ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第263話「執事&メイド喫茶の危機」

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第3グラウンド



ドスンッ!


中位: グハッ…


ドサ


大我: ふぅ……状況は?!


体育委員1: はい!えっと…


体委2: こっちも終わった。あと、向こうも終わったっぽいな。


体委3: 追加で来た5人も捕縛完了!


大我: よし、ならここはもう大丈夫だな。誰か、生徒会もしくは風紀委員からメッセージを受け取ってるやつは?!


体委4: 俺が受け取ってる!


大我: なら、ここにいる体育委員全員が、トラブルの対処に動けると伝えてくれ!


体委4: 了解です!


大我: あ、あと捕まえたヤツらの処理方法も!


体委4: 分かりました!


大我: よし、みんな、気合い入れ直して、行くぞ!!



「はい!!!」



その返事を聞き、大我は体育委員に指示を出しつつ、グラウンドの端の方にいる自分の姉の元へ向かう。



大我: 姉ちゃん。


小百合: さすが私の弟や。見事な手腕やったで!


大我: 笑、ありがと。それで、これからはどうするつもりなんだ?


小百合: 私達がどう動くかって話やんな……結真?


結真: 弟君は、どう動いて欲しいの?


大我: …この文化祭を無事に終わらせることだけを考えれば、御三家の方々には今の状況を乗り切るために、お力を貸して欲しいです。


結真: うん。


小百合: おぉ!もちろん、手伝って…


奈々未: さゆりん、早とちり。


小百合: え?


大我: しかし、OGの皆さんの力を借りるのは、現役の能高の体育委員長としては、あまりやりたくないことではあります。


小百合: え~頼ってぇや~


大我: それに、うちの頭もOGの方々の手助けは断るでしょう。


結真: まぁ、麗華と七星はそうするよね笑


大我: ですので、この事態を治めるのに、直接指揮を取られるのは、遠慮していただきたい、と思っています。


奈々未: 笑、随分と含みのある言い方をするじゃん。


大我: そうですか?笑


結真: じゃ、頑張って笑。ほら、さゆりんも。


小百合: 大我~キツくなったら、すぐにお姉ちゃんに言うんやで~!!


大我: では、お気をつけて。



そう言って一礼をして、大我は小百合達の元を離れ、各所のトラブル解決のために走り出した。


◆◆◆


およそ、5分前

若月が、梅澤と美月と連絡が取れないという報告を聞いた、少し前


2年1組教室



川嶋: お帰りなさいませ、ご主人様方。


中位1: ほほぉ、画像通りの美人じゃねぇか。


中位2: こりゃ楽しめそうだニヤニヤ


執事(受付): …8番です。(念の為に入口から近いところにしておこう。なんか危ない雰囲気を持ってるし。)


川嶋: かしこまりました。(このお客さん……目が怖い。)


中位1: さぁさぁ、一緒に楽しもうぜ、メイドさん。


川嶋: はい。お席にご案内いたします。



笑顔を保ちながらそう言い、後ろから感じるいやらしい視線に耐えながら、お客さんを席に誘導する川嶋。



川嶋: こちらがメニューとなります。ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押して、お呼びください。それでは、失礼します…



そう言い切って、一礼し、すぐにその場を離れようとしたのだが…



中位1: まぁまぁ、待てよ、メイドさん。俺らとお喋りしようぜw


中位2: せっかく指名してやったんだからw


川嶋: …少しだけなら……



担当している他のお客さんが、料理を食べ始めたばかりと言うことで、特に呼び出しがかかることはないと考え、川嶋は渋々、ニヤつく男達の言うことに従い、話し始める。



中位1: 君、名前はなんて言うの?


川嶋: 川嶋志帆と言います。


中位1: 志帆ちゃんか~この教室でメイドやってるってことは、2年生?


川嶋: はい。


中位2: お、ってことは17か。若いね~


川嶋: …


中位1: 17だと、まだ男性経験はない感じ?w


川嶋: え//…いや…


中位2: おいおい、その質問は早過ぎだろw。もうちょっとほぐしてからさw


中位1: すまんすまんw…って、あれ、顔赤くなってる?w


中位2: ほんとだw。ってことは、コイツが言ったのは当たってんだ。


川嶋: …


中位1: へぇ~こんな美人で処女ってなったらなww。超上物だぜ。


中位2: なぁメイドさん、俺らと別んとこで遊ばね?w


川嶋: そ、そういうのは、ちょっと…


中位2: ww冗談だって。


中位1: www



大きな笑い声が教室に響き、川嶋はそれに耐えようと顔を伏せる。



美月: …


梅澤: …



そんな様子を、メイドとして働いている美月と、客として、偶然同じ教室に来ていた梅澤が見ていた。

怒りの表情を浮かべながら。



美月: (志帆になんてことを…)


梅澤: (下品な会話をしやがって…志帆が困ってんだろうが…)



すると…



川嶋: キャッ!!


中位1: ww中々良い声を出してくれるじゃん。ほら、もっと可愛い声を聞かせろ。



男にいきなり臀部を触られた川嶋の声が響く。



川嶋: さ、触るのは禁止ですよ!!


執事(受付): お客様。当店では、メイドや執事に触ることを禁じております。



その声を聞き、入口に立っていた執事が間に入る。



中位2: あ?そんなの、最初に説明しなかっただろうが。それに、メイドならご主人様に尽くすのが普通なんじゃないのか?


執事(受付): 当店のメイドはそうじゃないんですよ。それと、予め説明をしなかった点に関しましては、私達の落ち度です。申し訳ございませんでした。


中位1: お前の謝罪なんて、どうでも良いよ。どっかに行っとけ。俺らはこの志帆ちゃんと楽しんでんだから。な?志帆ちゃん。


中位2: ほら、こっちに戻ってきた方が身のためだぜw


川嶋: …



男達の言葉に川嶋は俯いて黙り込み、それを見た執事が、男達を店から追い出すべきだと判断し、そう動こうとしたところで…



執事(受付): こちらのメイドは疲れているようなので、今回のところは一度…


中位1: w、ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ!


バコッ!


執事(受付): グアッ…


川嶋: っ!!!


美月: ちょっと!!



執事が殴られたのを見て、志帆は驚き固まり、美月は待機場所から駆け寄る。



美月: 大丈夫?!


中位2: お、こっちの子も可愛いじゃん。なぁ、この2人連れてかね?


中位1: ww賛成。ってことで、このメイドさん達、借りていきまーすw


美月: 志帆、後ろに…


川嶋: う、うん…



席から立ち上がった男達を睨みつけながら、美月は川嶋を後ろに匿う。


そして…



梅澤: お前ら、ふざけんじゃねぇよ。


東野: うちのメイドはお持ち帰りできません。



とうとう我慢の限界に達し、座っていられなくなった梅澤と、廊下から1組教室の異変に気づき、外の客を落ち着かせ、2組にはそのまま営業するように伝えた東野が、やって来る。



東野: お客様、他のお客様のご迷惑となりますので、お引き取りください。


中位1: 他の客の迷惑?w知ったこっちゃねぇよ。


中位2: ってか、そのメイド2人を渡してくれたら、大人しくしてやるのになw


梅澤: 常識も知らねぇし、ルールも守れねぇのかよ。だせぇ。


中位1: あ?舐めた口聞いてんじゃねぇよ。


梅澤: チッ…美月、他の客を離れさせろ。あと、私の前に出るな。


美月: う、うん…お願い。志帆、澪奈、後ろに下がろ。


川嶋: …


東野: 梅ちゃん、やるんなら外で。


梅澤: あぁ。




こうして、風紀委員の梅澤香蓮が、執事&メイド喫茶を荒らす男達と対峙するのだった。




to be continued
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