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第7章 文化祭編

第229話「タイプの違うメイドさん」

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午前にシフトが入っている面々で、リハーサルを初めて30分が経過し…



東野: はい!!2組とも、お客さんがいなくなったところで、終了!!みんなお疲れ様!30分後から、午後の前半にシフトが入ってる人達でやるから、準備しといて!



「はい!」



守里: ふぅ……一旦休憩だ。


料理女子1: おつかれ笑


料理女子2: やっぱ、森崎君がいると安心だわ。


守里: いやいや、みんなの方こそだよ。お疲れ様。


料理女子1: フフ笑(これが守里君クオリティだよね~)


料理女子2: (さすが、2年の美女達が群がる男だ笑)


守里: よし、一旦出よう。


料理女子1: うん。


料理女子2: 森崎君は、次もここなんだよね?


守里: そうだよ。だから、休憩が終わったら、また戻ってくる。


料理女子1: そっか。頑張ってね。


料理女子2: 任せたよ笑


守里: 笑、うん。



軽く道具を片付けて、守里達はキッチンを出た。



陽芽叶: あ、守里!



すると、すぐさま陽芽叶に声をかけられる。



守里: ん、どうした?ってまだメイド服なの?


陽芽叶: さっき言ったじゃん、感想聞かせてって。


料理女子1: 笑、私達は退散しよう。


料理女子2: うん笑


守里: あぁ、そう言えばそうだった。


陽芽叶: で、どう?



メイド服を見せるように、くるりとその場で回る。



守里: 笑、めちゃくちゃ可愛いよ。ツインテールも似合ってて、まさに本場のメイドさんって感じ。


陽芽叶: 笑、ありがと。すごく嬉しい。


守里: そう笑


陽芽叶: 守里の執事姿も楽しみにしてる!初日は、午後の後半だよね?


守里: うん。


陽芽叶: 初日は私もシフト入ってるから、お客さんにはなれないけど、文化祭中のどこかのタイミングで、絶対にお客さんとして行くから!


守里: なんか恥ずかしいな笑


陽芽叶: とか言って、始まったらプロみたいな動きをするんでしょ?笑


守里: いやいや笑。ってか、プロって本物の執事さんってこと?


陽芽叶: まぁ、そうなるね。



と話していると…



日向子: あ!いた!!守里!!



2組の教室に、日向子が駆け込んでくる。



守里: こら、日向子。飲食店で走るのは厳禁だぞ。それにメイド服も汚れるし。


日向子: ごめんなさい!


守里: うん、分かればよろしい。それで、何の用?日向子は、初日はもう、お仕事終わりのはずだけど。


日向子: いや~守里にメイドさんの姿を見せたくてさ~


守里: 笑、なんだそれか。うん、ものすごく可愛いよ。この前の浴衣姿も良かったけど、メイド服もかなり良い。


日向子: え~なら、次の夏祭りはメイド服で行っちゃおうかな~


守里: それは違うよ。


陽芽叶: 隣で聞いてた私もそう思う。


日向子: 陽芽叶ちゃんまで……なら着ない!!


守里: うん。はい、じゃあ2人とも着替えておいで。


日向子: はーい!


陽芽叶: 日向子、行こ。


守里: 笑



2人が更衣室に向かうのを見送り、守里は一旦、教室の外へ。



璃勇: 守里。


守里: あ、璃勇君。1組の方に行ってたんだ。


璃勇: うん。(なんか初めて名前を呼ばれたような気が…)


守里: 初日の午前だと……春時も雅史君も1組のホールだったよね?


璃勇: そうだよ。2人とも良い働きっぷりだった笑


守里: そうなんだ笑。僕もどこかで見に行かないと…って、璃勇君は誰を選んだの?


璃勇: 南雲さんにしたよ。


守里: へぇ~どうだった?ちゃんとやってた?


璃勇: 笑、親の心配の仕方じゃん。


守里: だって、心配なんだもん。


璃勇: 大丈夫。南雲さんはバッチリだったよ。あの感じだったら、本番もたくさんお客さんが来るんじゃないかな笑


守里: そっか。なら良かった。


璃勇: 守里は次は?


守里: そのまま2組のキッチン。


璃勇: じゃあ、次は2組の方に行くね。


守里: 笑、美味しい料理を提供するよ。


璃勇: うわぁ~守里の料理は絶品って噂だからな~楽しみで仕方ない笑


守里: めちゃくちゃハードル上げるじゃん笑


璃勇: 笑……あ、僕はそろそろ行くから、守里は後ろの対応をしな笑



そう言って、璃勇はその場から去る。



守里: え?



璃勇が言い残した通りに、守里が後ろを向くと…



美月: ご主人様~美月ちゃんのメイド姿、似合ってますか~?♡



あざとオーラ全開かつ、上目遣いの美月と…



飛香: ご、ご主人様…ど、どうですか…///



少し、たどたどしく、顔を赤らめている飛香と…



祐希: 守里…あ、ご主人様だった。ふぁ~あ……祐希の服どう?



眠たそうに欠伸をしながら、自身の姿を確認している祐希。


この3人が立っていた。



守里: おぉ…



「やっば……あのキャラのメイドはまた別の破壊力があるな…」


「あんなのを直接至近距離で喰らって、よく普通にしてられるな、守里。俺だったら、普通に気絶する…」



「普段ツンデレクール系の山室さんが、顔を赤らめながらメイド服を着ている……これが僕の人生のピークかもしれない…」


「きゃ~飛香ちゃん可愛い!!」



「あのちっこいメイド、仕事サボりそう……だがそれも良い!」


「え、働いていいの?……いや、あれはどう見ても、3歳児じゃん。」



美月: 私のメイド姿が可愛すぎて、声も出ないの?♡


守里: そうだね。想像以上に可愛いくて、すぐに言葉が出なかったよ。


美月: っ!!///…んもう、こっちの妄想以上の言葉で返さないで!!


守里: え?妄想?


飛香: 美月のターンは終わり!守里、私は?


美月: え~


守里: 飛香はクール系な服が似合うと思ってたけど、こういうのもすごく似合うね。可愛い。


飛香: ///あ、ありがとうゴザイマス…


美月: あ、飛香が照れてる~笑


飛香: 美月もさっき照れてただろ!


守里: はいはい、2人とも喧嘩しない……って…


祐希: zzzz


守里: 祐希、寝てんの?!


祐希: …ふぇ?


守里: 今からリハだよ!起きないと!


祐希: だって、眠いんだもん。結局、途中で注文できなくなって、守里のオムライスも食べれなかったし…


守里: あぁ、東野さんが、あまりに増えすぎたオムライスの注文を止めちゃったせいか……よし、分かった。今度、家に来て。オムライスを作ってあげるから。


祐希: え?!!!!良いの?!!!!


守里: うん。


祐希: やった!!!!なら祐希、頑張る!!!


守里: 笑、頑張って。


祐希: よっしゃ行くぞ!!



そう意気込んで、祐希は1組の教室に入って行った。



守里: ふぅ……元気になってくれて良かった。美月と飛香も教室に…


美月: ねぇ、守里?♡


飛香: 分かってると思うけど…


守里: え?


美月: 私にも、オムライス、ちょ~だい?♡


飛香: もちろん、私にも。


守里: 了解笑。


美月: よし!私も元気出てきた!!!


飛香: 笑、キャラ崩れてるんだけど。


美月: あ…美月ちゃん、頑張っちゃうぞ~♡


守里: 笑


東野: そろそろ開始するから、みんな位置について!!


守里: おっと、東野プロデューサーが動き出した。早く行かないと。


飛香: うん。


美月: 守里、できるだけ美月ちゃんが担当の料理を、お願いね♡


飛香: は?


守里: う~ん、頑張ってはみるけど、期待はしないで笑


美月: やった!♡


飛香: え、頑張ってはみるの?…だったら、私のも!


美月: 笑(積極的じゃん。)


守里: 分かった。


東野: はい、そこ3人!!いつまでもイチャイチャしないよ!!


守里: イチャイチャって…


美月: ごめんなさ~い!すぐ行きます!♡


飛香: ほら、守里も行くよ。


守里: うん。



そして、守里はキッチンに、飛香と美月は入口付近の待機場所に立つ。



東野: よし。じゃあ、午後の前半のリハーサルを開始します!!



プロデューサーである東野の言葉で、リハーサルが再開した。



美月: お帰りなさい、ご主人様♡


男子生徒1: は、はい!(か、可愛すぎる…)


美月: じゃあ、魔法の言葉をかけちゃうぞ。美味しくな~れ、萌え萌えキュン!♡


男子生徒1: ふぇぇ…


美月: いってらっしゃい、ご主人様♡


男子生徒1: う、うん…(今、この世界で一番幸せなのは、俺に違いない…)



と、持ち前の演技力と可愛さで、メイド喫茶のメイドを完全にこなす美月。



飛香: お、お帰りなさい…ご主人様。


男子生徒2: おう。(山室のこんな姿は貴重だな笑)


飛香: 魔法の言葉をかけます……はぁ…おいしくなーれ、萌え萌えキュン……はぁ……さっさと食え!


男子生徒2: お、おう…(え、キャラ変?)


飛香: もう来んな、ご主人様。


男子生徒2: …(案外…悪くない。)



最初こそ照れていたが、次第に本来のクールな性格が出て、ドSメイドという新たなキャラを確立した飛香。



祐希: え~っと…お帰りなさいませ、お嬢様。


女子生徒1: うん!(やっぱ、ちっちゃくて可愛い~)


祐希: 魔法の言葉をかけます!おいしくな~れ、萌え萌えキュン!…こうで合ってる?…ジュルリ…


女子生徒1: うん、あってるよ!最高だよ!(お腹すいてるのかな?私の分で良かったら、全然食べて良いんだけど!)


祐希: また来てください!…あ、いってらっしゃいませ、お嬢様。


女子生徒1: 絶対また来る!(こりゃ一日に100は通うな。)



子供のような素直な反応に、男性ファンももちろんのこと、意外と女性ファンをつけた祐希。


この3人は、それぞれ別のキャラで、リハーサルの段階から確固たる人気を築いたのであった。


その頃、キッチンでも…



守里: よし、チョコレートパフェできた。えっと、美月だから、これ。



ニャンニャン



守里: 笑


料理男子: 守里、こっちのパンケーキ手伝ってくれ。


守里: 了解。


美月: はーい、どれですか?


守里: そのチョコパフェ。よろしく!


美月: うん!


料理女子3: 飛香ちゃんだから…



ピヨピヨ



飛香: これね。


料理女子3: うん。ちゃんと笑顔で……いや、飛香ちゃんのキャラなら、魔法の言葉の後に、ちょっと罵ってみるのもアリかも笑


飛香: 罵る?


料理女子3: そんなニヤニヤすんな!とか。


飛香: …頑張ってみる。


料理女子3: 笑、頑張れ~


料理男子: 俺はそのまま、もう1つを仕上げるから、守里はこれ持ってけ。


守里: 分かった。



午前のリハと変わらず、守里が熱心に仕事に取り組んでいたのだった。




そして30分後…



東野: はい!午後の前半も終了!30分後に午後の後半…今日最後のリハをやるから、それまでに反省をするなり、感想を言い合うなりしながら、準備してね!!



午後の前半のリハーサルが終わる。



守里: ふぅ……終わった。


料理男子: おつかれ。


守里: お疲れ様。


料理男子: やっぱ大変だな笑


守里: ね笑。明日からどれだけお客さんが来てくれるかは、分からないけど、リハよりは忙しくなるだろうからさ。


料理男子: いや、お客さんはたくさん来るよ。うん、絶対に…(だってメイドが強すぎるもん。マジでアイドルクラスだし。)


守里: 笑、そう?それなら嬉しいな。大変にはなるけど。


料理男子: 笑、頑張ろうぜ。


美月: あ、守里!


料理男子: おっと、俺はもう行くよ。


守里: うん、頑張ろう。


美月: ねぇ、守里ってば!


守里: どうしたの?


美月: どうしたのって、次執事でしょ!早く着替えに行かないと!


守里: 30分もあるんだから、そんな焦んなくても大丈夫だって笑


美月: 確かにそうだけどさ…(だって早く、守里の執事姿を見たいんだもん!!)


守里: 美月のメイド、めちゃくちゃ好評だったみたいじゃん笑


美月: え?


守里: さっき、東野さんが見に来た時に、言ってたよ。美月はうちのエースだって。


美月: へぇ~嬉しいな~


守里: 笑、僕も、そのなんて言うの、美月のメイドさんをちゃんと見てみたい。


美月: ……分かった笑


守里: よし、美月が早く行った方が良いって言ってることだし、もう行こうかな。


美月: うん!



そうして、守里と美月は教室を出て、それぞれの更衣室へと向かうのだった。




to be continued
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