上 下
218 / 306
第7章 文化祭編

第218話「桜の誕生日会」

しおりを挟む
翌日

夕方


守里の家



「お誕生日おめでとう!!!」


桜: うわぁ~みんな、ありがとう。



みたらし団子で埋め尽くされたケーキを前に、目をキラキラと輝かせる桜。

そんな桜を、家族と同級生の友達が笑顔で眺める。



菊山: おいしそう~


桜: さぁちゃん。ダメだよ、さくが最初に食べるんだから。


菊山: 分かってるって笑。さくちゃんがたくさん食べた後の余りを、少しだけ貰えれば満足。


蓮花: そんなこと言ってたら、一欠片も残らないよ、多分。


柿谷: 確かに笑。みたらし団子だけには、食い意地を張っちゃうからね、さくちゃんは。


結真: みたらし団子だけにはね笑


桜: ///もう、みんなして、さくのことイジって…


珠美: さくちゃん、顔赤いよ!


紗耶: か~わい!


美月: 桜んぼみたいだね~笑


桜: ////…


守里: ほら、みんなニヤニヤしない。桜、まずは1口どうぞ。


桜: うん!いただきます!



ホールケーキから、そのまま、一口分フォークで取る。



守里: もう一個、団子を乗せたら?


桜: そうね。ヨイショ……パクッ


結真: どう?おいし?


桜: うんま!!



口を手で押えながら、そう言う。



結真: 良かった。奈々未のとこに、頼んで正解だったよ。


珠美: 珠美も、お店から運んできた甲斐がありました!


桜: モグモグ…もう一口食べていい?


守里: それはさすがに、切り分けてからにしようか。


桜: さくの大きめね。


守里: 了解笑。珠美、手伝って。


珠美: はーい!



ケーキを一旦、キッチンへ運んで行く2人。



菊山: いや~今日で、さくちゃんも16歳とは、時の流れは早いね~


紗耶: うんうん。


柿谷: いや、2人ともまだ15歳じゃん。


美月: そんなこと言う、かっきーもまだ16歳じゃん。


結真: いやいやいや、まだみんな未成年じゃん笑


蓮花: この中だと、お姉ちゃんだけが、成人してるもんね。


結真: ほんと、歳を感じる…


美月: あれ、私達のJK感についていけないの?笑


結真: 笑、何言ってんだか。まだ私は、ピチピチの女子大生よ!


蓮花: ピチピチってなんか…


桜: 古い。


結真: …


紗耶: そ、そんなことないですって!


菊山: そうそう、結真さんはいつもお美しいですし!


柿谷: うんうん!


美月: 笑、そんな焦ってフォローしなくても。


結真: 美月、余計なこと言わないよ。みんな、ありがとう、嬉しいわ~


紗耶: ほんと、大好きです!


結真: ウフフ笑


美月: ねぇ、かっきー、私は?


柿谷: もちろん、美月先輩もめちゃくちゃ可愛いです!


美月: エヘヘ笑


桜: 2人とも、私の友達を使って、承認欲求を満たさないでよ。




蓮花: そういえば、さぁちゃんはFPSやってるんだっけ?


菊山: う~ん、残念ながら、私はやってない。


蓮花: そっか~一緒にやりたかったんだけど…


菊山: PCガチ勢の蓮花ちゃんには、絶対勝てないよ笑


蓮花: やってみないと、分からないって。でも、私はってことは、他にやってる人を知ってるの?


菊山: うん。


蓮花: 誰?


菊山: 蓮花ちゃんは知らない子。


蓮花: ふ~ん、女の子?


菊山: いや、男の子。


蓮花: そうなんだ。


菊山: 夏休みぐらいから、よく一緒にオンラインでゲームしてるんだ。


蓮花: 男の子とね笑……気に入ってるの?


菊山: 気に入ってる…まぁ、良い子だよ。


蓮花: ほうほう笑


菊山: ム……そんなニヤニヤしてるけど、蓮花ちゃんは、男の子と一緒にゲームしたりしないの?


蓮花: 別に、しないってわけじゃないけど…


菊山: へぇ~笑


蓮花: ただのクラスメイト。


菊山: 笑、話を聞かせてもらおうか。


蓮花: そう言うなら、そっちもね笑



そんな会話が、守里の家で繰り広げられている頃…



新里: …ブルブル……風邪ひいたかな…


鴨田: …ブルブル……何故か体が震える…


新里 鴨田: まさか、誰か変な噂を…いやいや、そんなことは………一応、守里先輩に相談してみるか。



と、キャラが似ている2人が、見事なシンクロをしていたのであった。



守里: はい、みんな切り分けてきたよ。


美月: ありがとう!守里、珠美!


珠美: いーえ。どうぞ。


結真: 珠美ちゃん、ありがと。


守里: 要望通り、桜のは特大だぞ笑


桜: ほんとだ。


蓮花: ほぼ半分じゃん笑


柿谷: ま、さくちゃんのお誕生日だからね。


守里: さ、みんなで食べよう。良い?桜。


桜: うん。


結真: じゃ、いただきます。


「いただきます。」


桜: パクッ…モグモグ…うま~


蓮花: おいしい!


菊山: なんか、新食感って感じ。


柿谷: だね。スポンジと団子の食感が混ざりあってる。


結真: このみたらし団子のタレも、ケーキ用に改良されてるよね。


珠美: 店長が頑張ってましたから!


桜: 今度、お礼を言いに行かなきゃ。


守里: 笑、だね。


美月: はい、守里。あ~ん。


蓮花: また始まった。


菊山: いつもなの?


蓮花: うん。時間がある時は、毎回だね。


柿谷: 美月先輩…


桜: かっきーはそっちか笑。それに対して…


紗耶: ム…


珠美: ムムム…


結真: 笑、2人もやってみたら?


紗耶: じゃあ…


珠美: なら…


紗耶 珠美: やります!


守里: いや、美月。今はそういう場面じゃ…


美月: そんなの関係ないよ!


紗耶: 守里先輩、あ~んです!


珠美: さっさと口を開けてください!


守里: え、紗耶ちゃんに珠美も?


美月: ちょっと、私が最初なんだけど!


紗耶: 美月先輩は、いつもやってるみたいですし、今日ぐらい紗耶にやらせてください!


珠美: ズルいです!


美月: 先輩に譲るのが、後輩の役目なんじゃないの?


紗耶: うわ、ここで先輩を出してくるんですか。


珠美: ヒドいです!


菊山: ああなっちゃうと、カオスだね、傍から見れば。


蓮花: うん。


柿谷: ねぇ、さくちゃん。


桜: ん?どうしたの、かっきー。


柿谷: 3人が言い争ってる間にさ…ゴニョゴニョ


桜: ……え///でも……うん、分かった、やってみる。


結真: 笑(かっきーの策略に乗った桜は、どう動くのか。)


珠美: 珠美が最初にやるので、どいてください!


紗耶: 紗耶です!


美月: 絶対に譲らないわよ!


守里: ちょっと、3人とも…


桜: ふぅ……


ガタンッ



桜は、ケーキを持って、勢いよく立ち上がる。



蓮花: どうしたの?お姉ちゃん。


柿谷: 笑


菊山: まぁまぁ、眺めとこ。


蓮花: うん。



黙って歩き、守里の右隣で騒いでいる3人を無視して、桜はその左隣に立つ。



桜: お兄ちゃん。


守里: ん?なに、桜。


桜: はい、一口あげる!


守里: え…ムグッ……



ケーキを刺したフォークを、守里の口の中に無理やり突っ込む。



美月: あ!


紗耶: はっ!!


珠美: な…


桜: おいしい?お兄ちゃん。


守里: う、うん、おいしいけど…


桜: なら良かった……ニヤッ


紗耶: さくちゃん!


珠美: やられた…


美月: …桜、いつそんなことを……


柿谷: 笑、美月先輩。私に一口ください!


美月: ……ふん。桜に取られちゃったし…しょうがない。はい、かっきー、あ~ん。


柿谷: パクッ…美味しいです!ありがとうございます、美月先輩!!


結真: へぇ~(やっぱり、かっきーは賢いわね。あそこまで計算して、桜を誘導するとは。)


桜: ニコニコ笑


菊山: さくちゃん、満足そうだね。


蓮花: だね。


菊山: あれ、蓮花ちゃんは、行かなくていいの?前は、美月先輩に対抗していたような気がするけど…


蓮花: 笑、蓮花も大人になったの。


菊山: じゃあ、守里先輩を眺めながら、そのフォークに突き刺さしたままにしてるケーキは何かな?


蓮花: へ?あ、いや、これは…蓮花が食べようって思ってた分だよ!


菊山: …笑、良いんじゃない?甘えても。


蓮花: でも、お友達を見てると、蓮花が子供過ぎるんじゃないかって思って…


菊山: 大丈夫。逆に我慢する方が、後々キツくなってくるから。ほら、今、やんちゃんとたまちゃんがやってるから、その後に流れで行ってきてごらん。


蓮花: …分かった。さぁちゃんの言う通りにする!お兄ちゃん!!



そうして、蓮花も席を立ち…



紗耶: 次こそは、紗耶の番ですよ!


珠美: 守里先輩!!美味しいケーキです!!


蓮花: お兄ちゃん!!お口を開けてよ!!


守里: 分かった、分かったから!


柿谷: 美月先輩、私のもあげます!(守里先輩の方を体で隠しながらっと…)


美月: はいはい笑(全く、可愛い後輩だな~)


結真: 桜、楽しい?


桜: うん!すっごく楽しい!モグモグ




to be continued
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?

Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」 私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。 さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。 ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう

白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。 ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。 微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…

処理中です...