと、俺の友達だ。


直也: っ……あぁ。


大我: じゃ…頑張れよ。


直也: お前もな。



2人はお互いの顔を見ないまま、大我は学校に向かって、直也は学校に背を向けて、すれ違う。


そして…



直也: ありがとうございました!




学校に向かって、そう叫びながら一礼し、再び背を向けて歩いて行く。



大我: …



その様子を見ることなく、大我は学校の中に入って行くのだった。




直也: …ふぅ…



学校の正門から駅前まで、直也はこれからの事を考えながら歩く。


すると…


ブーン


目の前に黒い車が止まり、後部座席の窓が開く。



直也: …


??: このまま、逃げるんか?



そう、車の中に座った人物が言った。


◇◇◇


金山コーポレーション



白谷父 T: え?…専務、失礼ながら、もう一度、お願いできますか?


専務 T: お前はクビだ。これまでご苦労だった。


白谷父 T: そ、そんな、いきなり解雇だなんて…


専務 T: 黒峰龍水が死んだ。これで分かるだろう。


白谷父 T: っ!!黒峰が……


専務 T: お前を、このままうちに置いとくわけにはいかない。敵に辿られる可能性があるからな。


白谷父 T: し、しかし…


専務 T: 話は以上だ。荷物をまとめて、会社を出ていけ。



ピ



白谷父: …黒峰が…死んだ……



一方的に電話を切られ、呆然としながらも、喜びと絶望でぐちゃぐちゃになった白谷父の頭は、段々と整理されていく。



白谷父: …行こう。



そう言って白谷父は、目を合わせてくれない同僚達が仕事をしている中、自分の荷物をまとめ、会社を出る。



白谷父: お世話になりました。



一礼をして、会社に背を向ける。


すると…



直也: 父さん。


白谷父: な、直也……なぜここに…


??: 我々が連れてきたんです。


白谷父: えっと…君は…


??: 今の私は、防衛団員のーーーーと言います。


白谷父: 防衛団…だと?


??: 我々としては、お2人を保護する代わりに、協力をしてもらいたいと考えています。


白谷父: 保護……しかし、私も直也もアイツらに関しては、そこまで知らないが…


??: 笑、そちらに関しては、その少しの情報を教えていただくだけで、かまいません。我々としては、アイツらの被害を受けた方々を保護する、ということが最も重要な目的ですから。


白谷父: …


??: …奥様は、我々で必ず助け出します。ですので、お2人は安全な施設で、奥様が助かることを願っていてください。


白谷父: …直也はどうしたい?


直也: …俺は…防衛団の保護を望む。


白谷父: 分かった。では、どうか、よろしくお願いします。


??: はい笑。任せてください。



そうして、白谷直也とその父は、防衛団に保護されることとなった。



直也: ってかお前、標準語で喋れたんだな。


??: 笑、仕事の時はこっちや。


◇◇◇◇


その日の夜


守里の家



美月: じゃーん!



リビングで、メイド服を着た美月が、ぐるりとその場で回りながら言う。



蓮花: おぉ、お姉ちゃん可愛い!


美月: でしょ?笑


結真: それ、持って帰れたんだ。


美月: うん。守里のために持って帰ってきたよ!


守里: いや、みんな持って帰ったじゃん。僕も執事服は持って帰って来たし。


蓮花: え、そうなの?!


結真: 守里も着てよ笑


守里: え~


結真: 桜も着て欲しいよね?


桜: うん。



真剣な表情で、桜もそう訴えかける。



守里: えぇ…桜まで…


美月: さ、守里も部屋で着替えて来て!


守里: …しょうがない。今日だけね。



そう言って、守里は執事服と、貰ったワックスを持って、自室に向かった。




10分後…


ガチャ



守里: おまたせいたしました、お嬢様方。


蓮花: うわぁ~やっぱ、カッコいい!


結真: 執事守里の再降臨。


桜: お兄ちゃん…


守里: それで、どうされますか?


美月: あ、私はお客さん側に回るから。で、守里は、それぞれの要望を聞いていって。


守里: …かしこまりました。ではまず、結真お嬢様。


結真: 笑、じゃあ~肩揉んで!


守里: はい。失礼します。



要望通り、守里は結真の肩を揉む。



結真: ふぃ~気持ちいい~


蓮花: 笑、お姉ちゃん、おじさんみたいな声出してる。


結真: だって、守里が上手なんだもん。あ、頭もお願い。


守里: …


結真: うわぁ~効く~


美月: はい!終了!


結真: え~


美月: 次は蓮花!


守里: 蓮花お嬢様、どうされますか?


蓮花: う~ん…あ、膝枕して、頭なでなでして!


美月: っ!!


結真: おぉ笑。甘えるね~


守里: かしこまりました……どうぞ。



カーペットの上で正座した守里の膝上に、蓮花は頭を乗せる。



蓮花: フフフ笑…お兄ちゃんの匂い…


ナデナデ


守里: これで、よろしいでしょうか?


蓮花: しばらく続けて~


ナデナデ


美月: そ、そこまで!すぐに離れて!


蓮花: もうちょっとだけ~


ギュッ



守里から離れまいと、蓮花は守里にしがみつく。



美月: 離れなさい!!


蓮花: い~や~だ~~!!あ!



美月が蓮花の足を引っ張ったことで、蓮花の手は守里から離れ、守里は解放される。



美月: ふぅ……次、桜。


守里: 桜お嬢様は……みたらし団子を食べさせろってことですね笑


桜: コクン



蓮花の要望に守里が応えている間に、みたらし団子を持ってきた桜は、立ち上がった守里に団子を向けていた。



結真: はや笑


守里: かしこまりました。では、あ~


桜: あ~…パクッ…モグモグ


守里: 美味しいですか?


桜: お、美味しいです///


蓮花: お姉ちゃん、顔真っ赤~!!笑


結真: もう笑。やめてあげな、蓮花。


桜: ///


守里: もう一口いります?


桜: コクン//



その後、串1本を食べ終わり…



美月: はい!じゃあ、最後に私!


守里: …美月お嬢様は、何をご所望ですか?


美月: 私はね~


蓮花: 美月お姉ちゃん、何を頼むつもりなんだろうボソッ


結真: 発案者だからねボソッ


桜: モグモグ…ニコ~笑


美月: 守里には、目を瞑って直立しててもらいます!


守里: 目を瞑って直立…で、良いんですか?


美月: うん!ほら早く!!


守里: か、かしこまりました。



予想外の要望に戸惑いつつも、美月の言う通りに、目を瞑る。



守里: …


美月: では、失礼して…


ギュッ



直立している守里に、美月は正面から抱きつく。



守里: えっと…


美月: まだだからね…


蓮花: お姉ちゃん、これは…


結真: まぁ、まだこれぐらいは…


桜: モグモグ


守里: …


美月: …(よし…)



何かを決心した美月は、守里の首に腕を回す。



蓮花: ?


結真: おっと…


桜: モグモグ



そして、守里の顔を見た後、目を瞑り、自分の顔と守里の顔を近づけて行き……



チュッ



美月: あれ?



思っていた感触と違うものを感じ、美月は不思議に思い、そのまま目を開ける。



美月: え?手の平?


結真: ギリギリセーフ……美月、それはダメだよ笑


美月: ちょっと、お姉ちゃん!



なんと、美月の思惑が達成される直前に、結真が美月と守里の口の間に手を入れていたのだった。



守里: ん?結真姉さん?


美月: せっかくのチャンスだったのに~!!邪魔しないでよ!!


結真: だって、ズルじゃん。


美月: グッ…


結真: 笑、やるんなら、ちゃんとやりなさい。


美月: …だったら…


守里: どうしたの?


美月: 守里!!私とキスして!!


守里: は?


美月: とぉっ!!



そう叫び、美月は地面を蹴って、守里の唇に自分の唇を合わせようと、守里に飛びかかる。



守里: あっぶ……いやいや、おかしいでしょ!!


美月: おかしくない!!いずれするんだから!!


守里: いずれするって…なわけないじゃん!!


美月: いや、するの!!とぉっ!!


守里: やらないから~



こうして、2人の追いかけっこ兼イチャイチャはしばらく続くのであった。



蓮花: お姉ちゃん、積極的だね。


結真: 文化祭で、さらに火がついたんでしょ。


桜: モグモグ…


結真: ってか、桜食べ過ぎ。太るよ。


桜: ガーン……




to be continued

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