ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
上 下
216 / 340
第7章 文化祭編

第216話「悪魔と文化委員長との対面」

しおりを挟む
放課後

バイト終了後


カフェBINGO!



守里: 店長、いただきます!


珠美: いただきます!!


店長: はーい。橘さんも、どうぞ。


奈々未: ありがとうございます笑


店長: 友達からの電話?


奈々未: はい、そうです。


店長: あの関西弁の子かな?


奈々未: 聞こえてました?笑


店長: 笑、随分と声が大きいからね~


奈々未: すみません。


店長: いやいや笑。元気があって良いじゃない。


奈々未: 笑、では、いただきます。


店長: うん笑



更衣室での電話を終わらせた奈々未も、守里と珠美と同じ席に着き、賄いを食べ始める。



奈々未: ねぇ、守里君と珠美ちゃんは、文化祭何やるの?


守里: 出し物ですか?


奈々未: いや、それ以外にもやるなら、教えてくれて良いけど笑


守里: やらないです笑


奈々未: で、クラスの出し物は?


守里: えーっと…



わざわざ奈々未さんが、しかも関西弁のお友達…大我先輩のお姉さんとの電話を終えたこのタイミングで、文化祭のことを聞いて来たということは…


来るな、これは。



奈々未: 笑、さゆりんから、ちょうど誘われてさ。もちろん、君のお姉さんも一緒に。


守里: やっぱり。


珠美: 珠美のクラスはですね、コスプレカフェです!


奈々未: へぇ~珠美ちゃんは、何のコスプレをするつもりなの?


珠美: 今のところ、黒猫になりそうです!


奈々未: 珠美ちゃんの黒猫姿…見てみたいわ。ね?守里君。


珠美: 楽しみですか?!守里先輩!


守里: う、うん。


珠美: よぉ~し!珠美、頑張ります!!


奈々未: 笑、それで、守里君のクラスの出し物は?


守里: …



まだ企画段階だから、どうなるかは分からないけど…



奈々未: なに?私に教えたくないの?笑


守里: いや…



もし、僕が執事担当になった場合、ちょっと…



奈々未: ふ~ん…守里君もコスプレ系なのかな?



やばい、このままだと僕が口を割らなくても、当てられてしまう!



奈々未: 守里君のクラスは、日向子ちゃんに、飛香ちゃん。それと美月に祐希っていう、可愛い子達がたくさん集まってるわけだから、必ず男子達からメイド喫茶の案は出てくると思うんだよ。


守里: …



反応するな僕!

言葉や表情に反応を出したら、一瞬でやられる!



奈々未: ただ、単純にその案が通るとも思えない……


守里: ゴクン…


奈々未: …もしかして、執事喫茶?それか、執事喫茶とメイド喫茶を合わせたヤツとか。


守里: …残念ながら違います。



うっわ…マジか…

普通に当てたよ、この人。



奈々未: 嘘だね。私の予想が当たっちゃったか。


守里: 嘘じゃないです。


奈々未: ふ~ん…っていうか、私に隠したところで、結局文化祭には行くんだから、隠しても一緒でしょ笑


守里: た、確かに…


奈々未: 笑、守里君は執事やるの?


守里: 今のところ、分からないです。


奈々未: あら、認めるんだ。


守里: だって、もう無理ですから。



この人に隠し通すのは。



奈々未: だから、やってみないと分からないじゃない笑



もう負け同然です。



奈々未: まぁね~笑


守里: はぁ…



もはや人じゃないな…


あく…



奈々未: ん?


守里: …なんでもないです。


奈々未: ジー


珠美: あ!奈々未先輩のところの、学祭はいつなんです?


守里: ふぅ…


奈々未: 笑、私のところは、もうちょっと後だよ。11月の頭。


珠美: 行っても良いですか?


奈々未: もちろん、大歓迎よ。守里君もね。


珠美: 守里先輩、一緒に行きましょう!


守里: 珠美と?まぁ良いけど。


珠美: やった!!


奈々未: 笑(ほぉ~随分と自然な流れで……成長したわね、珠美ちゃん。守里君の修学旅行中に、色々と教えた甲斐があったわ。)


店長: ニコニコ笑


◇◇◇◇◇◇


翌日

昼休み


中庭



守里: じゃ、僕は一足先に行くね。


春時: おう。


飛香: 文化委員室だっけ?


守里: そうそう。


柿谷: 私達のお手伝いをよろしくお願いします!笑


守里: うん笑


紗耶: 先輩、頑張ってください!!


菊山: また明日!


桜: モグモグ…いってらっしゃい。


守里: 笑、いってきます。



そうして、守里は文化委員長の待つ場所へと向かった。




文化委員室



コンコン


「あ、来たかな。どうぞ。」



ガラガラ



守里: 失礼します。


麻里: やぁ、森崎君。久しぶり。


守里: すれ違うことはあっても、こうやって話すのは、あの検討会議の時以来ですか。


麻里: そうだね。元気にしてた?


守里: はい笑


麻里: それなら良かった。あと、陽芽叶とは仲良くやってる?


守里: もちろんですよ。


麻里: いや~ほら、陽芽叶ってさ、なんかちょっと普通じゃない雰囲気を持ってるじゃん。


守里: 普通じゃない雰囲気…ですか?


麻里: うん。お姫様感があるというか、上品な雰囲気をさ。だから、転校してすぐの頃は、心配だったんだよね。でも、森崎君とすぐに仲良くなれたみたいで、安心したよ。


守里: 笑、幼なじみですから。


麻里: 知ってる笑


守里: あ、やっぱり伊藤先輩も知ってたんですね。


麻里: もちろん。この学校に陽芽叶が転校するってなった時に、葵波と聞いたんだ。


守里: へぇ~って、中々、陽芽叶が認めてくれないから、ずっと疑問なんですけど、陽芽叶ってガチのお姫様というか、お嬢様なんですか?


麻里: 笑、昔、陽芽叶の家にも行ったことがあるって聞いたんだけど、覚えてないの?


守里: いや、大きい家だったのは覚えているんですが、僕も小さかったですし、相対的に大きく見えてただけなんじゃないかって思って。


麻里: 残念ながら、私の口からは教えられないかな笑。ま、陽芽叶の家にはすぐ行く機会があるだろうけど、頑張って、本人から直接聞き出したら?


守里: 笑、了解です。それで、僕にお願いしたい仕事ってなんです?


麻里: まず最初に言っとくけど、今のところお願いしようとしてる仕事は、そこまで大変じゃないから、安心して。


守里: ん、今のところ?


麻里: 笑、そう、今のところ。ま、それは良いから、森崎君にお願いしたいのは、文化祭の舞台会場となる体育館の準備だよ。


守里: 準備と言うと、飾り付けですか?


麻里: もちろんそれもやってもらうけど、力持ちの森崎君に主にやってもらいたいのは、舞台装飾の製作と設置。


守里: なるほど。他の文化委員達と協力して、それをやればいいんですね。


麻里: うん。来週の月曜日の昼休みに、体育館組の会議があるから参加して。ちゃんと向こうには、森崎君のことは話してるから。


守里: はい。


麻里: よし、私が話したかったことはこのぐらいなんだけど、森崎君の方から聞きたいことある?


守里: う~ん…今のところ、特にはないです。


麻里: 笑、そう。ってかさ、陽芽叶も葵波も同じ伊藤で分かりづらいだろうから、私のことは下の名前で呼んで。その代わりに、私も守里君って呼ぶから。


守里: 分かりました。麻里先輩。


麻里: うん笑。じゃ、また今度ね。


守里: はい。失礼します。



ガラガラ



守里: ふぅ…



去年の文化祭での体育館のステージを見た感じ、結構大変そうだな~

まぁでも、楽しそうだし、頑張ってみるか!


と、前向きな気持ちで、守里はこれからの事を考えながら、教室へと向かうのであった。




to be continued

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ヤクザの娘の本心を俺だけは知っている

青井風太
恋愛
赤城遥の通う高校には有名人がいた。 容姿端麗で成績優秀、ドラマでしか聞かなそうな才を持ち合わせた青崎楓は学校中から注目を集めていた。 しかし彼女を有名人たらしめる理由は他にある。 彼女は関東最大規模のヤクザ組織【青龍会】会長の愛娘であった。 『一人で暴走族を壊滅させた』『睨みつけるだけで不良が逃げ出した』などの噂が学校中に広まっていた。 ある日の放課後、忘れ物を取りに教室に戻ると遥は目撃してしまう。 ぬいぐるみに話しかけているヤクザの娘の姿を・・・

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...