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第7章 文化祭編

第226話「文化祭まであと少し」

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生徒会室に呼ばれた守里は櫻宮達に仕事を頼まれ、初めはそれを受けるのを渋っていたのだが、七星の説得により、承諾した。

そして、会議室には幼なじみ2人の笑い声が響き、他の役員達はそれを微笑ましく見ていた。



櫻宮: うん、いや、守里が了承してくれたのは良いんだけどさ、私達、置いてけぼり笑



ほんの少し時間が経ったところで、櫻宮がそう言う。



中谷: なんか2人だけで、良い感じになってるけど笑


鹿川: ふぅ~美味しかった!


倉田: まゆちゃんだけですよ。あんな空気の中で普通に食事ができるのは。


灰崎: 笑、それが鹿川さんの良いところなんじゃないの?


守里: で、結局のところ僕は、文化祭中に、そのコンピュータのことを気掛けておいて、もし何かしら起こりそうだったら、異常が発生する前に、その原因を排除するよう動けば良いと。


櫻宮: そういうこと。


守里: …これ、めちゃくちゃ難しくないですか?


櫻宮: 一応、生徒会が使うタブレット端末には、コンピュータが置かれた部屋の前に設置した監視カメラの映像が映るようにはするけど。


守里: えっと、ってことは…実習校舎の周りに怪しい奴がいた場合と、部屋の見張りをする先生からの緊急の連絡があった場合、そして生徒会のタブレットに流れる監視カメラの映像で何かしらの異常を発見した場合に、僕が動くってことですね。


櫻宮: だね。頼んだよ、守里。


守里: はい。でも、これ以降、こんな横暴なやり方はやめてくださいよ。


櫻宮: 笑、大丈夫。私達が生徒会役員として動くのは、来月までだし。


守里: まだ1ヶ月もあるので、不安しかないです。


櫻宮: そう?笑


灰崎: 今回は、僕達も森崎君が相応しいと思って、何も口出ししなかったけど、今後はしっかりとした対応を約束するから、僕達に任してくれない?


倉田: 先輩達の暴走は、私達が防ぎますので。


中谷: 暴走だってよ笑


七星: 桃ちゃんも言うようになったな~


櫻宮: 良いじゃん。優秀な後輩が育ったってことで。


鹿川: 私も優秀ですか?!!


櫻宮: まぁ、そうだね~


鹿川: やった!


守里: 分かった、灰崎君と倉田さん、よろしくお願いします。あ、あと、次も生徒会役員になるんなら、僕に仕事を振らないようにもお願いします。


灰崎: あぁ~それは、約束できないかも笑


守里: え?


灰崎: だって、僕達の仲じゃん。少しぐらい手伝ってよ笑


倉田: なんなら、森崎君も生徒会に入ったらどうです?森崎君のような、仕事ができる人は大歓迎です。


櫻宮: あらら笑。どうするの?守里。桃ちゃんから直接勧誘されるなんて、滅多にないことだけど。


七星: ななも、守里が役員になってくれたら、安心して出ていけるんやけどな~


守里: …笑、もちろん、丁重にお断りさせていただきます。


灰崎: やっぱり?笑


守里: ごめんだけど、僕は役員にはなるつもりはないかな。他に優秀な人に入ってもらえれば良いし。


倉田: 森崎君以上に優秀な人は中々…


中谷: 桃ちゃんは、随分と守里君のこと気に入ってるんだね笑


倉田: …


守里: あ、でもちょっと前の言葉は撤回で、灰崎君と倉田さんが役員になるなら、僕に仕事を振るのは構わないよ。僕達の仲だし笑


灰崎: 笑、了解。


櫻宮: 修学旅行のおかげで、大分仲が深まったみたいだねボソッ


七星: 無理やり同じ部屋にした甲斐があったなボソッ


鹿川: 守里君は、私とも仲良いよね!!!


守里: うん、もちろんだよ。まゆたん。


鹿川: いぇーい!!


櫻宮: よし、守里に伝えたいことも伝え終わったし、そろそろお開きに…


守里: ん?僕に任せたい仕事は、2つじゃないんですか?


櫻宮: 笑、さすがに忘れなかったか。


守里: …え、もしかして、もう1つの仕事は、コンピュータの件よりも、ヤバいヤツだったりします?


櫻宮: 大丈夫、そんなことはないから。


守里: 灰崎君、どう?


櫻宮: あ、私の信用が無くなっちゃった?笑


鹿川: 私は会長のこと、滅茶苦茶信用してるので、安心してください!!


灰崎: 笑、会長の言う通り、重たい仕事ではないよ。


守里: ふぅ…良かった。で、内容は?


櫻宮: 本当だったら、2つ目の仕事は、帰り際に適当に任せる感じにしたかったんだけど……守里には、文化祭中に、この宝石を持っておいて欲しいの。



そう言って、櫻宮は赤い宝石のおもちゃを手渡す。



守里: なんですか?これ。


櫻宮: まぁ良いから。とにかく、文化祭中は肌身離さずそれを持っておいて。もし、失くしたり盗られたりしたら…ね。


守里: …怖いんですけど。


櫻宮: 守里がちゃんと持っておけば、何も問題は無いんだよ。


守里: ここで、詳細を言うつもりはないんですね。


櫻宮: うん。だって、生徒会の企画に関わることだから、普通の生徒には教えちゃダメなんだもん笑


守里: 普通の生徒には教えちゃダメなことを、教えた癖に。


櫻宮: 笑、ま、よろしく。


守里: 分かりました。


櫻宮: それと、その宝石を持っていることを、誰にも言わないでね。


守里: 了解です。


櫻宮: じゃ、これで本当に話すことは終わったから、次は守里達のクラスの出し物について…


倉田: 会長。残念ながら時間です。


櫻宮: え?


中谷: 前回と同じ展開じゃん笑


倉田: もうすぐチャイムが鳴ります。


櫻宮: マジか。執事&メイド喫茶がどんな風に仕上がってるかを、聞きたかったんだけどな~


守里: 七星さんからでも聞いてください。


七星: そんな事言ったって、祐希もそんな喋る方じゃないねん。分かってるやろ?


守里: そこを聞き出すのが、七星さんの腕の見せ所じゃないんですか?笑


七星: 笑、こいつ。


灰崎: まぁまぁ笑。では、解散しましょう。


中谷: だね。文化祭、お互いに頑張ろう!守里君。


守里: はい。では、失礼します。


鹿川: バイバイ!!


倉田: また今度。


櫻宮: 後から写真送ってよ!!みんなのコスプレ姿!


七星: それが聞きたかったんや笑


灰崎: 写真撮りますかね、森崎君が。


七星: ん~それは大丈夫やろ。美月がおるし。



という、騒がしい声を聞きながら、守里は生徒会室を出て、教室に戻るのであった。


◆◆◆


ほぼ同時刻


オフィス街

ビルの一室



黒峰 T: 情報提供、ありがとな。



ピ



黒峰: ほら、返すよ。



そう言って、向かいに座る男へ、携帯を渡す。



黒峰: 来週か……ま、ちょうど竹川さんからも、使える情報を送ってもらえたし、良いタイミングだな。


白谷父: …本当に、能高に行かれるんですか?


黒峰: あぁ。やられっぱなしで、こっちの気も済まないし、これからの活動に支障をきたす可能性があるからな。そろそろ1発殴っとかないと。


白谷父: …


黒峰: なんだ?文句でもあんの?


白谷父: いえ……ただ、高校生相手に、そこまでする必要があるのかと…


黒峰: ww、ごもっともな意見だな。やっぱ、善良な立場にいる大人の言うことは違うね~


白谷父: す、すみません…


黒峰: でもな、やらないといけない時ってのはあんだよ。たとえガキ相手でもな。


白谷父: …手は出しませんよね?


黒峰: そりゃ分からねぇ。俺らの目的遂行の邪魔をするようなら…なw。まぁ、殺しはしねぇから、そこは安心しとけ。


白谷父: 絶対ですよ。


黒峰: はいはいw


白谷父: 部下の方々にも、そこは言い聞かせといて下さい。


黒峰: あぁ、もちろんだ。お前なんかに言われなくてもな。


白谷父: お願いします。


黒峰: wあくまで、文化祭を楽しみに行くんだから、そこまで心配すんな。ほんの少しだけ、荒らすだけだし。


白谷父: …


黒峰: じゃ、俺はそろそろ行くわ。



ガチャ



白谷父: ふぅ…



プルルルル



白谷父: ん……っ!!



ピ



白谷父 T: はい、白谷です。お疲れ様です、常務。いつもお世話になっております…はい……


◇◇◇◇


放課後


教室



守里: じゃあ、僕達は行ってくるよ。


陽芽叶: うん。見回りが終わったら、こっちに来るんだよね?


守里: そのつもり。


陽芽叶: 了解。待っとく。


美月: 待つって言っても、今日も7時ギリギリまで残るんでしょ?みんな。


陽芽叶: ま、そうだね笑


春時: 仕上げに入んないとだからな。


守里: あとは、リハと料理のクオリティをあげてく作業か。


春時: あぁ。


陽芽叶: 守里と美月が帰ってくる前に、リハの準備は終わらせとく。


守里: 頼んだ。


美月: 飛香!みんなと仲良くね!!


飛香: 誰に何を言ってんのよ、全く。そっちも、早めに終わらせてきなさいよ。


美月: 笑、OK。


飛香: …ほら、祐希起きて!


祐希: 分かったから~……zzz


飛香: …志帆。


川嶋: 祐希、起きなさい。


祐希: はい!!


東野: あ、祐希ちゃん。起きたんなら、こっちに来て、最終的なフィッティングをやって!


秋吉: こっちだよ!祐希ちゃん。


川嶋: 呼ばれてるよ、祐希。


祐希: は~い。


東野: ちょっと、日向子はどこ行ったの?!あの子もまだフィッティング終わってないよ!…飛香!


飛香: りょ~かい。探しに行ってきます。


東野: 守里君と美月は、さっさと行く!陽芽叶は料理担当の方に行って、春時は接客の練習!


陽芽叶: うん。


春時: はいはい笑


守里: 東野さんのプロデューサーが板についたね笑


美月: ほんとそれ笑


守里: よし、行こう。


美月: うん。



こうして、守里と美月は安心して、見回りに行くのであった。




to be continued
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