ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第262話「風紀委員達の動き」

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風紀委員室



若月: 改めて、今の状況を報告しろ。


風紀委員1: はい。現在、校舎とグラウンド含め、校内の各所でトラブルが相次いでおり、その件数は報告を受けたところで17件。そのうち、13件に風紀委員が対処に当たっており、その他4件はそこの店員や、その場に居合わせた方が対処をしているようです。


若月: まだ対処に動いていない風紀委員の数は?


風委1: 風紀委員室にいる我々を除き、8人です。


櫻宮: 全然余裕がないか…


若月: ソイツらと連絡は取れているのか?


風委1: えっと…


風委2: 4人とは取れています。命令を受ければ、すぐに動けるようにしておくとの事です。


若月: 他4人は?


風委2: 連絡が取れないです。


若月: う~む…


櫻宮: もしかしたら、トラブルに巻き込まれて、携帯を触れない状況なのかもよ。


若月: うちのがサボっているとは考えにくいが…まぁいい。連絡が取れ次第、すぐに現場に向かえるよう準備をさせておけ。


風委2: はい。


風委3: あ、今、特別教室校舎2階、このフロアのアイドル研究部の展示の前で起きたトラブルが解決したそうです。


若月: そうか…確かそこは…


風委3: 男の風紀委員が行ったら追い返されて、代わり女性の風紀委員を向かわせたところです。


若月: 笑、たまたま引退した部長がいたか。


櫻宮: あぁ笑。あの子、強いもんね。


若月: じゃあ、そこにいた風紀委員を…


風委4: またトラブル発生です!場所は、第4区域に続く道の途中です!


若月: …そこに向かわせろ。


風委3: はい!


風委5: さらに、第2グラウンドの展示エリアでトラブル発生です!


若月: すぐに、待機させている風紀委員を!


風委3: 頼む。


風委2: 了解です!


風委6: 教室校舎3階の粉物ランドのトラブルで増援を求めています。どうやら、暴力的な相手らしく、風紀委員も含め、止めに入った生徒数名が殴られたとの報告です!


櫻宮: っ!!


若月: …葵波と愛衣は?!


風委2: 現在、第1グラウンド前のトラブルの対処に当たっています。


若月: どちらか1人だけでも、そっちに行けないか確認してくれ!


風委2: はい!


櫻宮: 体育委員と格闘技系の部員を増援に向かわせる。桃子。


倉田: はい……体育委員は10名は出せるそうです。他は第3グラウンドで波状的に起こっているトラブルの対応に追われているようで。


若月: 波状的にって、そんなことになっていたのか。全く、ちゃんと報告をしやがれ、大我。


倉田: 空手部、柔道部、レスリング部など、格闘技系の部活動は、部員の招集に時間はかかりますが、部長の近くにいた数名はすぐに動ける状態だそうです。


櫻宮: なら……そのうちガタイのいい子達だけ、トラブルの対処に当たらせるように言って。そして、手を出すのはダメだとも。


倉田: 分かりました。トラブルが発生している場所の情報も含めて、メッセージを送ります。


櫻宮: よろしく。


若月: さすがに、風紀委員以外に手を出させるわけにもいかないからな。戦闘行為を行った結果、やられてしまっても、逆に正当防衛以上の行為と取られるような怪我を相手にさせてしまっても、問題が生じる。


櫻宮: うん。風紀委員には本当に申し訳ないんだけどね。


若月: 何を言ってるんだ。それが、風紀委員の役割だ笑


櫻宮: ありがとう。


風委2: 葵波先輩と愛衣先輩の件ですが、愛衣先輩が教室校舎3階に向かうそうです。


若月: OK…って、美結と瑠奈はトラブルの対処に当たっていると聞いたが、守里と梅はどうしているんだ?


風委2: その2人こそ、連絡が取れない4人のうちの……あ、今1人から、用を足していたとの連絡が来たので…


若月: そこは要らん。とにかく連絡が取れたんだな。ってことは…


風委2: はい。守里君と梅澤ちゃん、あと美月ちゃんだけ、未だに連絡が取れていないです。


若月: その3人か……重要な戦力なのに…


櫻宮: それこそ、その3人は報告に上がっていないトラブルの対処に当たっているんじゃないの?


若月: …かもな。


風委4: おっ、教室校舎1階の東階段前で起こっていたトラブルが解決したそうです!しかも、トラブルを起こしていたヤツらを捕獲したと!


若月: 確かそこは…優太と珠美が行ったところだよな?


風委4: はい。特別教室校舎の1階でトラブルを起こしていたヤツらを捕らえた松高、林原ペアが合流して、そこでも敵を捕らえたみたいです。


若月: ってことは……怪我人はいないか?


風委4: そういう報告は受けていません。


若月: ふぅ、良かった。美結と瑠奈がいないと解決できなかったということは、実力行使で来る敵だったみたいだからな。


櫻宮: その2人は、夏休みに風紀委員会に移った子達だよね?


若月: あぁ。鍛えといて正解だった。


風委5: 正門受付でもトラブル発生です!


若月: クッ、とうとう受付でもトラブルが…


櫻宮: じゃあ、その2人に行かせたら?ちょうど捕まえたヤツらを外に出さないとだろうし。


若月: そうだな。美結と瑠奈には、正門受付でのトラブルへの対応ついでに、捕まえたヤツらの追放をするように言って、優太と珠美には、裏門に向かうように言ってくれ。


風委3: はい!


風委2: っと、今、新里君からの情報で、捕らえた人達が顔見知りだったみたいです。


若月: 顔見知りだと?


風委2: はい。新里君が対応していた人達と、松高ちゃん達が捕まえていた人達が顔を合わせた時に、顔見知りのような反応を取ったとのことです。


若月: …


櫻宮: 偶然って可能性も考えられるけど、もしそうじゃないとしたら…


若月: …考えたくないな。


櫻宮: ちゃんと確認するためにも、捕らえることができたヤツらは一度、集めた方が良さそうだね。


若月: あぁ。さっきの美結と瑠奈、優太と珠美に出した命令は撤回で、美結は優太と正門のトラブル対処に向かい、瑠奈と珠美は……ここの隣で良いか。ここの隣の部屋に、捕まえたヤツらを連れてくるように言ってくれ。


風委3: すぐに連絡します!


若月: うん、頼んだ。


櫻宮: 裏門はどうする?


若月: 今、待機は何人残ってる?


風委2: 連絡を取れない3人を除き、0です。


若月: そうか…


倉田: 空手部、柔道部合わせて15人、追加で動けるそうです。


若月: よし、ソイツらに裏門を任せよう。


櫻宮: うん。道着を着て立っとけば、威圧感が出て、トラブルを起こそうとする人は出ないでしょ。その分、入ってくる人は減っちゃいそうだけど。


若月: まぁ、それはしょうがない。今は、この大量のトラブルへの対処が最優先だ。


櫻宮: 分かってるよ。桃子。


倉田: はい。すぐに。


若月: さぁ、みんな集中して、乗り越えるよ!



「はい!!」



◇◇◇


教室校舎1階



松高: …じゃ、行こ。


新里: うん。


松高: さっさと終わらせよう。


新里: そうだね。


林原: 新里、美結のことをよろしく!


松高: 笑、私の方がよろしくする側でしょ。


新里: え、そう?


珠美: 優太、頑張って!


新里: そっちもね。


松高: 瑠奈、私がいない間にヘマするんじゃないよ。


林原: 舐めんな笑


松高: 笑…同士、またね。


蓮花: はい!また!



そうして、松高は歩き始め、それに気づいた新里も続く。



望月: あ、もう行っちゃうんだ。


水谷: みんな!…ありがとうございました!



「ありがとうございました!!」



中3組の感謝の言葉を聞き、松高は後ろ手で手を振り、新里は笑顔でそれに応えながら、正門へ歩いて行った。



水谷: いや~カッコ良かったな~悪い奴らも、こうビュンッ!バンッ!って、すぐに倒しちゃったし。


望月: あっという間だったよね笑


水谷: 玲衣もあんな風になりたいな~


望月: 笑、頑張って。


林原: お、一緒に訓練してみる?笑


水谷: 訓練があるんですか?!


林原: うん。めちゃくちゃキツいけど、強くなれる。


水谷: う~ん、お願いしたいですけど、まだ受験とか控えてるし…


林原: 笑、もちろん能高に入ってからの話だからね。


水谷: あぁ!それだったら、申し込みだけしときたいです!絶対に能高に入学するので!


林原: おっけ~笑


水谷: 彩芽もやる?


望月: いや、私はいいや。


水谷: そっか~じゃあ、私が強くなって、彩芽を守る!!


望月: 笑、ならお願い。


林原: (笑、良いコンビじゃん。)


珠美: 蓮花ちゃん、怖かったでしょ。よく頑張ったね。


蓮花: いえ…2人が守ってくれたので、大丈夫でした。



そばにいた鴨田と元気を見ながらそう言う。



珠美: へぇ~


鴨田: いや、僕は何も…ただ元気の後ろで、眺めることしかできなかったので…


蓮花: でも、良介が蓮花の手を握ってくれて、すごく安心したんだよ。


元気: え、お前、そんなことしてたの?笑


鴨田: あ、あの時は咄嗟に…蓮花さんの手が震えてたから…


元気: ふ~ん笑


珠美: ほぉ~


蓮花: 笑、ありがと。助かったよ。



上目遣いでそう言う蓮花。



鴨田: ///ど、どうも…


元気: キョドりすぎ笑


蓮花: ま、今回一番頼もしかったのは、元気だけどね。


水谷: え?そうだったの?


蓮花: うん!


望月: 私達の前に出て、ビビらずあの男達と面と向かって話してて、凄かったんだ。


鴨田: さすが、元気だ。


水谷: そうだったんだ!元気、すごいね!!


元気: 笑、たまたまだよ。


林原: 良い関係性だね~笑。よし、珠美ちゃん、私達も行こう。


珠美: うん!みんな、気をつけて楽しんで!


水谷: はい!


蓮花: ありがとうございました!珠美さんも、瑠奈さんも、また今度遊びましょう!


珠美: 笑、OK!じゃあね~


林原: もちろん!みんな、バイバイ。



そう言って、珠美と林原も捕まえたヤツらを連れて去って行き、中3組だけが残った。



望月: ってかさ、気になったんだけど、あの先輩方と、蓮花は知り合いなの?


蓮花: うん。男の先輩は初めましてだったけど、他の3人の先輩は、全員お兄ちゃんとお姉ちゃんのお友達なんだ。


望月: そうだったんだ。


蓮花: それこそ、お化け屋敷に行った後に、蓮花が会いたいって言ってた先輩2人は、男達をボコボコにしてた2人だよ。


元気: あぁ、そういえば、そんなこと言ってたね。良かったじゃん、会いたかった先輩に会えて。


蓮花: うん。めっちゃ嬉しかった。


水谷: また会いたいな~!


元気: 笑、さ、次どうする?


望月: う~ん、正直また同じ目に遭いそうで、怖いんだよね。


水谷: だよね~


鴨田: しばらく、どこかのお店に入っとかない?


蓮花: あ、それ良いかも。


元気: うん、じゃあそうしよう。(なんか周りも騒がしいし…)


水谷: レッツゴー!!



こうして、風紀委員の助けでピンチを乗り越えた中3組の5人は、再び笑顔で歩き始めたのだった。




to be continued

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