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第7章 文化祭編

第231話「文化祭初日の朝」

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翌日

文化祭初日




正門前



守里: とうとうだね。


美月: うん。


日向子: 頑張るぞ!!


桜: 笑、はい。



既に、受付もICFカード関連の機械も設置された正門前で、意気込む守里達。



櫻宮: あ、守里じゃん。


守里: あれ、櫻宮先輩。



受付のテントから、櫻宮が顔を出す。



日向子: おはようございます!!会長!!


美月: おはようございます。


櫻宮: みんな、おはよ~


桜: か、会長さんだ…


櫻宮: 笑、白城桜ちゃんね。おはよう。


桜: お、おはようございます。


守里: こんなところで何やってたんですか?


櫻宮: 最終確認もしつつ、こう、正門から入ってきた時に、飾り付けがどう見えるかなって思ってさ。ほら、私は東門から登校してくるから。


守里: なるほど。で、どうなんですか?文化祭仕様の能高は。


櫻宮: うん。最高だね。少なくとも、この外観は、歴代の能高文化祭の中でも一番良いと思う。


守里: 笑、そうですか。じゃあ、外観だけじゃなくて、中身も歴代最高の文化祭にしましょう。


櫻宮: だね。みんな、一緒に頑張ろう。


日向子: はい!!


美月: 頑張ります。


桜: ひゃい!


櫻宮: 笑、守里達のとこの執事&メイド喫茶も、桜ちゃんのとこのロミジュリの劇も楽しみにしてるよ……あ、守里。



何かを思い出したように、櫻宮は守里の耳に口を近づける。



守里: なんです?


櫻宮: あの宝石、ちゃんと持ってるよね?ボソッ


守里: はい、もちろんボソッ


櫻宮: ちゃんと持っとくんだよ笑ボソッ


守里: 分かってますボソッ


櫻宮: 笑、ならOK。じゃ、みんなバイバイ!



そう言って、櫻宮は校舎に向かって歩いて行った。



美月: なんの話?


守里: いや、生徒会の仕事の話だよ。さ、受付済ませて、早く教室に行こう。


日向子: はーい!ここで良いの?



十数台並んでいるカード登録用の機械の前に立つ。



受付: うん。じゃあ、この画面に名前とメールアドレスを入力して。


日向子: 分かった!


守里: 美月と桜もカードを貰いな。


美月: うん。桜、行こ。


桜: うん。


美月: ってか、桜は緊張し過ぎ笑


桜: だって生徒会長さんだよ。初めて喋ったし…


美月: 笑、慣れてかないと。


桜: う~ん…



と、2人も喋りながら、機械の前に並ぶ。



日向子: はい、できた!


受付: ありがとうございます。じゃあ、この出てきたのが、南雲さんのICFカードね。説明が表示されてるけど、聞いてるでしょ?


日向子: うん。昨日聞いた!…よね?



後ろの守里の方を振り返る。



守里: 覚えてないの?笑


日向子: いや!覚えてる。


受付: えっと…森崎君が教えてあげて笑


守里: 分かりました。


受付: では、どうぞ、お楽しみください笑


日向子: はーい!


守里: みんな、カード受け取った?


美月: うん。


桜: これがICFカードか…


守里: じゃあ、チャージ機のとこに行こう。



全員がICFカードを受け取り、チャージ機の前へ。



美月: いくらぐらい入れる?


守里: まずは1000円ぐらいで良いんじゃない?校内にも結構設置してあるし、足りなくなったらそこでチャージすれば良いよ。


美月: そうだね。


桜: 1000円っと…


日向子: ねぇ、クーポンがどうとか書かれてるんだけど!


守里: 持ってないなら…って、日向子はクーポン持ってるんじゃない?


日向子: あ、昨日美咲ちゃんにもらった……これこれ!



財布の中から1000円札と、クーポン券を取り出す。



守里: じゃあ、「あり」をタップして、機械のカメラでクーポンのQRコードを読み取って。


日向子: 了解!!


美月: チャージ完了!


桜: さくも。


守里: このカードは失くしたらダメだよ。再発行は、中々面倒臭いみたいだから。


美月: うん。


桜: 気をつけないと…


日向子: これで良いの?守里。


守里: うん。これで、会計の時に店員さんから、クーポンを使うかどうか聞かれるから。


日向子: で、使うって言えば良いんだ。


守里: そう。おそらく、クーポン券は模擬店の景品とかであると思うけど、ゲットした紙の券をそのまま見せても使えないから、ちゃんとチャージ機でカードにクーポンを登録するように。


日向子: うん!


美月: ちょっと面倒。


守里: おそらく、紙の券の紛失とか、同じ券を何回も使用するのを防ぐためだと思う。


美月: そういう事か。


桜: 色々と考えられてるんだね。


守里: 笑、それこそ、最高の文化祭にするためだよ。櫻宮さん達が長い時間をかけて考えた結果なんだ。


桜: すごい…


日向子: あ~なんか、文化祭の開幕が楽しみになってきた!!!


美月: 笑、同じく。


守里: よし、教室に行こう。いつもよりは早いけど、もう東野さんはいるだろうし。


美月: うん。


日向子: 桜ちゃんは、本番は三日目だけど、今日も体育館で練習するんでしょ?


桜: はい。第5体育館で練習します。


日向子: 頑張って!!!


桜: 頑張ります!日向子ちゃんも、お兄ちゃんもお姉ちゃんも頑張ってね。


守里: うん。


美月: 頑張る。じゃ、またね。


桜: じゃあね。



そうして、守里達は桜と別れ、教室へ向かった。




教室


ガラガラ



日向子: おっはよー!!!


東野: この声は、日向子?!



キッチンの方から、東野の声が聞こえる。



日向子: あ、キッチンにいるの?!


東野: うん……おはよう。



キッチンに続くところから、東野が顔を出す。



美月: おはよう、澪奈。


守里: おはよう。あれ、まだ東野さんだけ?


東野: いや、ちょうどさっき、食材が届いたって連絡が来たから、みんなに取りに行ってもらってる。


守里: あぁ、食料庫の方に行ってるんだ。


東野: そうそう。


日向子: それで、澪奈は何やってるの?


東野: 私は、恥ずかしながら今朝まで存在を忘れていた、このクーポン券達をどうしよっかな、って考えてる。


日向子: クーポン券?なら、チャージ機でカードに登録しないと!


東野: 私のクーポン券ならね笑


守里: 多分それは、お客さん用のクーポン券でしょ?各模擬店に配られる。


東野: うん。何かのチャレンジの景品とかにしないといけなかったんだけど…


美月: 忘れちゃってたんだ笑


東野: 結構マジで、焦ってる。


守里: う~ん…喫茶店、というか料理店で景品というと、チャレンジ料理の景品が真っ先に思いつくよね。


東野: だけど、今更新しい料理は増やせないし。だから、お客さんが執事かメイドとのゲームに勝ったら、クーポン券を貰える、みたいな感じにしたらどうかなって、今は考えてるんだけど…


日向子: ゲームか~じゃんけんとか?


美月: それだと、クーポン券がすぐ無くなっちゃうよ。


東野: 初日こそ、景品が残ってるからゲームができるけど、三日目には景品が無くて、もうゲームができませんとかなったら、笑えないからね笑


守里: ゲームの難易度調整が、難し過ぎるな。担当する執事とメイドによって、難易度が変わるから……あ!


東野: 良いの思いついた?


守里: ボックスを用意してさ、その中にゲームの名前が書かれたカードを10枚ぐらい入れておくんだ。そして、お客さんに一枚だけ引いてもらって、そのゲームを担当の執事かメイドとやるってのは、どう?


東野: …?


守里: こうすれば、お客さんは箱の中に何のゲームがあるのかすら、分からないのに対して、こっち側は何が選ばれるのかは分からないけど、何があるかは分かってるから、ゲームの仕組み上は、こっち側が有利。


東野: ふむふむ…


美月: あぁ…それに、ゲームを幅広く色んな種類用意すれば、担当する執事とメイドによって、得意不得意が分かれるから、お客さんのくじ運によっても、ゲームの難易度が変わってくる…でしょ?


守里: うん。だから、ゲームの内容はみんなでよく考える必要があるけど、準備自体は簡単で、既存のシステムを弄る必要も無いし、難易度も良い感じになるんじゃない?


東野: なるほど…


守里: それと、そうだな…何円以上の注文をすれば、ゲームに挑戦できるとか決めといて、あと、1回の入店につき、ゲームは1回までにすれば、更なる売上も見込める。


東野: よし、それ採用!!


日向子: お!!


東野: カードもボックスも、どっか探せばあるだろうし、最悪作れるし……店の前におく看板も必要か……それとゲームの内容と、ゲームに挑戦できるラインの金額を考えねば…ブツブツ



1人、考え始める東野。



美月: プロデューサーが頭を高速回転させてる笑


守里: 笑、じゃ、僕は食料庫に行ってるみんなを手伝ってくるから、美月と日向子はここで東野さんのお手伝いをしてあげて。


日向子: りょーかい!!


美月: 分かった。頑張って。


守里: うん。



2人に東野を手伝うように言った守里は、更衣室に荷物を置き、食料庫に向かうのであった。





to be continued


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