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第7章 文化祭編
第271話「陽芽叶の脱出劇」
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翌日
病室にいる守里は、起床してすぐ、看護師が運んで来た朝食を食べ終わった後、体の調子を確認しつつ、体を動かしていた。
守里: フッ!
ビュンッ!!
う~ん…もうちょっと蹴り出しをスムーズに…
ビュンッ!!
お、良い感じ。
いや~広い病室で良かった。
こうして、リハビリがてら動けるし。
ピロン
守里: …また美月かな。
そう言いながら、ベッドの横に置いてある携帯を確認すると、案の定、メッセージの送り主は美月だった。
美月 M: 今何してるの?
守里: 全く同じ質問…
と、守里が言うように、守里が起きてしばらくしてから、定期的に同じようなメッセージを美月が送ってきており、その度に守里は嘘の返事を考えて返していた。
守里 M: ゲームやってる。
美月 M: なんの?
守里 M: モン○ン。
美月 M: 誰と?
守里 M: 七星さん。
美月 M: ズルい。
守里 M: これ何回目?
美月 M: 気持ち的には1回目。
というやり取りが、既に10回ほど行われていた。
正直、返すのも面倒になってきたんだけど、返さなかったら返さなかったで、鬼電してきそうだし、ここは地道に返していくべきだよな。
そう考えながら、守里は新たにメッセージが来ないことを確認して、携帯を置いた。
その瞬間…
ピロン
守里: また美月か…
再び携帯を取り、通知を確認すると、送られてきたメッセージは美月からのものではなく、七星からのものであった。
守里: いや、なぁちゃんかい。
七星 M: ちゃんと大人しくしてるか?
守里: …
まるで、見透かされているような気分…
守里 M: もちろん。大人しくベッドの上で動画を見てる。
七星 M: そっか。こっちの用事を終わらせたら、お見舞いに行くからな。
守里 M: 何時ぐらいになりそう?
七星 M: そんな、私に会いたいんか?笑
守里 M: 別に、そういうわけではないけど。
七星 M: うわぁ、寂しいわ~
守里 M: もう、良いから質問に答えてよ。
七星 M: 多分、明日の朝や。
守里 M: そんなにかかるの?むしろ、用事の内容が気になるんだけど笑
七星 M: 秘密。
守里 M: だよね。
七星 M: そんなに守里が寂しい言うんなら、祐希に行かせるけど?
守里 M: それは遠慮しときます。僕を追い出してベッドで寝そうなんで笑
七星 M: 祐希に報告しとくな笑
守里 M: やめて笑
七星 M: ま、勘弁したるわ。じゃ、また明日。
守里 M: うん。頑張って。
明日の朝か。
それまでに、無事に戻って来れたら良いけど。
と思いながら、携帯を置くと…
ピロン
守里: 次は誰!……って飛香?珍しい…
飛香 M: 何してんの?
守里: 美月と同じ質問かよ!
こんな感じで、守里のことが気になる人達からのメッセージを返しながら、守里は決戦の準備を整えて行く。
◇◇◇◇
17時半頃
陽芽叶の部屋
陽芽叶: …
うん、そろそろいけるかな?
お父さんが部屋に戻ってくる頃だろうし。
陽芽叶: …脱出しよう。
自分の部屋から、いや、勝手に守里の元に向かわないようにと、外から鍵をかけられた部屋から、脱出しようと思った陽芽叶は、まず扉の外に向かってこう言った。
コンコン
陽芽叶: ねぇ、お腹空いたんだけど…
「かしこまりました、少々お待ちください。」
やっぱり、すぐ外にいたんだ。
随分と用心されてる笑
葵波辺りが、警戒を促してたのかな。
よし、最低限の物だけ持ってと…
机の上にあった携帯をポケットに入れ、身だしなみを整えながら、扉が開かれるのを待つ。
コンコン
お、来た。
陽芽叶: 良いよ。
ガチャ
使用人: 失礼します。軽食をお持ちいたし…
陽芽叶: ごめんね。
バチッバチッ!
使用人: ガハッ!おじょう…さま…
ドサ
陽芽叶: まさか、こんなところでお父さんの部屋から持ってきてた物が役に立つとは……あ、このサンドイッチ1つだけ持って行こ。
そう言って、使ったスタンガンを倒れた使用人のそばに置きつつ、皿に乗せられていたサンドイッチを1つ咥えて、部屋を出た。
さぁ、ここからが難関だよ。
みんなに見つからないように出ないと…
伊衛能病院には、確かあそこから行けただろうから、向かうべきは第4通路口だね。
ここからだと……資料室の前を通った方が、見つからなさそうだ。
そう考えて、陽芽叶は幅の広い廊下を、音を立てないようにしながら歩いて行く。
5分後…
ガチャ
陽芽叶: ふぅ…
数回危ない場面はあったけど、なんとかここまで来れたね。
大きく4と書かれた扉の前に立つ陽芽叶。
ここから道沿いに行けば、伊衛能病院近くの駐車場に出られるはず。
ガチャン
陽芽叶: うわ、相変わらず暗いな。
転ばないように気をつけながら、進まないと。
ってか、どのぐらいかかるんだろう…
前に使ったのが、3年半前ぐらいだから、さすがに覚えてないや笑
蛍光灯の微かな光だけが照らす、先の見えない通路を陽芽叶は見回し…
あ、これって…笑
通路の横に立て掛けられてあった、キックボードを手に取る。
こんなとこにあったんだ。
私のキックボード。
そういえば、すぐ使うと思って、ここに置きっぱにしてたんだった。
にしても懐かしい。
昔、守里と日向子と一緒に、これに乗って家の中を走り回ったっけ?笑
よし、これに乗って行こう。
陽芽叶は、少し古びたキックボードに乗り、伊衛能病院までの道を進んで行った。
30分後…
陽芽叶: あ、やっとか。
目の前に出口らしき扉が見える。
陽芽叶: よいしょっと…
キックボードから降り、扉のそばに立て掛ける。
ありがとね、帰りもよろしく。
そう思いながら、ハンドル部分を撫で、扉に向き直る。
陽芽叶: さぁ、行こうか。
扉の横にあるパネルに触れる。
ガチャ
ガチャ
すると扉が開き、陽芽叶は通路から外に出て…
陽芽叶: …えーっと…位置情報的には……うん、正解だね。
無事、伊衛能病院の近くに辿り着く。
陽芽叶: 早く、守里のとこに行こう。
そうして、陽芽叶は伊衛能病院の中に入り、真っ直ぐにエレベーターの方へ。
陽芽叶: あの。
看護師: はい、なんでしょう。
陽芽叶: 下にお願いします。
看護師: …下とは?
陽芽叶: これ、見てください。
そう言って、陽芽叶は携帯の画面に映った病院の通路の画像を、エレベーターの前に立つ看護師に見せる。
看護師: これ…は……患者さんのご家族ということでしょうか?
陽芽叶: はい。
看護師: どなたか聞いても?
陽芽叶: …森崎守里です。
看護師: …嘘、ですね。
陽芽叶: お願いします。守里のお見舞いに来たんです。
看護師: 申し訳ございませんが、ご案内することはできません。
陽芽叶: …それなら、今ここで、団長さんに直談判します。
看護師: は?
プルルル
看護師: え?ちょっ…
ピ
陽芽叶 T: もしもし、守里のお父さんですか?
景信 T: ど、どうしたのかな?陽芽叶ちゃん。おじさん、突然の電話過ぎて、めちゃくちゃ驚いてるんだけど…
陽芽叶 T: 守里が入院してるのは聞いていますか?
景信 T: 無視か笑……あぁ。知ってるよ。もしかして、お見舞いに行きたいとか?
陽芽叶 T: はい。
景信 T: 確か、今、陽芽叶ちゃんは部屋にいるはずなんじゃ…
陽芽叶 T: お父さんには内緒にしといてください。
景信 T: さすがにそれは…
陽芽叶 T: では、お父さんが捕まえに来るまでの時間だけでも、守里のお見舞いをさせてください。
景信 T: う~ん……しょうがない。その代わり、今度からはこういうことしないようにね。
陽芽叶 T: はい!
景信 T: 次、同じようなことを言われても、承諾しないから。
陽芽叶 T: もし、同じようなことになったら、次はちゃんと正規の手順を踏みますよ笑
景信 T: 笑、分かった。よし、エレベーター前の看護師と代わってくれ。
陽芽叶 T: 分かりました。
看護師: えっと…
陽芽叶: はい、団長さんと繋がってます。
看護師: ……
戸惑いながらも、看護師は陽芽叶の携帯を受け取る。
看護師 T: あ、あの…もしもし?
景信 T: お疲れ様。突然ですまないが、その子を守里のところに連れて行ってやってくれ。
看護師 T: …本当に団長ですか?
景信 T: ふぅ……防衛団戦闘部1級団員"幸村華"。その子を俺の息子の病室に連れて行け。
幸村 T: っ…かしこまりました。
景信 T: 笑、頼んだよ。じゃ、返してあげて。
幸村 T: はい。
陽芽叶 T: 代わりました。
景信 T: 今、この電話を切ったら、すぐにお父さんに電話をかけるから、多分、猶予は10分ぐらいだよ笑
陽芽叶 T: はい笑。その間に、たくさん守里と話します。
景信 T: 笑……陽芽叶ちゃんが、普通の学校生活を楽しんでくれてるみたいで、良かった。
陽芽叶 T: おじさんのおかげです笑。また。
景信 T: あぁ笑
ピ
幸村: では、ご案内します。
そう言って、幸村は歩き出す。
陽芽叶: あれ?下じゃないんですか?
幸村: はい。今回、森崎君は一般の方に入院しています。
陽芽叶: あ、そうだったんだ。
幸村: 今回は、事情を知っている方が、一般の方にもいますので。
陽芽叶: 私みたいにですか?笑
幸村: はい。そういう方が、お見舞いに来られた際に、下に入院してると、困りますから。
陽芽叶: じゃあ、わざわざお姉さんに言わなくても、受付の人に聞けば良かったのか。
幸村: ですね………ところで、前に1度、来られたことあります?
陽芽叶: え?はい、1回だけ。
幸村: やっぱり…3年半前に森崎君が入院した時に。
陽芽叶: 笑、よく覚えてますね。
幸村: あの時は…まぁ、団長も一緒に来てましたから。
陽芽叶: なるほど笑
こうして、2人は話しながら歩き、守里の病室へ到着した。
to be continued
病室にいる守里は、起床してすぐ、看護師が運んで来た朝食を食べ終わった後、体の調子を確認しつつ、体を動かしていた。
守里: フッ!
ビュンッ!!
う~ん…もうちょっと蹴り出しをスムーズに…
ビュンッ!!
お、良い感じ。
いや~広い病室で良かった。
こうして、リハビリがてら動けるし。
ピロン
守里: …また美月かな。
そう言いながら、ベッドの横に置いてある携帯を確認すると、案の定、メッセージの送り主は美月だった。
美月 M: 今何してるの?
守里: 全く同じ質問…
と、守里が言うように、守里が起きてしばらくしてから、定期的に同じようなメッセージを美月が送ってきており、その度に守里は嘘の返事を考えて返していた。
守里 M: ゲームやってる。
美月 M: なんの?
守里 M: モン○ン。
美月 M: 誰と?
守里 M: 七星さん。
美月 M: ズルい。
守里 M: これ何回目?
美月 M: 気持ち的には1回目。
というやり取りが、既に10回ほど行われていた。
正直、返すのも面倒になってきたんだけど、返さなかったら返さなかったで、鬼電してきそうだし、ここは地道に返していくべきだよな。
そう考えながら、守里は新たにメッセージが来ないことを確認して、携帯を置いた。
その瞬間…
ピロン
守里: また美月か…
再び携帯を取り、通知を確認すると、送られてきたメッセージは美月からのものではなく、七星からのものであった。
守里: いや、なぁちゃんかい。
七星 M: ちゃんと大人しくしてるか?
守里: …
まるで、見透かされているような気分…
守里 M: もちろん。大人しくベッドの上で動画を見てる。
七星 M: そっか。こっちの用事を終わらせたら、お見舞いに行くからな。
守里 M: 何時ぐらいになりそう?
七星 M: そんな、私に会いたいんか?笑
守里 M: 別に、そういうわけではないけど。
七星 M: うわぁ、寂しいわ~
守里 M: もう、良いから質問に答えてよ。
七星 M: 多分、明日の朝や。
守里 M: そんなにかかるの?むしろ、用事の内容が気になるんだけど笑
七星 M: 秘密。
守里 M: だよね。
七星 M: そんなに守里が寂しい言うんなら、祐希に行かせるけど?
守里 M: それは遠慮しときます。僕を追い出してベッドで寝そうなんで笑
七星 M: 祐希に報告しとくな笑
守里 M: やめて笑
七星 M: ま、勘弁したるわ。じゃ、また明日。
守里 M: うん。頑張って。
明日の朝か。
それまでに、無事に戻って来れたら良いけど。
と思いながら、携帯を置くと…
ピロン
守里: 次は誰!……って飛香?珍しい…
飛香 M: 何してんの?
守里: 美月と同じ質問かよ!
こんな感じで、守里のことが気になる人達からのメッセージを返しながら、守里は決戦の準備を整えて行く。
◇◇◇◇
17時半頃
陽芽叶の部屋
陽芽叶: …
うん、そろそろいけるかな?
お父さんが部屋に戻ってくる頃だろうし。
陽芽叶: …脱出しよう。
自分の部屋から、いや、勝手に守里の元に向かわないようにと、外から鍵をかけられた部屋から、脱出しようと思った陽芽叶は、まず扉の外に向かってこう言った。
コンコン
陽芽叶: ねぇ、お腹空いたんだけど…
「かしこまりました、少々お待ちください。」
やっぱり、すぐ外にいたんだ。
随分と用心されてる笑
葵波辺りが、警戒を促してたのかな。
よし、最低限の物だけ持ってと…
机の上にあった携帯をポケットに入れ、身だしなみを整えながら、扉が開かれるのを待つ。
コンコン
お、来た。
陽芽叶: 良いよ。
ガチャ
使用人: 失礼します。軽食をお持ちいたし…
陽芽叶: ごめんね。
バチッバチッ!
使用人: ガハッ!おじょう…さま…
ドサ
陽芽叶: まさか、こんなところでお父さんの部屋から持ってきてた物が役に立つとは……あ、このサンドイッチ1つだけ持って行こ。
そう言って、使ったスタンガンを倒れた使用人のそばに置きつつ、皿に乗せられていたサンドイッチを1つ咥えて、部屋を出た。
さぁ、ここからが難関だよ。
みんなに見つからないように出ないと…
伊衛能病院には、確かあそこから行けただろうから、向かうべきは第4通路口だね。
ここからだと……資料室の前を通った方が、見つからなさそうだ。
そう考えて、陽芽叶は幅の広い廊下を、音を立てないようにしながら歩いて行く。
5分後…
ガチャ
陽芽叶: ふぅ…
数回危ない場面はあったけど、なんとかここまで来れたね。
大きく4と書かれた扉の前に立つ陽芽叶。
ここから道沿いに行けば、伊衛能病院近くの駐車場に出られるはず。
ガチャン
陽芽叶: うわ、相変わらず暗いな。
転ばないように気をつけながら、進まないと。
ってか、どのぐらいかかるんだろう…
前に使ったのが、3年半前ぐらいだから、さすがに覚えてないや笑
蛍光灯の微かな光だけが照らす、先の見えない通路を陽芽叶は見回し…
あ、これって…笑
通路の横に立て掛けられてあった、キックボードを手に取る。
こんなとこにあったんだ。
私のキックボード。
そういえば、すぐ使うと思って、ここに置きっぱにしてたんだった。
にしても懐かしい。
昔、守里と日向子と一緒に、これに乗って家の中を走り回ったっけ?笑
よし、これに乗って行こう。
陽芽叶は、少し古びたキックボードに乗り、伊衛能病院までの道を進んで行った。
30分後…
陽芽叶: あ、やっとか。
目の前に出口らしき扉が見える。
陽芽叶: よいしょっと…
キックボードから降り、扉のそばに立て掛ける。
ありがとね、帰りもよろしく。
そう思いながら、ハンドル部分を撫で、扉に向き直る。
陽芽叶: さぁ、行こうか。
扉の横にあるパネルに触れる。
ガチャ
ガチャ
すると扉が開き、陽芽叶は通路から外に出て…
陽芽叶: …えーっと…位置情報的には……うん、正解だね。
無事、伊衛能病院の近くに辿り着く。
陽芽叶: 早く、守里のとこに行こう。
そうして、陽芽叶は伊衛能病院の中に入り、真っ直ぐにエレベーターの方へ。
陽芽叶: あの。
看護師: はい、なんでしょう。
陽芽叶: 下にお願いします。
看護師: …下とは?
陽芽叶: これ、見てください。
そう言って、陽芽叶は携帯の画面に映った病院の通路の画像を、エレベーターの前に立つ看護師に見せる。
看護師: これ…は……患者さんのご家族ということでしょうか?
陽芽叶: はい。
看護師: どなたか聞いても?
陽芽叶: …森崎守里です。
看護師: …嘘、ですね。
陽芽叶: お願いします。守里のお見舞いに来たんです。
看護師: 申し訳ございませんが、ご案内することはできません。
陽芽叶: …それなら、今ここで、団長さんに直談判します。
看護師: は?
プルルル
看護師: え?ちょっ…
ピ
陽芽叶 T: もしもし、守里のお父さんですか?
景信 T: ど、どうしたのかな?陽芽叶ちゃん。おじさん、突然の電話過ぎて、めちゃくちゃ驚いてるんだけど…
陽芽叶 T: 守里が入院してるのは聞いていますか?
景信 T: 無視か笑……あぁ。知ってるよ。もしかして、お見舞いに行きたいとか?
陽芽叶 T: はい。
景信 T: 確か、今、陽芽叶ちゃんは部屋にいるはずなんじゃ…
陽芽叶 T: お父さんには内緒にしといてください。
景信 T: さすがにそれは…
陽芽叶 T: では、お父さんが捕まえに来るまでの時間だけでも、守里のお見舞いをさせてください。
景信 T: う~ん……しょうがない。その代わり、今度からはこういうことしないようにね。
陽芽叶 T: はい!
景信 T: 次、同じようなことを言われても、承諾しないから。
陽芽叶 T: もし、同じようなことになったら、次はちゃんと正規の手順を踏みますよ笑
景信 T: 笑、分かった。よし、エレベーター前の看護師と代わってくれ。
陽芽叶 T: 分かりました。
看護師: えっと…
陽芽叶: はい、団長さんと繋がってます。
看護師: ……
戸惑いながらも、看護師は陽芽叶の携帯を受け取る。
看護師 T: あ、あの…もしもし?
景信 T: お疲れ様。突然ですまないが、その子を守里のところに連れて行ってやってくれ。
看護師 T: …本当に団長ですか?
景信 T: ふぅ……防衛団戦闘部1級団員"幸村華"。その子を俺の息子の病室に連れて行け。
幸村 T: っ…かしこまりました。
景信 T: 笑、頼んだよ。じゃ、返してあげて。
幸村 T: はい。
陽芽叶 T: 代わりました。
景信 T: 今、この電話を切ったら、すぐにお父さんに電話をかけるから、多分、猶予は10分ぐらいだよ笑
陽芽叶 T: はい笑。その間に、たくさん守里と話します。
景信 T: 笑……陽芽叶ちゃんが、普通の学校生活を楽しんでくれてるみたいで、良かった。
陽芽叶 T: おじさんのおかげです笑。また。
景信 T: あぁ笑
ピ
幸村: では、ご案内します。
そう言って、幸村は歩き出す。
陽芽叶: あれ?下じゃないんですか?
幸村: はい。今回、森崎君は一般の方に入院しています。
陽芽叶: あ、そうだったんだ。
幸村: 今回は、事情を知っている方が、一般の方にもいますので。
陽芽叶: 私みたいにですか?笑
幸村: はい。そういう方が、お見舞いに来られた際に、下に入院してると、困りますから。
陽芽叶: じゃあ、わざわざお姉さんに言わなくても、受付の人に聞けば良かったのか。
幸村: ですね………ところで、前に1度、来られたことあります?
陽芽叶: え?はい、1回だけ。
幸村: やっぱり…3年半前に森崎君が入院した時に。
陽芽叶: 笑、よく覚えてますね。
幸村: あの時は…まぁ、団長も一緒に来てましたから。
陽芽叶: なるほど笑
こうして、2人は話しながら歩き、守里の病室へ到着した。
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