ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第232話「文化祭開幕」

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文化祭開始まで残り30分



東野: ゲームの準備完了!お店の準備完了!クラス全員出席確認!!



1組教室の前の廊下で、そう叫ぶ東野。



春時: 笑、気合い入ってんな。


杉浦: とうとう本番だからな。プロデューサーとしての心が燃えてるんだろ笑


春時: 澪奈は、何気にプロデューサー役がハマってたよな。


璃勇: 周りも見れるし、指示もちゃんと出せる人だからね。


杉浦: ちょっと怖い時もあったが笑


春時: サボるな!!ってな笑


飛香: 笑、今日からも仕事サボってたら、その叱責が飛ぶかもよ。


杉浦: え、お客さんいるのにか?


飛香: 澪奈なら、やりかねないでしょ。


美月: それに、澪奈はずっとここの近くにいるし。


春時: 想像できる…


杉浦: マジ?…


飛香: 笑、サボんなかったら良いんだって。


杉浦: いや、サボることはないけどさ…


璃勇: ってか、お客さん側から指名されるってシステム上、強制的に動かないとだから、サボれないよ笑


美月: 確かに笑


春時: そのサボるもだが……笑、ゲームもサボらないようにしないと。特に飛香。


飛香: …


春時: 澪奈のノリで、結構なヤツを入れられたからな笑


璃勇: あぁ笑、アレか。山室さんと…あと、川嶋さんとかにとっても、結構キツいよね。


美月: 笑、私はキツくないの?


春時: だって、美月は仕事って思ったら何でもやり切るでしょ。


美月: そう思ってくれてるのは嬉しいけど、本当だったら、私は守里相手にしかやりたくないんだよ笑


杉浦: ったく、羨ましいぜ笑


飛香: 私だって、仕事だって思ったら、ちゃんとやるし…


春時: 笑、頑張れ。


璃勇: …って、あれ?神田さんは?


杉浦: あ、それ俺も気になってたんだ。いつも山室さん達にくっついてるのに、見当たらないし。


飛香: 祐希?祐希だったらそこに…え?


美月: いなくなってるよ!さっきまでそこで寝てたのに!



受付の近くに置いてある椅子に座って、いつも通り寝ていた祐希が、いつの間にかいなくなっており、飛香と美月は驚く。



春時: 守里について行ったんじゃないか?


守里: ん?僕がどうした?


春時: うぉっ、後ろに来てたんだ。


守里: いや、ちょっとトイレに行ってて、戻ってきたら春時達がいたからさ。


飛香: 祐希がどこに行ったか、知らない?


守里: 祐希?祐希だったら、今さっきフラフラと更衣室の方に歩いて行ってたのを見たけど。


美月: 更衣室か。


春時: 確認してきたら?


飛香: うん。行ってくる。



そうして、飛香は祐希を探しに女子更衣室へ向かい…



東野: そろそろ、午前にシフト入ってる人は準備して!


春時: 俺らも行くか。


杉浦: おう。



執事になる2人も、男子更衣室に向かった。



守里: 美月と璃勇君は最初どうするの?


璃勇: 僕は適当に見て回ろうって思ってるよ。


守里: そっか。面白そうなところがあったら、後で教えてね。


璃勇: 分かった笑


守里: 美月は?


美月: 私も璃勇君と同じ感じだけど…


東野: ねぇ、美月。


美月: ん?どうしたの?澪奈。


東野: あのさ、シフト入ってないのにごめんなんだけど、受付前での宣伝を手伝ってくれない?


美月: あぁ、あの看板持ったりチラシ配ったりするやつ?


東野: そうそう。元々の担当の子はいるんだけど、剣崎先生との話し合いの結果、もうちょっと宣伝要員を増やしつつ強化して、スタートダッシュをしっかり決めようってことになったの。


美月: うん、良いよ。


東野: じゃあ、美月もメイド服に着替えて来て。


美月: メイド服に?


東野: そりゃそうでしょ笑。執事&メイド喫茶の宣伝なんだから。


璃勇: …(逃げよ。)


守里: ?



美月と東野が話している間に、璃勇はその場を去った。



美月: 分かった。メイド服を着て、宣伝すれば良いんだよね?


東野: うん。じゃあ、着替え終わったら、またこっちに来て。


美月: はーい。


東野: あと、飛香知らない?


美月: 飛香だったら、今は祐希を探しに更衣室に行ったけど。


東野: 笑、ちょうど良いじゃん。私も更衣室に行くよ。


美月: …そういうことね笑。よし、行こう。バイバイ、守里。


守里: うん、頑張って笑


東野: それと…って、璃勇君いないじゃん。


守里: 璃勇君は、どこかに行っちゃったよ。


東野: クッ…逃げたか…守里君はキッチンだし…しょうがない、他の誰かを捕まえよう。


守里: 笑、東野さんも頑張ってね。




10分後…



祐希: ふぁ~あ…


美月: 笑


飛香: …


東野: よし、宣伝要員確保。準備はできた?


メイド(宣伝): うん。チラシは校内の掲示板に貼ってきたし、手持ちも100枚はあるよ。


執事(宣伝): 看板もOK。


東野: 了解。なら早速、各受付近くに行って。飛香、美月、祐希は、正門の方に行ってね。


美月: 了解。


飛香: なんで私まで…


東野: ちょっとだけだから、お願いって。


飛香: はぁ……約束通り、20分だけね。


東野: うん。3人とも20分経ったら、こっちに戻って来てもらって良いから。


祐希: …ふぁ~あ…


東野: 祐希には、あとでカレーの模擬店で使えるクーポン券をあげる。それを使えば特盛が無料だよ。


祐希: っ!!祐希頑張る!!!


美月: 笑、どこでそのクーポン券をゲットしたの?


東野: そこのプロデューサーと、ちょっと仲が良くてね。


美月: へぇ~


東野: さ、気合い入れて、レッツゴー!!!


祐希: よっしゃ行くぞ!!


美月: 飛香行くよ。


飛香: うん……はぁ…



テンション爆上げの東野の言葉で、宣伝組が出発した。




1組教室



日向子: やっぱ、ちょっと動きにくい。


春時: 笑、動きやすさは重視してないからな。


日向子: これじゃあ、ご主人様が転けそうになった時に、パッと助けられないよ!


杉浦: あ、そのための動きやすさなんだ笑


春時: それはまぁ…大丈夫だろ。


日向子: そう?


春時: だって、凄いご主人様が転けるわけないじゃん。


杉浦: (え、どういう理由…)


日向子: 確かに!


杉浦: (確かに?それで納得したのか。さすが南雲さんだ。)


春時: だから、日向子は何も気にせず、いつも通り、リハ通り、元気よく明るい笑顔のメイドさんになりな笑


日向子: うん!!よっしゃ頑張るぞ!!!


春時: 笑


杉浦: そうだよな、この感じに慣れていかないとなんだよな、出番が増えた以上。


春時: 出番?…まぁ、一緒に頑張ろうぜ。


杉浦: おう…




2組教室



川嶋: ふぅ…ふぅ…


守里: 志帆、緊張し過ぎ。


陽芽叶: 昨日のリハは、ちゃんとできてたんだから、大丈夫だよ。


川嶋: でも、リハと違って、同じクラスの人だけじゃなくて、他のクラスの人や先輩、後輩…なんなら、地域の人とか、生徒の家族、友達とか、会ったことない人も来るじゃん…不安でしかない…


守里: う~ん…



志帆の元気付け方が、まだ、よく分かんないんだよな。

一体、どうすれば…



秋吉: もう!志帆!いつまでもグズグズしてないの!


川嶋: みなみ…


秋吉: 志帆はできる子なんだから、堂々と胸張って、メイドさんをやればいいの!


川嶋: …


秋吉: 安心して。みなみもついてるんだから笑


川嶋: ……うん、そうだね。頑張る!


守里: おぉ…


陽芽叶: みなみちゃん凄い…


守里: さすが、本来は姉の秋吉さんだ。


陽芽叶: 普段は妹な感じだけど、実際には妹がいる、お姉ちゃんなんだもんね。


守里: 頼りになるな~


秋吉: 笑、みなみ、頼りになる?


守里: うん笑


秋吉: やった。嬉しい!



そんな喜ぶ様子を見て…



守里: やっぱ、妹なんだよな…蓮花に似てるし。


陽芽叶: だね笑


川嶋: 私ならできる、できる!!



と、それぞれで完全に準備が完了したところで…



ピンポンパンポーン



櫻宮: 皆さん、おはようございます。生徒会長の櫻宮麗華です。


守里: あ、櫻宮さんだ。


陽芽叶: 最初の挨拶かな。


川嶋: は、はぁぁ…


櫻宮: とうとう、この時がやって来ましたね~文化祭開催まで、残り1分です。皆さん、準備はできてますか~?!


守里: いつも以上にテンションが高い笑


川嶋: はーい!!!!


陽芽叶: こっちも笑


櫻宮: 今回の文化祭は、新しいシステムも導入し、イベントも増やして、過去最大規模となっています。もちろん、来てくださるお客さん達が楽しめるようにすることも大事ですが、一番は、生徒の皆さんが楽しむことですからね!!


川嶋: めっちゃくちゃ楽しみます!!!!


守里: 声が大きいよ、志帆笑


陽芽叶: 既に楽しんじゃってる笑


櫻宮: 皆さんが笑顔で楽しんでいれば、お客さんも楽しんでくれます。ですので、最後まで、文化祭の後夜祭まで、生徒全員が笑顔でいられるようにしましょう!それが、私の願いです。


守里: 櫻宮さんの願いか。


川嶋: 絶対に叶えます!!


陽芽叶: 笑、そうだね。


櫻宮: 改めまして、皆さん、これから3日間、全力で楽しんでいきましょう!!!おー!!



「「「「「「「おーーーーー!!!!!」」」」」」」



学校中から、生徒達の声が響く。



櫻宮: 笑、ここからも聞こえました。皆さん、その意気で行きましょうね。それとこの後、10秒カウントダウンがあるので、さっきと同じように声を合わせてください!では、私の挨拶は以上です。楽しい文化祭を!!



ピンポンパンポーン



川嶋: いや~さすが生徒会長。最高の挨拶だった…



恍惚とした表情で、放送が流れたスピーカーを眺める川嶋。



守里: 志帆の感情の変動は、まさにジェットコースターだな笑


陽芽叶: 言えてる笑


川嶋: よっしゃ!会長様が言う通り、笑顔で楽しむぞ!!!!うぉぉ!!!


守里: 笑



「「「10!!!」」」



守里: あ、カウントダウンだ。



「「「9!!!」」」



陽芽叶: めちゃくちゃ盛り上がってるね!



「「「8!!!」」」



春時: 声が凄い笑



「「「7!!!」」」



日向子: っしゃぁぁああ!!!



「「「6!!!」」」



美月: もう、あんなに並んでるよ!!



「「「5!!!」」」



飛香: 仕事だ…やるぞ!



「「「4!!!」」」



祐希: ワクワク



「「「3!!!」」」



直也: …



「「「2!!!」」」



七星: 無事、終わるとええけど…



「「「1!!!」」」



守里: よし!



パンッ!!!!パンッ!!パンッ!!



花火の空砲が上がり…



「第45回伊衛能高校文化祭、スタートです!!!」


文化祭が始まった。




to be continued
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