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第7章 文化祭編

第215話「生徒会との会食」

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翌日

昼休み


生徒会室前



守里: はぁ…



この時期に呼び出したんだから、十中八九、文化祭関連なんだろうけど…

嫌だな~入りたくないな~


昼休みに入り、普段通り購買に行こうとした守里は、放送で名前を呼ばれ、周囲からの哀れみの視線を受けながら、昼食を買い、生徒会室までやって来た。



守里: う~ん…



と、扉の前で突っ立っていると…



鹿川: あれ?守里君じゃん!


守里: あ、まゆたん…


鹿川: ここで何やってるの?もしかして、ツチノコ発見した?!


守里: い、いや…



まだツチノコを探してるのか、この子は…

って、こんな騒いじゃったら…


ガチャ



七星: 何やってんねん、2人とも。はよ入り。



扉を開け、中から七星が顔を出す。



鹿川: はーい!


守里: …はい。


櫻宮: やっと来たね、守里。


七星: なんか扉の前で、まゆちゃんと楽しそうにお喋りしとったんよ。


中谷: へぇ~何を話してたの?


守里: いや別に…


鹿川: ツチノコの話です!


櫻宮: 笑、守里もツチノコに興味あったんだ。


守里: そんなことは…


鹿川: え~


守里: …


倉田: まゆちゃん。あまり森崎君を困らせないように。


鹿川: 困ってるの?守里君。


守里: いや…


灰崎: 笑、まぁまぁ、昼食を食べましょう。


七星: せやな。



ガチャ


そうして、生徒会役員6人と守里は、会議室で昼食をとり始めた。



櫻宮: 守里のとこは、何やるの?


守里: 文化祭の出し物ですか?


櫻宮: うん。


守里: 執事&メイド喫茶です。


櫻宮: ふ~ん笑、楽しそうじゃん。


中谷: 守里君のクラスでメイド喫茶となると……これは、相当男子達が頑張ったんだろうね笑


七星: 日向子や飛香達のメイド姿が見れるのは、嬉しいんやないの?守里も。


守里: まぁそうですね。可愛いでしょうし。


倉田: 普通にそういうことを…


灰崎: 笑、これが森崎君だよ。そろそろ分かってきたんじゃない?倉田さんも。


倉田: ま、何気に結構話してますから。


鹿川: ねぇ守里君!私、可愛い?


守里: え?可愛いと思いますよ。


鹿川: やった!はい、これあげる!


守里: どうも。



褒められたことで嬉しくなった鹿川は、お弁当に入っているおかずを1つ渡し、守里もそれを普通に受け取った。



中谷: にしても、執事も合わせたのか。メイドだけじゃ、インパクトに欠けるって考え?


櫻宮: というより、メイド喫茶は女子の反対があったんでしょ。自分達だけコスプレするのは不平等だ!みたいな。


中谷: なるほど笑


七星: (いや、おそらく、美月あたりが守里の執事姿を見たいって言う私情を持ち出した結果でしょ。)


守里: それで、今日、僕を呼んだ理由はなんです?


櫻宮: 笑、守里のことだから予想ついてるんじゃない?


守里: その予想を裏切って欲しいから、わざわざ聞いたんですよ。


櫻宮: 残念。その予想は裏切られません。文化祭の手伝いをしてもらいます!


守里: はぁ……今回も生徒会の手伝いですか?


櫻宮: いや、今回は文化委員の手伝いだよ。


守里: 文化委員…ってことは…


灰崎: うん。例の委員長のお手伝いのヤツ。


倉田: そこまでキツくない内容でしたし、こちらで了承しちゃいましたが、良かったですか?


守里: 倉田さんが大丈夫って判断したんなら、問題ないよ。


櫻宮: それさ、私が同じこと言ったら、絶対拒否してたよね?笑


守里: もちろんです。


中谷: うわ笑、どストレート。


守里: だって、櫻宮さん達はめちゃくちゃなんですもん。


櫻宮: え~そんなことないよ。


中谷: あれ、それって僕も含まれてる?笑


守里: ノーコメントです。


鹿川: 私も?


守里: うん。


七星: ななは違うやんな?


守里: 笑、七星さんはめちゃくちゃな人筆頭です。


七星: ひっど笑


灰崎: 会長と副会長にあんなこと言えるのは、若月先輩と森崎君だけだろうね笑


倉田: 貴重な人材です。


守里: 仕事の内容は、文化委員長に直接聞けば良いですか?


倉田: はい。明日の昼、文化委員室に行けば、いらっしゃると思うので。


守里: 笑、ありがとう。


灰崎: 文化委員長も、結構人使い荒いから、気をつけて笑


守里: 分かった。


鹿川: 私も手伝おうか?!


守里: いや、遠慮するよ。


鹿川: え、即答?!


灰崎: 笑、段々と鹿川さんへの対応が慣れてきたね。


守里: ほら、似てるのといつも一緒にいるし。


倉田: 南雲さん?


守里: うん、そうだよ笑


櫻宮: ねぇ、守里って桃ちゃんにだけ優しくない?


中谷: やっぱ可愛いから?笑


七星: ふん…


櫻宮: あら、不満そうね笑。なぁちゃん。


中谷: 嫉妬ですか~笑


七星: ちゃうわ。守里!


守里: どうしたんです?


七星: ちょっと聞きたいことがあんねん。


守里: なに?


七星: あの守里んとこのクラスに転校してきた、伊藤陽芽叶ちゃんって、どんな子なん?


守里: 陽芽叶?どんな子……う~ん、気品があって、お姫様みたいだけど、気遣いができて優しい子ですかね。


七星: へぇ~守里が呼び捨てで呼んでるんや。


守里: あ、七星さんはまだ知らないんでしたっけ?


七星: ん?


守里: 僕もつい最近思い出したんですけど、陽芽叶は僕の幼なじみなんです。


七星: …ななが知らんってことは、小学校以前までのお友達か…


守里: はい。僕と日向子と陽芽叶の3人で、ほぼ毎日一緒に遊んでたんです。


七星: ふ~ん…


守里: 確か、父さん同士も仲良かったはず…


七星: …そうなんや。ありがと、教えてくれて。


守里: ってなんで、陽芽叶のことを?


七星: うん?別に大した理由はあらへんよ。


櫻宮: そんなこと言っちゃって笑


中谷: 本当は、お気に入りの後輩に近づく女の子が気になってるんじゃないの?笑


鹿川: 嫉妬ですね!!


灰崎: (あぁ、これは…) 


倉田: (副会長の目が…)


七星: ギロッ!!あんたら、いい加減にしいや。いてこましたるぞ。


守里: おぉう…


櫻宮 中谷 鹿川: はい…


灰崎: 笑、皆さん、一旦仕切り直して。まだ森崎君に話しときたいことがあるんでしょ?


櫻宮: そ、そうだったね!


守里: まだ、何かあるんですか?


櫻宮: いや、特に守里にやってもらうことはないんだけど…っと、はい注目!



そう言って、櫻宮は1枚のカードをポケットから取り出す。



櫻宮: 守里、これがなんだか分かる?


守里: カード…クレジットカードですか?


櫻宮: 惜しい笑。正解は伊衛能高校文化祭専用ICカード、通称「ICFカード」でした!


守里: ICFカード?


灰崎: ちゃんと説明しないと、分からないですよ笑


櫻宮: え~教えて欲しい?


倉田: …ICFカードというのは、今年から能高文化祭に取り入れようと思ってるシステムで、バスや電車のICカードに近いものです。


守里: なるほど…先にお金をカードにチャージしてもらって、会計をそのカードで全部済ませるってことか。


倉田: はい。正門と裏門、そして東門の各入口には、カード受け取り所とチャージ専用機を設置し、出口には、払い戻し専用機とカード返却所を設置します。


守里: 便利だね。去年は会計が追いつかなくて、混雑してるお店もあったり、会計の不手際が起こったりしたこともあったみたいだし、それが解消されそう。


灰崎: うん。その対策で導入しようとしたから。


守里: にしても、そんなシステムをどこから?


灰崎: それは…


櫻宮: そりゃもちろん、能高が今年からお世話になりだした、金山コーポレーションさんだよ!


中谷: 笑、ムキになってる。


七星: 全く、お子ちゃまなんやから笑


守里: へぇ~体育祭に引き続き、文化祭まで手伝って下さったんですね。


櫻宮: ちょっとあそこに、伝手があるヤツがいてさ。


守里: あ、もしかして、直也先輩ですか?


櫻宮: あれ、知ってたの?


守里: はい。前に大我先輩と会社に行った時に、対応して下さったのが、偶然、直也先輩のお父さんだったんです。


櫻宮: ほぉ、そんな偶然が。ま、とにかく、頼んでみたら、意外とあっさり承諾してくれて。


灰崎: カード本体も、カードリーダーもまぁまぁな数が必要だから、無理かなって思ってたんだよ。


守里: 確かに…相当お金がかかったんじゃ…


櫻宮: 大丈夫。ね?会計。


中谷: 文化祭での収益を考えると、逆にお釣りが来るぐらい笑


櫻宮: だって。


守里: そういえば、文化祭での収益って、どうなるんですか?


中谷: さっき言ったように、文化祭にかかった経費と、あと体育祭だったりとか、他の行事の経費に当てられる。


倉田: もちろん、生徒の頑張りで得たお金ですから、学校の設備の修繕だったり、新設備の導入など、生徒の学校生活へ還元もします。


七星: あとは、みんな楽しみにしてる、文化祭の打ち上げ用や。


守里: 打ち上げ……今年も花火は上がるんですか?笑


櫻宮: 笑、どうだろう。


七星: アレは、一応サプライズ扱いやから、いくら守里でも教えられん笑


中谷: でも、能高文化祭の伝統を終わらせるわけにもいかないし、やらないと困る人も出てくるだろうからね笑


灰崎: 困る人…あぁ、そういうことですか。


櫻宮: 守里の周りには、また別の火花が飛び散りそう笑


守里: え?


鹿川: 守里君は、線香花火をするんだ!良いな~私も混ざりたい!ねぇ、守里君、私も一緒にやっていい?!


倉田: おそらく違いますよ、まゆちゃん。


中谷: おっと、まゆちゃんにその気はないのかもしれないけど、今のは敵が増えちゃう発言だね笑


櫻宮: ほんとに一緒にやっちゃうの?まゆちゃん。


鹿川: え、そんなに危険なことを?守里君、だったら止めた方が良いって!!


守里: 皆さん、何の話をしてるんですか?


櫻宮: 笑、そのうち分かるよ。


鹿川: 何やるの?!守里君!


守里: だから何のことだか…


倉田: まゆちゃん、落ち着いてください。森崎君も気にしなくて良いですから。それと皆さん。


七星: ん?どうしたん?桃ちゃん。


倉田: そろそろ、昼休みも終わりです。あと2分後にはチャイムが鳴ります。


中谷: あ、ほんとだ。


灰崎: 話し込んじゃったね。


守里: だね。


櫻宮: あぁ~これから、生徒会プレゼンツの企画だったり、ICFカードの導入だったり、文化祭の準備が大変だな~


七星: せやな~人手がもうちょいと欲しいとこや笑


守里: …僕は手伝いませんよ。文化委員の手伝いもありますし、自分のクラスの準備もありますから。


櫻宮: でも~


倉田: 計画では、私達だけでも十分にこなせる仕事量ですから、頑張りましょう。


灰崎: そうですよ。


鹿川: 頑張るぞー!!!


中谷: あらら、後輩達が全員、守里君擁護派についちゃった笑


櫻宮: ちぇ~


七星: これは、しゃあないな笑。守里、そっちもそっちで頑張り。


守里: はい。



こうして、生徒会との昼食会が終わった。




to be continued


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