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第7章 文化祭編

第246話「2年生組vs守里」

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第3グラウンド付近



守里: さぁ、どうかな…



紗耶達から逃げ切った後、念の為に、色んな所を経由して、第3グラウンドまでやって来た守里。


今のところ、視線は感じないけど、珠美と優太君みたいな感じで突然来る可能性もあるから、しっかりと警戒しとかなければ…



「ヒントが全く分からん!」


「難し過ぎだろ…」


「もしかしたら、景品を渡すつもりがないのかもね。」


「でも、あの生徒会がそんなことするかな?」


「確かに…よし、頭良さげな人を捕まえて、手伝ってもらおうぜ!」


「うん!」



守里: 笑



さすが生徒会。

信頼が厚いな~


まぁ、この企画は生徒会への信頼が前提にないと、成立しないものだから、そりゃそうなんだけど。

改めて実感する。


と、守里が周りの声を聞き、怪しまれない程度に警戒しながら、第3グラウンドに向かって歩いている一方で、その守里を探している人達は…




少し前


教室校舎付近



梅澤: こんなだだっ広い場所の中で、人1人を無闇矢鱈に探しても、見つけられないんじゃねぇのか?


美月: いや、こっちの方から、守里の気配を感じる…


梅澤: とか言いつつ、さっきと向かってる方向が違うじゃん。


美月: ついさっきまでは、第5の方だったんだけど、今は、第3グラウンドの方に気配を感じるの!


梅澤: ほんとか?…まぁ、美月の勘だから信じるけど……走った方が良いんじゃね?


美月: そりゃ、香蓮の言う通りに走った方が、早く守里を見つけられるかもしれないけど…


梅澤: けど?


美月: 肝心なところで、私の体力が切れたら、おしまいでしょ!!


梅澤: お前の体力の問題かい!笑




第2グラウンド付近



ダダダダダ



日向子: 守里~!!!…どこ~!!!!


飛香: キョロキョロ(守里が逃げているのであれば、自分の足の速さを存分に活かすことができない建物の中には入らないと思うんだけど…)



ダダダダダ



日向子: 守里~!!…出ておいで~!!!


飛香: (第1グラウンドの方から回ってきて、ここまで守里の姿はない…ってことは、第3、第4、第5の方にいる…いやでも、逆に校舎の中にいる可能性も…)



叫びながら日向子が辺りを走っている中、飛香はひたすらに頭を回す。



日向子: あっしゅん!守里いないみたい!!


飛香: そっか…第2グラウンドにもいないか…


日向子: 次は第3グラウンドに行く?


飛香: いや、一旦、校舎の中を…


日向子: う~ん、私は第3グラウンドに行った方が良いと思う!


飛香: なんで?


日向子: だって、あっしゅん言ってたじゃん。校舎の中には守里はいないだろうから、グラウンドを順番に回った方が良いって!


飛香: …日向子はそれで良いの?


日向子: あったりまえよ!私はあっしゅんの言ったことは信じるし、あっしゅんの言ったことは合ってると思うから!


飛香: 笑、後悔しても知んないぞ。よし、第3グラウンドに行こう。


日向子: うん!




実習校舎1階



陽芽叶: ふ~む……守里、どこにいるんだろうな~




プルルル



陽芽叶: ん…



ピ



陽芽叶 T: もしもし?どうしたの、葵波。



葵波 T: 今ちょうど、こっちの仕事が終わったので、守里を探し始めようとしたところなんですが、早速、第3グラウンドの近くで、守里の目撃情報を入手しました。


陽芽叶 T: それ、ほんと?


葵波 T: はい。見回りをしている風紀委員からの情報です。


陽芽叶 T: 大手柄だよ笑、葵波。


葵波 T: ありがとうございます。では、私もそちらに合流して、一緒に第3グラウンドに行きましょう。


陽芽叶 T: うん、そうした方が良い…




ビリッ




陽芽叶: …


葵波 T: どうかされましたか?


陽芽叶 T: 笑、いや、チャンスが巡ってきたみたい。


葵波 T: ?えっと…


陽芽叶 T: 私は実習校舎にいるから、よろしく。


葵波 T: はい!



ピ



陽芽叶: よし、早速、窓を開けて、準備準備…




そして…


第3グラウンド付近



守里: …


美月: あ!!


日向子: あ!!!!


守里: え?


美月 日向子: 守里発見!!!


守里: なに?!!


梅澤: ほんとにいた!!!


美月: ここが走りどころだぞ!私!!


日向子: あっしゅん!!守里いたよ!!


飛香: すぐに捕まえて!!!


守里: やっば!!



自分の名前を呼ぶ、聞き馴染みのある声が聞こえた瞬間に、守里は走り出す。



美月: こら~!!待て~!!!


梅澤: いや、美月遅すぎ!


美月: それでも捕まえるの!!


梅澤: 笑、あぁ。


日向子: あっしゅん!普通にやっても追いつけないよ!!


飛香: 分かってる!第3グラウンドの中に向かって、守里を追い詰めて!


日向子: 了解!!



飛香の指示で、日向子が守里の進路を塞ぐように動き、守里は第3グラウンドの入口の方に誘導されていく。



飛香: 美月、梅!日向子と逆の方向から、守里を!


美月: うぅ…仕方ない!!香蓮、行くよ!


梅澤: おう!


守里: おっと、マジか…



このまま第3グラウンドに入っても良いけど、第3グラウンドの中には、たくさん人がいて、思うように逃げれない可能性が高い。

ってことは、第3グラウンドの中に入らず、どうにか、みんなを振り切って逃げないと…



守里: …



追ってくる日向子達3人に対し、ずっと背中を見せていた守里が突然振り向き、3人と目を合わせる。



日向子: おっ!観念したか!!


美月: ねぇ守里!!私とテーマパークに行こうよ!!だから、赤い宝石を渡して!!


守里: あ…


梅澤: ちょっと美月!


美月: え?…あ…



「赤い宝石?」


「いつもの追いかけっこかと思ってたけど、森崎君が赤い宝石を持ってるの?」


「マジかよ!守里!!」


「あの男の子が宝石を持ってるんだって!」


「捕まえようぜ!」



守里: 余計ヤバいな……もう行くしかない!



周りの人々も、守里が赤の宝石を持っていると分かり、自分に狙いを定めるのを感じた守里は、日向子と美月達の間を見て、地面を蹴る。



ビュンッ!!



そして、日向子達が伸ばしている手の間を、ギリギリですり抜ける。



日向子: あ!!間抜かれた!!


美月: ま、待ってよ!


梅澤: このままじゃ振り切られる!


守里: …



よし、なんとか抜けれた、後は、全速力で別の場所に…



飛香: ニヤッ


守里: なっ…


飛香: 作戦通り!



先程の珠美達と同じように、全速力で走ろうとした守里の前に飛香が飛び出して…



飛香: あ…


守里: あぶなっ!


ギュッ



来る前に、何も無いところで躓き、転けそうになった飛香を、守里がなんとか抱き抱える。



美月: あ!!!!


梅澤: 笑


日向子: あっしゅん!!


飛香: ////


守里: ごめんだけど、行くね笑



そう言って、地面に飛香を下ろし、守里は再び走り出した。



飛香: ///…


美月: ちょっと飛香!!


梅澤: 今は、守里を追いかけるのが優先なんじゃないのか?笑


美月: 確かに…待て~!!!


日向子: ほら、あっしゅん!!行くよ!!


飛香: う、うん…



「あっちに行ったぞ!!」


「俺が捕まえる!!」


「あの子、お姫様抱っこされてたわよ笑」


「顔真っ赤にしちゃって…可愛い!」


「ってか、あの追いかけてる女の子、あのメイド喫茶のメイドちゃんじゃない?」


「宝石持ってるって男の子、執事の子じゃん!」


「もしかして、デートに行ける?」


「追いかけるよ!!」



守里: 思った以上にヤバい展開!!



日向子と飛香、美月、梅澤を先頭とした数十人の集団に、追いかけられる守里。


さて、残り時間20分。


守里の運命はいかに!




to be continued
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